
株式会社リクルートが運営する不動産ポータルサイト『SUUMO(スーモ)』が、圧倒的なシェアを誇る業界首位のサービスであることに異存を持たれる方は少ないでしょう。
これまで実施されてきた様々なアンケート調査の結果を見ても、『SUUMO』のシェア率は常に50%を超えており、近年は不動の首位を誇る『SUUMO』を、『LIFULL HOME’S(ホームズ)』や『at home(アットホーム)』が追随する構図が半ば定着しています。

運営会社である株式会社リクルートは、賃貸・売買のポータルサイトである『SUUMO』のみならず、注文住宅やリフォーム関連の情報提供、さらには、それらの会社を面談方式で紹介する『スーモカウンター』や『スーモリフォーム』を全国各地に展開するなど、様々な革新的手法で広く情報を発信しています。
これにより、株式会社リクルートから提供される各種コンテンツが、ユーザー情報をより多く取り込みたい不動産業者にとって欠かせない存在となっています。

膨大かつ有益な情報を、無料で気軽に検索できるサービスの提供は、消費者に様々な恩恵をもたらしています。
しかし、これらの運営費用はすべて、私たち不動産業者が負担する掲載料などで賄われています。
掲載料については公式サイトで公表されておらず、かつ賃貸か売買か、あるいは単品か定額(月額)かによっても変動しますが、数千円(賃貸単品)から数十万円(売買定額)と幅広い料金体系が設定されています。
不動産広告はポータルサイトを利用した情報提供ばかりではありませんから、事業規模の大きい企業では月間100万円を超える広告宣伝費を計上しているケースも少なくないでしょう。
広告宣伝費は可能な限り抑えたい、その一方で良質な顧客情報を1件でも多く入手したいというジレンマは、不動産業者が等しく抱えている矛盾を孕む課題です。
そこで重視されるのが、いわゆる費用対効果です。
売買・賃貸に限らず、媒介報酬は成約しなければ得られません。
そのため、効果の得られない広告宣伝費を拠出すれば赤字となる可能性があります。
シェア率の高い『SUUMO』への情報掲載は、費用対効果を最大限に得るために不可欠な、選択肢の一つと言えるでしょう。
ですが、『SUUMO』の掲載料金が、従来の「掲載課金型」から成約結果に基づく「成果報酬型」へ移行する準備が、一部地域で試験的に進められていることをご存じでしょうか。
影響の大きな東京や大阪を除く、それ以外の地域で「10月から移行する旨」「掲載に関する契約の締結が必要となる旨」が記載された通知が各社に配布されているのです。
契約内容は『スーモカウンター』に準じるとされているようですが、問題となるのは課金対象と徴収される額です。
公にはされていませんが、現行のスーモカウンターは、紹介を受けた顧客が成約に至った場合、企業は請負契約額の5%を負担する契約が一般的です。
筆者は株式会社リクルートが『スーモカウンター』を創設した当時、新築分譲デベロッパーに在籍していました。
そのため、登録の勧誘に際して詳細な説明を受けた経験があります。
その際も主観的には「取りはぐれのない、何とも巧みな収益モデル」だと感じた覚えがあります。
注文住宅であれば、その分を受注額に上乗せすれば実質的な負担は生じませんが、両手仲介であっても「取引額の3%+6万円✕2」つまり約6%に消費税を加えた額が上限である媒介業者にとって、高額な成果報酬型への移行は死活問題になりかねません。
現在のところ、公的にはリクルートは具体的な契約書の内容や成果報酬額の内訳を明らかにしていません。
おそらく今後も公には公表されないでしょう。
従量課金制と同様、各企業に個別提示する可能性が高いと予測されます。
しかし、実質的に負担額が増加する可能性の高い「成果報酬型」への移行は、少なからず媒介業者に影響を及ぼし得るでしょう。
本稿は、「成果報酬型」への試験的移行を糾弾する意図はありません。
あくまで、業界とプラットフォームが共存できる健全な成果報酬のあり方について、さらなる情報の開示と議論を切望する目的で寄稿しました。
ですが、成果報酬型への移行で発生が懸念される様々な問題を予測すると同時に、掲載を続けるメリットとデメリットについても検証していきたいと思います。
市場構造と問題提起
不動産ポータルサイトにおける掲載料金の主流は「掲載課金型」です。
これは、物件情報を一定期間掲載することに対して費用を支払う仕組みであり、賃貸・売買を問わず広く採用され、これからも主流となるモデルと言えます。
何より、掲載期間や枠数、掲載サイズなどによって料金が設定されるため、広告費を事前に、ある程度コントロールできるメリットがあります。
一方で、広告は常に水物ですから、反響や成約といった成果とは必ずしも連動しないという特徴を有しています。
つまり、掲載課金型は「成果の有無にかかわらずコストが発生する」構造であり、私たちは投下した広告宣伝費と問い合わせ件数から「CPA(Cost Per Acquisition)」や「ROAS(Return On Advertising Spend)」を算出し、顧客情報の獲得単価や広告掲載料1円あたりの売上額を把握して、限られた広告予算の中で掲載媒体や物件の選別を行いながら、より効果的な運用を模索してきたのです。
これに対し、『SUUMO』が導入する「成果報酬型」は、契約という結果に対して費用を発生させる仕組みです。
例えば、一般媒介において報酬が得られるのは、媒介契約を締結したうちの1社だけですから、通常は広告費の拠出をどれだけ抑えられるかについて頭を悩ませるものです。
その点、成果報酬型であれば掲載料の負担はありませんから、躊躇せず掲載できるでしょう。
実際、「成果報酬型」は異業種においては広く普及している課金体系であり、その有効性は一定程度実証されていると言えます。
また、『スーモカウンター』が代表するように、すでに一部領域では成果報酬型に近いビジネスモデルが導入されており、ユーザーの掘り起こしから送客、さらには成約に至るまでを一貫して支援・管理する仕組みが機能しています。
こうした流れを踏まえれば、ポータルサイトにおいても同様の課金体系が検討されること自体は、自然な延長線上にあるとも言えます。
しかしながら、不動産媒介という業態においては、この「成果報酬型」という仕組みが必ずしも単純に適合するとは限りません。
表面的には合理的に見えるこのモデルも、収益構造との関係性まで踏み込んで考えた場合、看過できない問題を内包している可能性があるからです。
結局のところ「成果報酬型」のビジネスモデルは、これまで各社が掲載件数やプランに応じてそれぞれ負担してきた費用を、成約によって利益を得た企業に集中させる構造だと言えます。
成約しなければ利益を得られない業態にとって、収益発生時に追加コストが発生するこの仕組みは、実質的な広告宣伝費の増額につながる可能性があり、このような方式の一方的な導入予告は、様々な問題を孕んでいると言えるのです。
収益構造の不整合がもたらす諸問題
前章で述べたとおり「成果報酬型」は、成約できなければ費用負担が発生しないため、一見すると合理的な課金体系にも見えます。
ですが、不動産媒介という業態の収益構造と照らし合わせた場合、このモデルは本質的な不整合を内包していると言わざるを得ません。
不動産媒介業における収益は、言うまでもなく成約時に得られる媒介報酬によって成立しています。
そして、その収益は法的な上限が定められている「制限付き成功報酬」です。
1件成約すれば当面の経費を捻出できる、高額物件の取り扱いのみで企業運営が成り立つならまだしも、通常は大小織り交ぜながら成約件数の増加に尽力し、企業を運営しています。
このような構造のもとで、「成果に応じて費用が増額される」という成果報酬型の広告課金が重なる場合、収益構造が大きく変質します。
それは「報酬額に比例して、成果報酬が課される」という二重構造が生じるからです。
そして、これまで活用してきた「CPA(Cost Per Acquisition)」や「ROAS(Return On Advertising Spend)」はその役割を相対的に低下させ、利益が上がるほど広告宣伝費も増加するというジレンマを抱えるようになるのです。
両手取引でも約6%が上限である媒介報酬に対して、『スーモカウンター』と同様の「成約額の5%」が課金されることはないでしょうが、それでも媒介報酬に占める相当部分が広告費となってしまう可能性があります。
さらに、媒介報酬はあくまで上限であるため、その値引きは制限されていません。
にもかかわらず、成約額を基に課金されてしまえば、手元に報酬が残らない可能性すらあるのです。
仮に低額成約時の調整措置が講じられるとしても、契約内容の詳細が公にされていない以上、その実効性については不透明な部分が残ります。
また、この構造は単に収益率を低下させるにとどまらず、実務判断そのものに影響を及ぼします。
従来であれば積極的に取り扱っていた案件であっても、「成果報酬の負担を勘案すれば採算が合わない」と判断されるケースが増加する可能性があります。
結果として、媒介業者が取り扱う案件の選別が進み、市場全体の流動性や公平性に影響を及ぼすばかりか、間接的に消費者へ悪影響を及ぼす可能性もあるのです。
さらに重要なのは、この負担増が可視化されにくい点にあります。
掲載課金型であれば、広告費は事前に予算として認識されるため、費用対効果の検証も比較的容易です。
しかし成果報酬型の場合、費用は成約後に発生するため、当初はコストが抑制されたように見える一方で、実際には利益を圧縮する形で作用します。
この“見えにくいコスト構造”が、経営判断を誤らせる要因になり得るのです。
このように、不動産媒介における成果報酬型の導入は、単なる課金方式の変更にとどまらず、業界の収益構造そのものに影響を及ぼす可能性を孕んでいるのです。
特に、圧倒的なシェアを持つ『SUUMO』における制度変更である点を踏まえれば、その影響は個社の問題にとどまらず、業界全体に波及する可能性が高いと言えるでしょう。
したがって私たちは、表面的な合理性の裏側にある構造的な歪みについて冷静に検討し、「掲載を継続すべきか」「物件ごとに判断すべきか」「完全撤退すべきか」といった判断を、より戦略的に行う必要に迫られているのです。
実務に及ぼす影響と市場の歪み
前章で述べたとおり、成果報酬型の導入は単なる課金方式の変更にとどまらず、不動産媒介業の収益構造そのものに影響を及ぼす可能性があります。
そして、この構造的な変化は、現場レベルでの実務判断にも少なからず影響を与えることになるでしょう。
まず懸念されるのは、いわゆる「囲い込み」のさらなる誘発です。
成果報酬型においては、成約時に一定のコストが発生するため、媒介業者にとって「どのように成約するか」が、これまで以上に重要な意味を持つことになります。
その結果、両手取引での成約を優先し、他社への情報開示や客付けの機会を抑制するインセンティブが強まる可能性があります。
レインズで「商談中」にチェックし、さらに業者からの問い合わせに対して「商談中です」と答えれば、外部から事実関係を確認する手段は実質的に存在しません。
つまり、収益構造の変化によって取引の透明性が失われ、市場全体の健全性が損なわれる要因になりかねないのです。
次に、高額物件への偏重が進む可能性も否定できません。
成果報酬は取引額に連動しますから、同じ労力であればより高い収益が見込める案件を優先するのは、経済的合理性に照らして自然な判断です。
宅地建物取引業法の改正によって、800万円以下の低廉な住宅については媒介報酬の上限が見直されたものの、それが成果報酬に反映され手残りが減少するのなら、わざわざ販売しにくい物件を手掛けるメリットが失われるのです。
業界トップの『SUUMO』が大きく舵を切れば、他のポータルサイトも追随する可能性があり、それにより業界全体に影響を及ぼす可能性が懸念されます。
これ以外にも、広告費の価格転嫁という問題も想定されます。
媒介報酬は法的な上限が定められている一方で、コンサルティング報酬やリフォーム費用の上乗せといった方法に対しては明確な制限が設けられていません。
そのため、広告費の増額分を様々な形で吸収する手段が講じられる可能性が十分に考えられます。
それだけではありません。
不動産業者の立場からすれば、問い合わせ物件で成約に至らなくとも、その後、地道に信頼関係を構築しながら追客し、他物件で成約を勝ち取るのは営業努力の結晶です。
確かに、最初の接点はポータルサイトへの掲載がきっかけです。
しかし、一度システム上で紐付けられれば、その後のプロセスにかかわらず「ポータルサイトの成果」として取り扱われ続ける構造となります。
そのため、次のような影響が懸念されます。
① 追客の軽視と強引な売り込み
一度紐付けられれば、他物件で成約した場合でも報酬が課金されます。
そのため、問い合わせ物件で成約できなければ、それ以降は余計な追客をしないという風潮が醸成される可能性があります。
これは、顧客が最新の物件情報を入手できなくなるといった、弊害を生み出します。
また、追客を前提としない意識が働く結果、問い合わせ物件に対する強引な売り込みが横行する可能性もあります。
② 良質な物件が掲載されない(広告離れ)
他の媒体やスポット広告、自社HP、ポスティングなどで反響が見込める優良な物件は、『SUUMO』へ掲載されなくなるでしょう。
誰もが問い合わせしたくなる「良質な物件」を、成果報酬型のポータルサイトに掲載するメリットが低下するからです。
さらに、相対的に質が低く、広告しても売れ残る可能性が高い物件ばかりが、広告費を浮かせる目的で掲載されることが常態化する可能性があります。
言わずもがなですが、そのような状態が定着すれば、顧客が『SUUMO』離れを起こす契機にさえなり得るでしょう。
もっとも、これらの変化が急激に訪れることはないでしょう。
ですが、個々の企業が『SUUMO』との付き合い方を模索し、そのような意思決定が同様の方向で積み重なれば、市場構造そのものを変質させる力を持ち得ます。
つまり、成果報酬型の導入は、単なるコスト構造の問題にとどまらず、「良質かつ有益な不動産情報を広く届ける」というポータルサイトの根底そのものに、影響を及ぼす可能性があるのです。
筆者が調査した限り、成果報酬型への移行は本記事寄稿時点では案内に留まっており、成約時の課金額や具体的な契約内容は公にされていません。
また、案内自体が全国的に実施されているわけでもなく、一部地域で「あくまで試験的な取り組みである」との前提で行われているようです。
しかし、開設から20年を経たスーモカウンターですら、登録業者の条件等(成果報酬額や契約内容の詳細)は公にはされていません。
インターネットで流布されている情報の多くは、業界関係者による口コミです。
したがって、株式会社リクルートが自ら『SUUMO』の成果報酬型移行に関する詳細な情報を公表する可能性は、極めて低いと考えられます。
ですが、前章で示した収益構造との不整合を踏まえれば、こうした変化が生じる蓋然性は決して低くありません。
だからこそ、制度の表面的な合理性だけで判断するのではなく、その先に生じ得る実務的影響まで視野に入れた検討が、私たちに求められるのです。
それでも掲載を続けるか-現実問題としての折り合い
ここまで、成果報酬型の移行に伴う構造的な問題や実務への影響について推測し、論じてきました。
しかしながら、蓋然性の高い影響が予測できたとしても、不動産業者の多くが掲載を完全に停止するとの判断に至ることはないでしょう。
例えば、相対的に質も低く反響が見込めない物件に関しては、成果報酬の課金は余録を得るために必要な経費と割り切られ、登録し続けるという流れが定着するでしょう。
また、『SUUMO』が持つ集客力と市場支配力は依然として圧倒的です。
そのため、完全撤退が集客力の著しい低下に波及する可能性を払拭できず、掲載を続ける企業が一定数存在する結果が予想されます。
何より、不動産ポータルサイトは単なる広告媒体ではなく、「顧客との初回接点」を担うインフラとして機能し、すでに定着しています。
特に『SUUMO』は、長年にわたるブランド構築や広告投資の結果、ユーザーの検索行動に深く組み込まれています。
言い換えれば、「物件情報を得たいなら、まずは『SUUMO』で検索」という行動様式が広く定着しているのです。
このように定着した顧客の行動様式下において、『SUUMO』への掲載を取りやめるという選択は、広告費を削減できるメリットが得られる一方で、「顧客との接点を失うリスク」を高め、成約件数自体が低下するデメリットに帰結する可能性があります。
特に顧客管理や追客を得手としない物件頼りの営業が多い企業においては、影響が極めて大きいと言えるでしょう。
また、他媒体や自社集客の強化によって代替できるかといえば、必ずしも容易ではありません。
試験的な実装で手応えを得た『SUUMO』が成果報酬型へ完全移行した場合、他のポータルサイトも追随する可能性があるからです。
さらに、自社ホームページやSNS運用で効果を得るためには、SEO対策はもとより、長期的な視点に基づく運用や相対的な専門的知識は不可欠です。
それ以外にもポスティングや顧客からの紹介など様々な集客手段は存在しますが、それぞれに時間とコストは必要です。
つまり、短期的な視点では『SUUMO』から得られた集客力を代替する対策を講じるのが、極めて困難だと言えるのです。
さらに、掲載の有無は競争環境にも直結します。
仮に自社が「やってられない」とばかりに掲載を取りやめたとしても、競合他社が掲載を継続する限り顧客接点はそちらに流れていきます。
これは個社の合理的判断では回避できない、いわば「囚人のジレンマ」に近い構造です。
結果として、多くの事業者が不利であると認識しながらも掲載を続けるという状況が生まれるのです。
これは、いわば環境に適応するための合理的選択であり、単なる消極的判断とは言い切れない側面があるからです。
このように整理すると、現実的な対応として求められるのは「掲載するか否か」という二元論ではなく、「どのように向き合うか」という視点です。
例えば、収益性や成約確度を踏まえた掲載物件の選定、あるいは反響獲得に必要な入口媒体であると割り切り、初回対応の質や即時提案力を高めるなど、成約率を引き上げる営業体制の構築といった戦略的対応が考えられます。
つまり、成果報酬型に移行後の『SUUMO』は“使い方を誤ればコストを増幅する媒体”となる一方で、適切に活用すれば依然として強力な集客装置でもあるのです。
制度変更の是非を論じることも大切ですが、それ以上に重要なのは、この変化を前提として、自社の営業戦略や広告戦略を再設計することではないでしょうか。
まとめ
本稿では『SUUMO』における成果報酬型への試験的移行をめぐり、市場構造、収益構造との不整合、実務への影響、そして私たちが模索すべき現実的な対応について多角的に検証してきました。
成果報酬型は、一見すると合理的でリスクの少ない課金体系に見えます。
ですが、不動産媒介という「上限が定められた成功報酬型ビジネス」との組み合わせにおいては、収益構造に歪みを生じさせる可能性を孕んでいます。
さらに、その影響は単なるコスト増にとどまらず、囲い込みの誘発や案件選別の偏りといった形で、実務や市場全体に波及する懸念があることも検証してきました。
このような環境下においては、ポータルサイトへの依存度を見直し、自社集客の強化や顧客接点の多様化を進めることが、企業の持続的な成長と安定経営を実現するうえで重要な選択肢と言えるでしょう。
このように論じれば、おそらく「そんなことは分かっている。それができないから苦労しているのだろう」と反論される方は多いでしょう。
確かに、短期的に成果を得ようと思えば極めて難易度の高い取り組みです。
しかし、今後さらなる変容が予測されるのですから、外部の仕様変更に左右されにくい経営基盤の構築が、結果的にリスク耐性の向上に繋がることに対しては、同意されることでしょう。
制度の是非について、「力のある大手の独断専行を許さない」と論じることは大切かも知れません。
ですが、それ以上に重要なのは変化を前提として自社の戦略をどのように再設計するかです。
「変化を受け入れ、それに適応するのか」、あるいは「依存構造からの脱却を志向する」のかは、各社の判断次第です。
ダーウィンによる進化論の解釈として広く知られているように、生き残るのは強いものではなく「変化する者」です。
運が左右するとの見方も根強くありますが、その確率を高めるためには、日々の意識と小さな積み重ねが必要不可欠です。
大切なのは環境変化を嘆くことではなく、それにどう向き合い、どのように適応していくのかという姿勢に他なりません。
私たちは今、まさに変化を迫られているのです。





