前回までは追客の具体的な5つの手法のメリット・デメリットをまとめました。
今回から実践編です。
今回はリピーター獲得&既成顧客から紹介をもらうために行う追客のご説明を差し上げます。
売買仲介業は契約後、業務上でお客様と接点が無くなります。
例えば自社を通して自宅を購入頂いたお客様。
1年、2年はお客様も自社のことを覚えていてくれますが、3年、4年と経つとどんどん記憶が風化していきます。
数年後住み替えを検討します。
その際に、自宅の売却について不動産会社に相談をしますが、購入時の不動産会社に相談するのではなく、売却一括査定サイトを利用する方が大半です。
何故これが起きてしまうかというと、業務上お客様と接点を持つ必要が無くなってしまうから。
これは業務上しょうがない部分ですが、こちらから積極的に働きかけていかないと、お客様は覚えていてくれません。
それが出来ていないから逃してしまうお客様はかなりの数いらっしゃいます。
只、逆に言うとお客様とつながりを無理やりでも持つことができれば、リピートしていただく可能性が上がります。
尚、既成顧客のリピートについては、一度関係性は深くなっているので、回数はそこまで重要ではないと考えています。
不動産売買仲介でリピーターを獲得するためには人間臭さを出すこと
既にやられている方も多いと思いますが、年賀状や暑中見舞い等のハガキでお客様に刷り込んでいくのが、頻度・意味合い的にも自然に行えるため、一番適しています。
只、ここで気を付けていただきたいのが、会社から用意されたハガキに住所名前だけ書いて送ること。
これだと、何も印象に残りませんし、とても事務的に見えます。
少しでも「あなたの為に時間を割きました」という、人間臭さを出す努力が必要です。
理想でいうと全て手書き。
只、契約数が膨大になると大変なので(外注に任せる作戦もありますが)、その他考えられることを記載します。
- 会社が用意したハガキでは無く、少なくとも自身の写真が入っているものを利用(プライベート要素があると尚よし)
- 一言、そのお客様との間でわかることを付け加える(ワンちゃん元気ですか?等)
上記のように、如何に事務的な要素を無くすことが肝です。
とある不動産会社のリピーター獲得の面白い取り組み
ここである不動産会社様がリピーターを獲得するために行っている面白い取り組みをご紹介します。
それはお客様の【お子様】の誕生日に贈り物をするということ。
リピートしてくれるためには契約後も自社&自分のことを印象付けていく必要があります。
その為に、お客様自身ではなく、あえてお子様の誕生日を祝うということは非常に効果的です。
誰しもが子供が一番かわいいですから。
只、どうやってお子様の誕生日を知るかが問題です。
その不動産会社様は直接聞くと自然ではないため、金消契約等の際に取得する住民票を、「世帯全員マイナンバー無し」で取得しているそうです。
この方法なら、自然な流れでお客様の家庭全員の生年月日を知ることができます。
それを手帳に記入し、タスク化して、月初に整理し、毎年お送りしているそうです。
これに関しては気持ちが大事なため、高価なものを送る必要が無く、ハンカチなど消耗品を送っているようです。
こういったことの積み重ねで、この不動産会社の担当の方は、リピーターだけで年間3000万円近く売り上げています。(エリアは東京都世田谷区です)
もちろん、最初の取引をしっかりご満足いただいていることが前提ですが、契約後も工夫をしてお客様との繋がりを持ったからこそ、このような結果になっているのだと思います。
是非ご参考にしてください。
fa-arrow-circle-rightおすすめです不動産追客の基本を学びたい方は不動産営業の「追客」とは?考え方と5つの追客手法を紹介をご覧ください。
大手も取り組んでいるリピーター獲得のサービス
尚、同じような意味合いで、ポータルサイト「LIFULL HOME‘S」を運営している、LIFULLさんが「引き渡し日を記念日に」というコンセプトで、毎年一度引き渡し日に花を送れるサービスを展開しています。
※調べても見つからなかったので、もしかしたらサービス終了しているかもしれません
これも自社・自身のことを思い出してもらう意味としては、非常に効果的だと思います。
併せてご参考にしてください。
まとめ
リピーター獲得は、タイミングが読めない為定期的な繋がりを持ち、常にそばに寄り添い、具体化するときのファーストチョイスになることを目的に追客手法を組み立てることが必要です。
尚、成約顧客からはご紹介の獲得も狙いたいところ。基本はリピーター獲得と一緒の考え方ですが、人に紹介するという行為はハードルが高くなります。特に不動産という人生に置いて大きな買い物であれば尚更です。
その為、定期的な繋がりプラスアルファの別の仕掛けも必要です。
次回以降、こちらの事例をご紹介します。