今回は売却査定で専任媒介を取得するために役立つ情報をお伝えします。
「不動産を売るなら3社に査定を依頼しなさい」
一般の方へのアドバイスとして、よく耳にする言葉です。
3社に依頼した売主は基本的には1社に売却を任せます。では、その売主さんはどの1社に売却を任せたのでしょうか。
1番の理由はなんでしょう。あなたも想像してみてください。
・会社の規模が大きかったから
・対応が早かったから
・知名度のある会社だったから
・担当者の対応がよかったから
・地元の不動産事情にくわしかったから
考えられる理由はいろいろありますね。でも、1番の理由はこの中にはありません。
1番の理由は「信頼できたから」です。
信頼がなければ選ばれません。
3社に査定を出して1社に決めるというのは「もっとも信頼できる会社だったから」ということです。
さて、あなたは売却査定のときに信頼を得るために何をしていますか。売却査定で差別化する武器をもっていますか。
ただの不動産営業でなく「専門家」になることで売却査定は勝てます
立場が変われば信頼度が変わる
ちょっと横道にそれますが、今回のテーマに関係するので聞いてください。
今から8年前、私がインスペクション専門の会社を立ち上げた頃の話です。
私は独立当初、名刺を2種類もっていました。1つは「代表取締役」と記載したもの、もう1つは「肩書なしのもの」です。
名刺の使い分けとしては、業者さんには代表取締役の名刺、一般顧客には肩書なしの名刺で対応していました。
ある日、代表取締役の名刺をきらしてしまったので肩書なしのものを業者さんに出したら
決定権のない平社員を思われたのかひどいあつかいをされたことがあります。
あなたもはじめて会う人から名刺をもらったときに肩書が代表取締役、または取締役、部長などと書いてある場合と肩書がない場合とでは対応を変えたことがありませんか。
それはなぜか?
原因を調べたら「人は相手の立場によって、その人の発言が正しいかどうかを判断する」ことがわかったのです。
人は相手の立場によって、その人の発言が正しいかどうかを判断する
ここで私が言いたいのは「信頼される肩書の名刺を使うべき」ということではありません。
そうではなく「信頼を得ることが大事だ」と言いたいのです。
人は信頼度の高い立場にある人の言った言葉をなんの疑いもなく正しいと判断してしまう習性があります。
訪問査定のお客様に、あなたの査定結果、売却についてのアドバイスは正しい、と信頼してほしいですよね。そのために立場をあげる必要があるのです。
そして、訪問査定でお客様とお会いする時間はとても短い時間です。最低30分、長くても1時間程度というところでしょう。
その限られた時間で立場をあげるというのは普通に接客するだけでは難しいでしょう。かってに立場があがることは決してありません。
簡易インスペクションで信頼される専門家になる
そこで簡易インスペクションです。
簡易インスペクションとは、住宅全体を目視で検査します。
水漏れや基礎のクラック、外壁の雨染みなどをチェックするもの。
訪問査定では建物の状態を把握するための簡易インスペクションが効果的。なぜなら、建物の不具合を最低限見極めることができることによって立場が変わるからです。
簡易インスペクションで、どのように立場を上げるかの詳しい内容は、後日お伝えするとして、今回のコラムで把握して頂きたい事は、
- 単なる営業担当者 → 専門家の立場
- 単なる御用聞き → 先生の立場
上記のように立場を変える事が出来るのです。
そして、立場が変われば信頼を得やすくなります。
同じことを発言しても、立場が違えば、相手の受け取り方は変わるのです。
信頼される立場で売却についてのアドバイスを行ったらお客様はどう感じるでしょうか。
当然信頼されやすくなります。
仲介会社は訪問査定を取るとき「建物を確認したほうが正確な査定ができる」と言います。
でも、実際に訪問査定のときに建物をしっかりチェックする会社はほとんどありません。
だからこそ、簡易インスペクションの効果が抜群なのです。
覚えておくポイント
- 同じことを発言しても、立場が違えば、相手の受け取り方が変わる。
- ただの営業担当者→専門家
- 簡易インスペクションで立場を変える。
不動産売却というのは、一生に何度とない大きなイベントです。
「数百万円~数千万円もの資産を売却する」当然のことながら真剣にもなります。大切な不動産の売却を任されるのは、もっとも信頼できる担当者であり、信頼できる会社です。
ぜひあなたの売却査定の差別化として簡易インスペクションを活用して信頼を勝ち取り、専任媒介の取得確率を高めてください。