こんにちは!
不動産業界特化型のマーケティングオートメーションツール「KASIKA(カシカ)」の屋代です。
今回は、皆さんから非常に良く質問を受ける「中長期の追客実施とその課題」についてお話をさせて頂きます。
それでは詳しくみていきましょう。
いますぐ客以外への追客はできていますか?
皆さんの会社で、いわゆる『まだまだ客』『これから客』といった「検討期間の長いお客様」や、『C見込み客』といわれる「購入(売却)意思はあるが、それがいつなのかはっきりと見えていないお客様」への追客はどのように行っていますか?
同様の質問を我々のお客様にしたところ、約9割近い不動産会社様は下記のような回答でした。
「営業社員が忙しく、今は見込みが低いお客様への継続追客にかける時間が無い」
似たような状況の会社様は多いのではないでしょうか?
ほとんどの不動産仲介会社様の営業数値目標は、月毎の「契約件数」か「売上」だと思います。
営業マンは見込み客の対応はもちろん、契約書類や営業書類の作成に追われ、見込みの薄い顧客に対しては、ほとんど追客できていないのが実情のようです。
いますぐ客は全体の2割弱しかいない
一方で「住宅購入の検討から購入までにかかった期間」というユーザー側のデータを見てみますと、「1カ月以内」といういわゆる「いますぐ客」は全体の18.5%、つまり10人中2名弱しかいません。
約8割強のユーザーは、1カ月から1年程度の期間をかけ住宅購入の検討をしています。
営業マンは当然、「いますぐ客」を狙いますが、「いますぐ客」が全体に占める割合は20%にも及ばず、競合他社も同様に狙っています。
かなりの激戦地域「レッドオーシャン(※1)」になるのは容易に想像できるはずです。
一方で「これから客」「まだまだ客」の占める割合は全体の8割以上。
しかも、競合も追客できていない、いわゆる「ブルーオーシャン(※2)」に近い状況です。
※1:赤い海、血で血を洗う競争の激しい領域
※2:青い海、競合相手のいない領域
見込み次第で追客に必要なスキルは違う
営業マンが「いますぐ客」を追う傾向にあるのは理解できた。
であれば、「そのうち客」をフォローする専任担当を採用すればいいのでは?
とあなたは思うかもしれません。
ですがもしこのまま採用計画を進めると必ず失敗します。
そもそも「そのうち客」に必要な営業スキルは、「いますぐ客」を対応する営業スキルとは別のものです。
「いますぐ客」対応に必要とされる営業スキル
・ヒアリング力…会話等を通じお客様は何を求めているのか把握する力
・提案力…ヒアリング情報を元に最適な(物件/売却)提案を行う力
・クロージング力…適切なタイミングで合意形成し、契約締結を行う力
「そのうち客」対応に必要とされる営業スキル
・関係性構築力…定期的にお客様にとって有益な情報を与え、良好な関係性を構築する力
・顧客管理能力…どのお客様が「ホット」な顧客になりそうか?見極め、管理する力
よくある残念なパターン
先のデータを参考にすると、100人の見込み客がいたとして、約20人弱が「いますぐ客」です。
残り80名が「そのうち客」となる訳ですが、営業リソースの観点から見てみると、20名の「いますぐ客」の対応は1名でもなんとか対応できるかと思います。
一方で80名の「そのうち客」は、何名の営業マンで対応するのがベストでしょうか?
「いますぐ客」20名に対し1名の営業マンであれば、「そのうち客」80名だと4名が最適でしょうか?
ここでピンときた方も多いと思いますが、追客に必要なのは、先に述べた、以下の2つの事だけです。
・どのお客様が「ホット」な顧客になりそうか?見極め、管理する力
追客専用スタッフを真剣に雇用しようとした方は、多かれ少なかれこの事実に気づかれることと思います。
であれば、
「不動産営業を経験した営業マンでなくてもいいな。」
という結論に至り、
であれば、
「事務スタッフに追客を兼務させよう。」
となり。
であれば、
「追客の手段はDMかメルマガでいいだろう。」
という流れになります。
そして、2カ月ほど「事務スタッフ」が「営業DM・メルマガ」を「そのうち客」に送付した結果…
「数件反響があったが成約に結びつかなかった」
「繁忙期に入ったのでメルマガ・DMが送れなくなった。」
その結果を受け、
「そのうち客の追客って効果ないな。やはり今すぐ客に注力しよう。」
という結論に至り、追客そのもののアクションを止めてしまう。
そもそも中長期追客を行っていない会社様が9割以上ですが、残り1割の会社様も、ほぼこのような感じです。
このような事例を見かける度に「惜しいな~!」「もったいないなー。」という気持ちになります。
そのうち客に必要なのは「追客の仕組み」
間違いなく、「そのうち客」のマーケットは存在しますし、「DMやメルマガ」での追客のアクションも決して悪いアクションではありません。
むしろきちんと実施すれば効果が相当期待できるアクションです。
ポイントは、下記のような追客の仕組み作りなのです。
・反応があったお客様を見逃さない
ちなみに、先のケースの大きな課題は以下の2点です。
・繁忙時期に追客がストップしてしまう。
・見込みがあがったお客様をキャッチする手段と仕組みがない。
まとめ
毎回書いていますが、そもそもマーケティングオートメ―ション(MA)は、自動で追客してくれるロボットようなものです。
中長期の追客にももちろん適していて、これらの課題にもバッチリ対応できます。
今回ちょっと長くなってしまいましたので、次回は「MAを使った追客の仕組み作りと具体的なやり方」をテーマに書かせて頂きますね。
MAの導入を検討しているが、今ひとつ踏み切れないといった方がいらっしゃいましたら、検討の参考にお役立て頂けますと幸いです。
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