不動産営業と新築・リフォーム営業に共通する営業マンの心得

不動産の仲介や販売と新築工事やリフォーム工事の営業マン、対象商品やサービス内容が異なっても、住宅関連事業に関わる営業マンには共通した心得が大切です。

見込み客発掘の行動を毎日こなし優良見込み客に育てあげ、商談をくり返して成約に結びつける流れのなかに、スランプに陥りやすい「やってはいけない」ある行動が隠されています。

ここでは新人営業マンからベテラン営業マンまで、知らずにやっている心得違いについてお伝えします。

営業効率を考える

住宅営業初心者にありがちな間違った行動についてまず指摘します。

住宅営業と他の商品の営業との根本的な違いは、お客様が住宅を購入する頻度です。

車であれば数年ごとに買い替えるケースはありますが、住宅を数年ごとに買い替えるケースはあり得ないといっていいでしょう。

この違いを理解していないとオープンハウスの来場者、モデルハウスへの来展者など、すべてがお客様と見え追客をつづけてしまい、結果的にひとりも見込み客まで育てることができず挫折するわけです。

追客すべきお客様とニュースレターを送る程度で止めておくお客様との見きわめを、最初にお会いした時にしっかりやるのがポイントです。

ニュースレターは次の項目で述べるように、お客様を育てるのが目的です。

積極的な追客は短期客もしくは早目の中期客を対象にした行動です。

住宅関連のイベントなどには将来、住宅を購入するあるいは新築するなどの予定がない人でも、実に多くの方が訪れるものです。

何故なら “住まい” は誰にとっても関心の高いものであり、興味を覚えるようなイベントには参加しようとする心理があります。

しかしそのような方のなかには「住宅は賃貸がよい」と考えている人も少なからずいるものです。

賃貸指向の人であっても住宅のイベントには新しい発見があり、インテリアの参考にするなど、さまざまな目的で訪れます。

そしてその目的をあいまいにしてお話しされることもあり、新人の営業マンなどはすべての人がお客様に見えてしまうのです。

イベントへの来場者の見きわめがしっかりできるようになると、無駄な動きがなくなりお客様に適したフォローの仕方を区別しておこなうことができるようになります。

客を育てるために必要な条件

前述したように短期・中期以外のお客様は、時間をかけて見込み客に育てていきます。

方法として基本的に訪問はしません。

訪問されるお客様にとっては迷惑なことが多く、訪問したからといって良好な人間関係を作れることもありません。

ニュースレターを定期的にお送りする方法は時間も最小限で済むし、お客様も興味があれば開封します関心がなければ未開封のままとなり、あまりストレスをかけることもなく済みます。

ただ定期的にニュースレターが届くという事実は記憶に残り、将来マイホームの計画が具体的になったときに思い出してくれる可能性もあります。

大事なことはニュースレターの中身です。

お客様にとって読んで役立つ内容であることが鉄則です。

しかも住宅に関わる知見にもとづいたもので、住宅のプロだからこそ伝えられる事実をお知らせします。

最近は住宅関連事業も含めてWebによるマーケティングが主流です。

コーポレートサイトではコンテンツマーケティングを採用する企業が多く、一定の効果がでているようです。

ニュースレターの内容としては、このようなWebコンテンツとして掲載できるようなクォリティが望ましいでしょう。

ニュースレターによるフォローの最終目的は、営業マン自身を売り込むことです。

住宅は会社の知名度や特徴そして会社の信頼性よりも、担当者自身の信頼感を重視することが多くなります。

住宅の良し悪しや自らの判断の是非を、ご自身が評価できるほど情報量があるわけでなく、結局は担当者次第という面があります。

お客様を見込み客までに育てる本当の目的は、営業マン自身がお客様の信頼を得られるようになることと考えなければなりません。

お願いされる営業

クロージングが近くなると営業担当に「お客様にお願いしろ!」と命令する上司がいます。

住宅営業はクロージングで「お願い」をしてはいけません。

お客様からお願いされなければならないのです。

「どうぞよろしくお願いします。」と言うのはお客様であって営業マンではありません。

お客様がお願いする心理を考えるとこのことは理解できるはずです。

前述したようにお客様は情報量が少なく、ご自身ですべてを決断することはできません。

たとえば次のような事柄を最終的には自身が決断しなければなりません。

・間取り
・仕様
・工事(購入)金額
・住宅ローンの金額
・返済方法
・不動産登記

すべて住宅の専門家である担当者に相談しなければ決定できないと考えています。

つまり営業担当は「相談相手」であり、単なる販売担当者とは異なるのです。

お客様は引渡し後のアフターフォローも頼りしています。

そのためクロージングの時には「お世話になります」といった気持ちのほうが強くなります。

説得してはいけない

クロージングの時にお願いをしてはいけないのですが、もうひとつやってはいけないことがあります。

それは「説得」です。

お客様が「購入しよう!契約しよう!」と決断するのは、自身の考え方や判断に納得した結果です。

他人から説得されて納得するものではありません。

営業担当は住宅の専門家であり、さまざまな面からお客様へアドバイスできるものです。

・好ましい立地条件
・適切な資金計画
・将来を考えた物件の間取りと仕様
・望ましい取得時期

このような客観的なアドバイスは説得ではなく、わかりやすい説明によりお客様の理解が深まります。

そして冷静な判断にもとづき決断に至るのです。

クロージングは「説明を尽くす」と自然に訪れるもので、強引に行うものではありません。

クロージングできない時は、まだ説明が足りていないことを自覚すべきでしょう。

お客様を好きになる

十人十色といいますが、お客様にはいろんな人がおり波長が合うとか合わないとか、馬が合わないなどの表現をすることもあります。

つまり人間関係がうまく形成できないお客様はいるものです。

その場合、馬が合わないからあきらめていては、見込み客を作ることはできません。

お客様がどのような人であってもお付き合いをし、信頼関係を築いて良好な人間関係を作れなければ営業マン失格です。

人は自分に好意を持ってくれる人に対しては、警戒心がなくなり打ち解けてくれるものです。

愛想よく笑っている赤ちゃんに接した時のことを思い浮かべると納得できます。

この心理は大人になっても変わりません。

お客様がどのような人であっても、どこかに可愛らしさがあるものです。

その一点に心を集中すると自然とお客様を好きになるものです。

営業マンにとってもっとも大切な心得は、どのような人であってもお客様を好きになることです。

まとめ

住宅営業の心得として5つについて述べました。

1. 営業効率を考える
2. お客を育てる条件
3. お願いされる営業
4. 説得しない営業
5. お客を好きになる

新築・リフォーム・中古の住宅営業として、筆者の成功体験からつかみ取った原則です。

受注がとれない、来月の見込み客がいないなど、いきづまったと感じたときに参考にしてください。

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