不動産業で起業するなら仲介業か管理業か

賃貸管理会社で勤務する人の中には、不動産業で起業したいと考えることも多いのではないでしょうか。独立するなら仲介業からスタートするか、管理業からスタートするのがよいのか、起業するにあたっての必要条件や起業戦略などについてお伝えします。

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事業開始に必要な許可

仲介業と管理業では次の許可や登録が必要になります。

不動産仲介業=宅地建物取引業者免許
不動産管理業=管理戸数が一定以上になると賃貸住宅管理業者登録

上記のように免許と登録の違いがあります。また管理業は管理戸数が少ない場合は登録義務がありません。

事業者の免許や登録には要件があり、主なものをあげると次のようになります。

不動産仲介業 不動産管理業
資格者 宅地建物取引士 不動産経営管理士など
営業保証金又は弁済業務保証金分担金 必要 不要
事務所 必要 必要

事業開始のための資金としては、仲介業は営業保証金が1,000万円ですが、保証協会会員になると弁済業務保証金分担金の60万円ですみます。

管理業はいまのところ営業保証金等の必要はありませんが、将来的にはわかりません。宅地建物取引業も当初は登録制であり、のちに免許制に変わり保証金が必要になったという歴史があります。

起業しやすいのは仲介業か管理業か

どのような事業でも、商品やサービスを購入する顧客がいなければ成立しません。
仲介業と管理業に必要な顧客を考えてみます。

仲介業:不動産を借りたい人と貸したい人、不動産を売りたい人と買いたい人
管理業:不動産を貸したい人

このように仲介業は管理業よりも顧客の幅が広く、事業をスタートする下地は作りやすいといえそうです。

賃貸住宅を借りたい人は、友人・知人・親戚など身近な人のつながりから顧客をみつけ出すことが可能です。しかし、賃貸住宅を貸したい人は身近にいることは少なく、話をさせてもらえる機会をみつけることもむずかしいと考えられます。

売買仲介は売却物件が自社になくても、他社取扱いの物件を売ることが可能で、物件情報さえあれば買いたい人の集客も可能です。

一方、仲介業と管理業は「委託業務」であるという共通点があります。つまり顧客からの委託により業務をこなし、その成果に対する報酬として収入が生まれるのです。

仕事を依頼する側の立場から考えると、仲介を依頼する場合は特定の事業者に限ることは無く、複数の事業者に委託が可能です。対して管理に関してはひとつの事業者に特定しなければなりません。

つまり管理業の方が “選ばれる条件” を満たしている必要があり、ハードルが高いといえるのです。

仲介業からスタートする

前述したように起業するさいに管理業からのスタートは、賃貸物件オーナーとの人間関係がある程度なければむずかしいものがあります。あるいは賃貸物件の建設受注が可能な場合や、自ら所有できる場合などに限られると言っていいでしょう。

起業戦略としては「仲介業」からのスタートが望ましいといえます。

ハウスドゥやレオパレス21など、成長路線を歩んだ企業の沿革を確認すると、次のようにいくつかの類型を見ることができます。

・賃貸仲介→管理物件増加→サブリースを含めた賃貸管理専門
・賃貸仲介→不動産開発→サブリース
・売買仲介→不動産開発→賃貸業
・賃貸仲介または売買仲介→ビジネスモデル開発→フランチャイズ事業

先例と似たような戦略がうまくいくとは限りません。スタート後の進み方はそれぞれの企業によってまったく異なるものだと思います。

仲介業からスタートするメリットは、売上の発生が早いことです。たとえば建設業の売上は着工してから最低でも数ヵ月かかるのが一般的であり、売上までには仕入れや外注先への支払など、資金が先行して必要になるものです。

仲介業は賃貸仲介にしても売買仲介にしても、顧客がみつかり取引が成立するまでに、短かければ1ヶ月以内で可能なケースもあります。

また仲介業は特に仕入れするものはなく、宅地建物取引業の免許を得たあとは、運転資金として必要になるのは経費のための支払い分くらいです。そのためスタート資金が少なくてすむ事業のひとつなのです。

管理業からスタートする

賃貸管理業界の大手は、自社や自社グループで開発した賃貸不動産の管理を受託するケースがほとんどであり、第三者所有の不動産管理を受託し、大きく成長した企業はみられません。

つまり管理業で上場するほどの大きな成長を目差すには、経営基盤がある程度の規模でないとむずかしいと考えられます。

しかし上場を目標とするような規模は目差さず、地域密着型の優良企業を目標とするならば、管理業スタートでも可能性は高いといえるでしょう。

賃貸管理は地域密着型の事業であり、オーナーとの人間関係など “属人的” な要素が多くなります。そのような点から事業規模の上限は、管理戸数が数千戸程度ではないかと思います。

実現性を考えると事業規模としては、中核都市で1千戸~2千戸程度の管理戸数を目標とし、地域ナンバーワン企業を目差すなどの考え方が自然ではないでしょうか。

具体的な起業の姿をイメージしてみましょう。

管理業務だけでスタートすると仮定して、収入は月1回しかありません。1戸当たり5%の管理料とし毎月50万円の収入を得るには、家賃収入で1,000万円が必要です。平均家賃を10万円として100戸の管理戸数がスタート時点でなくてはいけません。

家賃によってはもっと戸数は必要であり、ハードルは低いとは言えません。
しかし事業譲渡や倒産した管理会社の物件が移管されたなど、ラッキーにスタートできることがあるかもしれません。

事業開始後は管理戸数を増加させることが、もっとも重要なテーマとなるでしょう。

不動産業は起業しやすい業種

前述のとおり不動産業は独立しやすい事業といえます。

とくに仲介業や管理業は多くの資本を必要としません。顧客と連絡がとれる手段さえあれば、他には来客用の打合せスペースと、小さな事務スペースがあればスタートできるビジネスです。

しかし独立しやすいことと継続できることとでは、別な要素や条件が必要になります。

1. 営業力
仲介業であればまず集客力が必要で、次いで物件の情報収集力が求められます。
管理業ならオーナーへの提案力や、信頼を得られる人間力がなくてはいけません。
2. 指導力
スタート時は最小限の人数であっても、顧客数の増加によりスタッフの増員も必要です。
成長するには人材教育が大切であり、リーダーとして持つべき理念とそれを伝える力も必要となります。
3. 発想力
これまでの成功事例が通用する社会とは異なり、人口減少社会はこれまでの経験則では計れない変化が待ち受けています。変化の兆しをキャッチし対応できる発想力が求められます。

これらの力が身につくような準備をし、やがて巡ってくるチャンスを見逃さないことが重要です。

まとめ

不動産で独立起業するなら「仲介業」からのスタートが現実的です。しかし、ビジネスモデルとしては「ストックビジネス」である賃貸管理は、安定した経営を望むことができます。

仲介業や管理業は資金的に大きな金額は必要としませんが、独立起業し事業を成長させ、安定した基盤にもとづいて更なる成長を図るには、基礎的な経営体力はやはり必要です。

入念な事前準備が大切でしょう。

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