増加する一括査定サイトと活用方法に生まれる変化

不動産査定は不動産を売却するプロセスで重要な最初のステップです。
査定に一括査定サイトを利用することも多くなり、仲介会社にとっても一括サイトの活用は集客方法の大きな柱になっています。
さらに一括査定サイトの課金方法にバリエーションが生まれ、活用方法にも変化が生じてきました。

ここでは一括査定サイトの役割を掘り下げながら、査定希望者にも仲介会社にも便利な一括査定サイトの、あるべき姿を考えてみます。

一括査定サイトの役割としくみ

不動産を売却するときには「不動産査定」により、売れそうな金額あるいは売れるかもしれない金額を算出し、売却活動をおこなう不動産会社を決定します。
売りたい人は一括査定サイトで複数の不動産会社に査定依頼し、査定結果を提出した不動産会社のなかから、1社または複数の会社を選び媒介契約を締結します。
つまり一括査定サイトには2つの役割があるのです。

1. 不動産査定を複数の会社に同時に依頼できる
2. 媒介契約を締結する不動産会社を選ぶことができる

では一括査定サイトの運営元は、どのようにして収益をあげているのでしょうか?
一括査定サイトは査定依頼を受けた不動産会社に対し、サイト利用料金を課金することによりサイト運営を行うビジネスになっているのです。
課金される金額は各サイトばらばらですが、1件につきおよそ1万円前後の設定をおこなっています。
不動産会社は査定依頼が来た時点で課金されるので、査定をしないで無視してしまっては費用だけを負担し、顧客獲得につながりませんので依頼がきたら速やかに対応するようにしています。

一方、サイトを利用するお客さまは無料で利用できるので、売却予定のない方が参考までに査定金額が知りたいと依頼することもあります。
そのためすべての査定依頼が、顧客獲得につながるものではないのが難点になっているのです。

一括査定サイトのコスパは?

上で触れたように顧客獲得に有効な査定依頼と、それほどではない査定依頼があり、不動産会社にとっては費用だけが発生する無駄な依頼もあります。

・有効率=有効な依頼数÷総依頼数
・成約率=媒介契約数÷総依頼数

上のような計算式で有効率や成約率を確認し、1人の顧客獲得にかかる費用を算出し、コストパフォーマンスを確認することが重要です。
1件あたりの取引金額が少ない地域で、1件の売却案件を獲得するため20万円を超えるサイト利用料が必要になるなど、ビジネスとして成り立たないケースもあります。
一括サイトに登録する地域の不動産会社が多いほど、競争が激しく査定依頼に数多く応じても媒介契約に至らなければ、すべて無駄な費用になってしまうのです。
査定依頼のなかには、離婚協議中のため資産分割の目安にしたいとの理由で、不動産評価額が知りたいというケースや、市街化調整区域の物件でほとんど売買につながらないケースもあります。

不動産会社の為の一括サイト

現在10サイトを超える一括査定サービスがありますが、前述したように査定依頼の着信時点で課金されるタイプが多いなか、査定ののち面談成立により課金されるタイプがあります。
イエシル査定は、そのようなシステムであり、不動産会社の負担をできるだけ少なくする配慮がされています。
査定依頼があると専任アドバイザーが査定希望者の代わりに、不動産会社とのやり取りにより仲介価格や買取価格を提示し、希望者には不動産会社との面談に同席もしています。
不動産会社にとっては面談成立までは料金が発生せず、媒介契約の可能性が高い案件に集中できるというサービスになっているのです。

仲介会社が一括査定サイトに登録する場合、コストを勘案しながら自社の集客力向上に効果のあるサイトを選択する必要があります。

望まれるマッチングサイト

一括査定サイトのビジネスモデルは、売却希望者が無料で利用できるようにし、不動産会社には有料とするBtoCのマッチングサイトモデルです。
同様のBtoCモデルは次のような業界でも普及しており、今後はマッチングサイトが広く普及することと思われます。

・新築住宅の設計・施工業界
・リフォーム業界
・賃貸業界

マッチングサイトは他にもBtoB、CtoCでも新しいサービスが次々とリリースされ、情報の集約と整理をWebで行なうことにより、事業者にとっても消費者にとっても非常に便利なサービスです。
しかし一括査定サイトについて不動産会社には、あいまいな課金無効基準により意味のないサービス使用料の支払いを余儀なくされること、一方的に流れてくる査定依頼への対応に通常業務がディスターブされるなどの不満があることも事実です。

知名度の低い小規模な仲介会社が売却案件を獲得するには、紙媒体か一括査定かを選択するしかない状況において、サイト運営元だけが収益をあげられる構造はやがて見直しが求められるように思います。
前述のイエシル査定のごとく、仲介会社の収益スキームにマッチする「マッチングサイト」が開発されることを期待したいものです。

一括査定サイトの活用法

不動産会社にとって一括査定サイトは、査定依頼を入口とした媒介契約獲得の手段です。一方、一括査定サイト経由での査定依頼は、競合が必ず存在することを意味しています。
査定希望者が査定依頼をする会社の選択にあたって、候補にもならなければ費用は発生しませんが査定依頼も来ません。
選択されたとしても媒介契約に至るかどうかはまったくわかりません。
このことから不動産会社が一括査定サイトを利用するにあたり、媒介契約の獲得に向けて次のような戦略を立てる必要があります。

1. 査定希望者が査定依頼をする会社を選択するさいに、選んでもらえる確率を高める工夫
2. 査定結果を提出したあと媒介契約に進む確率を高める工夫

一括査定を利用するお客さまのうち、実際に売却予定のある人は少ないといわれます。
あるいは「まだ予定がない!」と答える利用者もいるようです。
まず査定依頼をされる会社として選ばれるためには、査定希望者が依頼する会社としての条件を備えていることが大切です。

・信頼感
・実績
・会社の特徴

このようなアピールすべきポイントを、わかりやすくプロフィールとしてまとめておきたいものです。
査定を提出してからはフォローの仕方によって、媒介契約に結びつくかどうか決まります。
査定価格は競合会社との比較はもちろんされますが、査定価格の高低で必ずしも媒介会社が決まるわけではありません。
また今すぐ売却を予定していないお客さまも多く、長期フォローにより将来的な見込み客として育てることも大切なことでしょう。

まとめ

一括査定サイトを利用する仲介会社は増えています。また売却希望者が一括査定サイトを利用するケースも増えており、依頼者と仲介会社にとってよりよいサービスに発展することが望まれます。
また記事中で紹介したように、査定依頼者と仲介会社の満足度が高くなるサービスを行うサイトも登場しています。
不動産仲介業は営業エリアによる特性があり、コストパフォーマンスを考慮した一括査定サイト活用方法を考えるようにしてください。

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売却査定後の課題「見込み客と繋がらない」
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