離婚案件の売主様に対してどのようにアプローチすれば良いか教えて下さい。|不動産仲介営業お悩み相談室

不動産業界でご活躍のあなた、こんにちは。
株式会社レコの梶本幸治です。

今回は「離婚案件の売主様に対してどのようにアプローチすれば良いか教えて下さい。」というお悩みを取り上げます。

今や「相続」と並び、不動産売却理由のツートップというべき存在となった「離婚」。

しかし、離婚案件と言っても様々な要素が絡み合います。

では、様々な要素をバラバラにして検証しましょう。

【離婚の段階】
・離婚が成立している。
・離婚の話し合い中。
・「この男別れたい」、「この女と別れたい」と内心思っている。
【名義】
・夫婦どちらかの単独名義。
・夫婦の共有名義。
【住宅ローン】
・夫婦どちらかの単独債務。
・夫婦の連帯債務。
【残債】
・無し
・売却資金で抹消可。
・オーバーローン。抹消不可。

この中でも「離婚が成立していて単独名義で抹消可」といった案件であれば、ガンガン営業するだけですし、「離婚したいと内心思っている状態で且つ抹消不可」であれば、そっとサヨナラするだけです。

では次に挙げる2つの事例の内、不動産営業目線で案件化しそうな方はABどちらだと思われますか?

A離婚の話し合い中でどちらかの単独名義、単独債務、オーバーローン。
B離婚の話し合い中で夫婦の共有名義、夫婦の連帯債務、オーバーローン。

私は「B」の方が案件化しやすいと考えますが、あなたは如何でしょうか。

まぁ、どちらもオーバーローン案件ですから結局、案件にならないかも知れませんが、それでもAとBを比べるとやはりBの方が案件化しやすいと思います。

Aは単独名義単独債務ですので案件処理が容易なように思いますが、「売っても住宅ローンが返せないなら、このまま住んでおきます」となるケースが多いでしょう。

私が見聞きした事例では、奥さんとお子さんが出て行った家に旦那さん一人で住み続けるケースが多かったように感じます。

Bは共有名義、連帯債務、オーバーローンとなかなか処理が難しそうな案件ですが、「とにかくこの配偶者との縁を切りたい」と思った場合、是が非でも家を売ろうというモチベーション(?)は維持されます。

やる気があれば何でも出来ると言いますが、やる気さえあればオーバーローンの家だって、親戚中を金策で駆け回るなどして売れるかも知れないのです。

まぁ、Bの場合でも結局金策に失敗し、配偶者のどちらかに財産分与を原因として持分全部移転を行い、住宅ローンは免責的債務引き受けで、家の所有者がローンを単独で引き継ぐケースも多いですが…。

この事例をお示しする事により何が申し上げたいかと言いますと、離婚案件の売主様に対してアプローチする際は「売主がどれだけ本気で家を売りたがっておられるか」「抹消する方法はあるか」という点に注意する事が肝心であるという事です。

「どれだけ本気で家を売りたがっておられるか」と「抹消する方法はあるか」の二つを押さえながら商談を進めれば、一見オーバーローン案件であっても具体的に案件化する可能性がある事を忘れないで下さい。

最後に少し余談を…。

上記Aのように「奥さんとお子さんが出て行った家に旦那さん一人で住み続けるケース」であっても、2~3年くらい経った後、再度売却相談を受けるケースがあります。

何故、この売主様(旦那さん)は再度、売却のご相談をされたと思いますか?

抹消するお金が溜まったから。

こうお答えになった方は、まだまだ人情の機微、男女の機微に疎いと言わざるを得ませんね。もっと修行して下さい。笑

答えは

新しいパートナーが出来て、その方から「前の奥さんと一緒に住んでいた家なんてとっとと処分して」と言われたから。

…でした。冗談みたいな話ですが、このようなケースは結構出くわします。

そして、2~3年前の離婚時は完済を諦めた住宅ローンですが、今回は是が非でも家を売ろうというモチベーション(?)が違います。

他の金融機関からフリーローンを借り、親戚中を金策で駆け回るなどして、オーバーローンも何とかしてしまわれます。

やはり、ここでも「どれだけ本気で家を売りたがっておられるか」と「抹消する方法はあるか」が重要ってことでした。

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