普通借家契約から定期借家契約へ切替えるタイミングと注意点

築年数が古いため近い将来、建替えもしくは退去を伴う大規模修繕が必要な賃貸住宅については、あらかじめ定期借家契約により入居してもらい、時期が来たら契約解除し退去してもらう方法があります。

では、すでに入居者がいる契約済みの場合、定期借家契約に切り替えて、将来の建替え計画の実施に備えることはできるのでしょうか。

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現在の契約が2000年(平成12年)3月1日以降の場合

現在の賃貸借契約が2000年(平成12年)3月1日以降に締結された契約、あるいは契約始期が2000年(平成12年)3月1日以降の契約は、現行の借地借家法が適用されます。

現行の借地借家法には「定期借家制度」の定めがあり、現在の賃貸借契約を解除したのち、新たに「定期借家契約」を締結することが可能です。

そのため入居者はそのまま居住することができ、定期借家契約の終了する時期が到来すると、契約は解除されて建替えが可能になります。

居住が継続された状態なので、契約の切替えのようにもみえますが、重要なポイントは「現在の契約を解除してから新たな契約」をするところです。

実務的には、現在の契約を3月31日に解除することとして解約合意書を取り交わし、同時に4月1日から始まる定期借家契約を締結することになります。

つまり現在の契約を「合意解除」することが重要です。

合意解除ができない場合

入居者が現在の契約解除に合意しない場合は、定期借家契約の締結はできません。建替え時期がくるまで現在の契約は継続し、時期が来たら立退き交渉をおこなうか、入居者が自ら退去することを待たなければなりません。

賃貸人からの契約解除には “正当事由” が必要ですが、建替えは正当事由と認められることはほとんどなく、立退き料の支払いなどにより正当事由を補完し契約解除の交渉をおこないます。

立退き交渉もうまくいかない場合は、簡易裁判所に申立てておこなう「調停」により解決を図る方法があります。

定期借家契約の注意点

定期借家契約の締結において注意しなければならない点があります。

定期借家契約は期間が定まっており、期限が到来すると契約は解除されるのですが、逆にいうと期限が来るまでは途中解除できないことを意味します。このことは賃貸人にも賃借人にも適用されるのですが、次のケースに該当する場合のみ、賃借人からの途中解除が可能です。

1. 居住用の定期借家契約に限定
2. 物件の床面積が200平方メートル未満
3. 解除理由が、転勤、療養、親族の介護などにより退去

上の3つに該当しない定期借家契約は、賃借人からの途中解除もできません。

現在の契約が2000年(平成12年)3月1日より前の場合

現在の契約が2000年(平成12年)3月1日より前の場合は、借地借家法が適用されず、現在の契約を合意解除して定期借家契約を締結することができません。

2000年(平成12年)3月1日以降のような方法はとれず、建替え時期が来た場合は立退き交渉をおこなうことになります。

立退き交渉については前述したとおりですが、粘り強く交渉することを覚悟しなければならないでしょう。また、立退き交渉は「立退き料」などの金銭的な条件を含むため、管理会社がオーナー代理人として交渉をおこなうことは「非弁行為」になります。

オーナーのサポート的なことは可能でしょうが、直接、賃借人と話をすることはできません。交渉はオーナーまたは弁護士がおこなわなければならないことです。

合意解除ができた場合

古い賃貸借契約(2000年3月1日より前に契約)で入居している賃借人との間で、現契約の合意解除をしたうえで、定期借家契約を締結したとしても注意が必要です。

普通借家契約から定期借家契約への切替えがそもそも無効なため、建替え時期が到来したときに、賃借人から「定期借家契約は無効」と主張されると対抗することができません。

合意解除したという事実があったとしても、普通契約から定期契約への切替えがそもそも無効なため、賃貸人からの契約解除および立退き請求は不可能になります。

定期借家契約の締結方法

定期借家契約は普通借家契約と異なり、次の要件がそろっていなければなりません。

1. 契約期間が明確になっている
2. 賃貸借契約は書面により締結する
3. 契約締結前に「契約期間満了により賃貸借は終了し、更新はしない」旨を明記した書面を、賃貸人から賃借人へ交付し賃貸人が説明する

以上の要件が整っていない契約は、たとえ「定期借家契約」と契約書に記載があっても、普通借家契約となります。

賃貸借契約は宅地建物取引業者が仲介するのが一般的です。この場合、宅地建物取引士が契約前に重要事項説明書を交付して賃借人に重要事項を説明しますが、そのなかで「契約期間満了により賃貸借は終了し、更新はしない」と説明しても、上記の要件を満たしたことにはなりません。

ただし宅建業者が賃貸人の代理人として説明する場合は、有効とされています。

契約期間の考え方と契約のタイミング

定期借家契約は更新がありませんので、契約の終期をはっきりと明記します。

「契約開始から2年間」あるいは「〇年〇月〇日」と確定させます。
賃借人からの途中解約は、前述したように条件が満たす場合は可能ですが、賃貸人からの途中解除はできません。

建替えを予定している場合の定期借家契約では、契約満了前に建物の老朽化がすすみ、予定より早く建替えが必要になったからといって途中解除はできません。

老朽化の状況を専門家に点検してもらうなど、慎重に判断して契約期間を決める必要があります。

一方、普通借家契約から定期借家契約への切替えでは、入居者の希望や予定なども把握しておかなければなりません。

事前の話し合いなどもせずに、いきなり定期借家への切替えを提案してしまうと、合意解除ができなくなり切替えがうまくできない可能性があります。

現在の賃貸借契約が2000年3月1日以降の契約であっても、現契約を合意解除したうえでなければ、定期借家契約の締結はできないことは既に説明したとおりです。

入居者の将来にわたる計画や、賃貸物件の老朽化状況を把握し、望ましいタイミングをみつけ定期借家契約の提案することが肝要です。

まとめ

賃貸借契約における賃貸人と賃借人の権利関係は、賃借人を保護する傾向の強い法制になっています。現行の借地借家法は賃貸人の権利を若干強くした特徴があり、そのため定期借家制度が作られました。

しかし普通借家契約から定期借家契約への切替えは、簡単ではありません。
入居中の場合は、現在の普通借家契約が締結された時期により、取り扱いが変わります。また2000年3月1日以降の契約により入居している場合であっても、現契約の「合意解除」が必要です。

建替えが必要になると考えられる賃貸物件を管理する管理会社は、タイミングをみて定期借家制度の導入を図らなければなりません。

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