敷金家賃の分別管理義務と具体的方法

2020年~2021年の期間内で賃貸住宅管理適正化法が段階的に施行されます。法で定める敷金家賃の分別管理義務については、すでに実行している管理会社が多いとは思いますが、万が一の経営破たんなどにおいてオーナー財産を保全できるしくみになっているか疑問のケースもあります。

ここでは、オーナーに安心して管理を任せてもらえるよう、分別管理の具体的な方法とオーナー財産の保証制度について紹介します。

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敷金家賃の分別管理が義務化

「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律」の制定により、管理会社は入居者から集金する家賃や共益費などや、契約時の敷金を管理会社が保管する場合は、管理会社の財産と区分して管理する「分別管理」が義務づけされました。

“(分別管理)
第十六条 賃貸住宅管理業者は、管理受託契約に基づく管理業務(第二条第二項第二号に掲げるものに限る。以下この条において同じ。)において受領する家賃、敷金、共益費その他の金銭を、整然と管理する方法として国土交通省令で定める方法により、自己の固有財産及び他の管理受託契約に基づく管理業務において受領する家賃、敷金、共益費その他の金銭と分別して管理しなければならない。”
引用:国土交通省「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律」

これまでも分別管理はおこなわれていたと思われますが、法制化により義務になりました。

分別管理はオーナー財産を保全することが目的です。仮に管理会社が経営破たんに陥った場合でも、オーナー財産が毀損することのないようにしなければなりません。

経営破たんまで至らないまでも、管理会社の運転資金として家賃などが流用されるケースもあり、有効な分別管理が求められるのです。

分別管理の具体的方法

家賃などの分別管理は「賃貸住宅管理業者登録制度」にて、業務処理準則に定められていた事項です。
具体的な方法としては管理会社の財産とは区分し、銀行口座にて管理をしますが、ここでは一般的に利用できる分別管理の方法を紹介します。

家賃専用口座で受けた家賃等をオーナーごとの勘定に振り分ける

家賃専用口座を準備し、振り込まれた家賃や現金入金した家賃を、会社の財産とは別に保管します。そのうえでオーナーごとに振り分けた金額を、家賃専用口座からオーナー口座へ振り込む方式です。

分別管理としては簡単に実行できる方法といえるでしょう。

家賃専用口座は管理会社名義であり、経営破たんにおいてはオーナー財産が差押えられる可能性もあります。

次に紹介する調査研究概要は2010年のものですが、管理会社における分別管理の実態を把握できる資料といえるでしょう。
参考:全国宅地建物取引業協会連合会「賃貸不動産管理制度に関する調査研究概要」

研究主体は「賃貸不動産管理業等あり方研究会」という任意団体であり、事務局は「全宅連事務局」が担いました。

調査研究概要の中で次の指摘がされています。

1. 集金代行をおこなう管理会社は約8割
2. うち半数弱が専用口座を設けるに留まり、オーナーごとの区分はおこなっていない
3. 信託等の活用は1社もなく、保全措置を講ずる必要がある

この調査から10年経過していますが、2021年にはすべての管理会社が最低限「専用口座」を開設すると思われます。

オーナー別、物件別に口座を分ける

オーナー別に口座を開設する、あるいはオーナー別・物件別に口座を開設し管理する方法です。

上記家賃専用口座と同様に経営破たんによるリスクはありますが、家賃入金状況が一目で把握できるメリットがあります。

逆に物件数が多い管理会社では膨大な数の通帳管理がたいへんかもしれません。

・複数の物件をエリア別に区分した口座にする
・戸建物件専用の口座を開設

などにより通帳枚数をコントロールしつつ、できるだけ細かく区分する工夫が必要でしょう。

分別管理の目的は、管理会社の財産とオーナーの財産を明確に分離することです。そのうえで管理業務の効率性も考慮した方法が望ましいのです。

信託口座で入出金をおこなう

管理会社が信託口座を開設し、家賃は口座引き落としなどにより入居者から回収し、管理会社から金融機関への指図により、オーナーには家賃を管理会社には管理料を送金するシステムです。

管理会社が直接口座を管理することなく、金融機関が財産を管理するので、第三者性が確保され万が一の場合もオーナー財産は保全できるしくみです。

信託口座の開設は現在のところ大手金融機関などに限られており、地方においては開設すらむずかしい面があります。今後は信託口座の普及が課題といえるでしょう。

似たようなしくみに賃貸保証会社が信託口座で家賃を預かり、オーナーや代理人としての管理会社に送金するパターンがありますが、管理会社にいったん家賃が送金されるケースでは、さらに分別管理が必要になるのはいうまでもありません。

第三者機関の保証を利用する

公益財団法人日本賃貸住宅管理協会(略称:日管協)の「日管協預り金保証制度」は、管理会社の経営破たんなどによりオーナーに送金すべき家賃などが滞った場合、日管協がオーナーに対して弁済する保証制度です。

1. 保証の対象
・管理会社が集金代行している家賃・共益費・管理費など
・サブリースにより運営している賃貸物件のオーナーへの支払い賃料
・敷金・礼金・更新料などのオーナーが入居者から受領する金銭
2. 保証される弁済限度額
・1ヵ月分の家賃
・1,000万円
3. 弁済金支払事由
・管理会社が経営はたんしたと認められるとき(破産宣告、民事再生開始、特別清算開始、会社整理開始、会社更生手続開始申立、手形交換および金融機関の取引停止)
4. 保証期間
・7月申込または更新により10月加入の場合は10/1~翌年9/1の1年間
・1月申込により4月加入の場合は4/1~9/1の半年間

保証制度の概要は以上のようなものですが、保証期間が1年間であり申込・更新時に管理会社の経営状態を審査するため、管理会社の健全性が担保される仕組みといえます。審査は公認会計士・弁護士・大学教授など第三者で構成された「保証制度審査会」がおこない、客観的かつ公正な審査をおこないます。

制度に加入するには初回のみ200万円の「加入預託金」が必要ですが、日管協の会員であれば5万円となります。保証料は1年間で一般が12万円、会員の場合は6万円であり協会に加入するほうがメリットも多いようです。(入会金は16万円)

参考:公益財団法人日本賃貸住宅管理協会「日管協預り金保証制度」

信託口座の開設は地域によりむずかしい場合もあり、簡易な分別管理をおこなったうえで、日管協預り金保証制度を利用することがオーナーにも安心感を与えると考えられます。

まとめ

管理会社の多くが集金代行をおこなっており、ある程度の期間オーナーに送金する家賃が管理会社の口座に保管されることになります。そのため管理会社の流用や経営破たん時には口座に残金がないなど、保全されない可能性もあります。

家賃管理を自らおこなえるオーナーは少なく、管理会社の役割が大きくなっていますが、同時にリスクも高まっています。

家賃などの分別管理はもちろんですが、万が一の場合の保全措置を取ることが望ましいといえるでしょう。

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