複数物件を取得できるオーナーの特徴を管理会社が解説

賃貸管理に携わっていると、いろんなオーナーさんとおつき合いするようになります。

不動産投資をはじめて最初の1棟目を管理依頼される方、5棟目、6棟目と順調に物件を増やしている方などさまざまです。

管理会社にとってすべてのオーナーは大切なお客さまですが、物件を増やしていこうと考える意欲のある方からは、学ぶところも多くとくに重要な存在といえるでしょう。

いろんな方とのおつき合いするなかで、複数の物件を所有するオーナーと、物件を増やすことのできないオーナーとでは、根本的な考え方に違いがあるように感じることがあります。

ここでは管理会社からみた「複数物件を取得できるオーナーの特徴」をご紹介します。

投資物件複数所有はなぜ必要か

投資物件は、1戸だけあるいは1棟だけを所有して運営しようと考えるオーナーは少なく、ほとんどの投資家は複数の物件を所有しようとします。

なぜ複数所有が必要なのか2つの理由があります。

1. 収入増加
2. リスク分散

投資物件が増えるほど収入が増えるのは当然ですが、リスク分散が複数所有の大きな理由です。

不動産投資は他の投資と比較しリスクは少ないといわれますが、経済環境や自然災害によるリスクは軽視できません。

投資物件は地域分散や多様な需要に対応できるほうが、リスク分散が可能になります。

特定企業や教育機関を対象とした賃貸物件は、企業の撤退や学校の移転などにより、需要が激減する可能性を持っています。

特定地域に複数の物件を所有する場合、地震や台風・洪水などですべての物件に大きな被害を受けることもあるのです。

2棟目・3棟目の取得を計画しているオーナーは、リスク分散の考え方を大切にしています。

複数の物件を購入できる必要条件

投資物件を複数所有するとしても、一度にたくさんの物件を取得することは、潤沢な資金を用意していなければ不可能です。

ほとんどは借入金を主とした資金計画により、物件を取得しつづけていかなければなりません。

しかも1棟目から2棟目の購入までに数年かかることもあります。

不動産投資には2つの特徴があります。

1. 収入が安定している
2. 収入増には限界がある

家賃収入は年間を通してあまり変動なく収入があるものです。

一方、商品販売のようにブームに乗っていくらでも売れるということはありません。

決まっている家賃を超える収入が入ってくることはなく、収入は最高で100%です。

120%や150%の売上が見込めるビジネスではないのです。

売上に上限があるからこそ、1物件ごと1室ごとの利益が大切になります。

・徹底した経費の削減
・物件取得に必要な諸費用などの圧縮
・再投資に向けた充分な内部留保

これらは物件購入のさいに金融機関が審査する重要項目となり、新規物件への融資は手持ち物件の経営状態に左右されます。

利益がでていない、あるいは返済がギリギリの状態では、新規融資はむずかしいものがあるのです。

そのためステップアップを考えるオーナーは、物件ごとの収益性を重視しています。

複数物件を取得できるオーナーの特徴

管理会社は管理物件が多いほど、おつき合いをするオーナーも多くなります。

さまざまなタイプのオーナーがいますが、複数物件の所有を考えて常に新規物件を物色する方もいます。

そのなかで「このオーナーさんは成功しそうだ!」と感じるタイプと、逆に将来が不安になるような方もいます。

1. まめな大家さん
2. 物件選択を慎重にする
3. 勉強熱心
4. 利益を重視する
5. 出口戦略を常に考えている

このようなオーナーは新規物件の検討においても、将来への見通しや物件現況の改善点などを、広い視野で検討し的確な事業計画を立てます。

特に返済シミュレーションは楽観的な要素を極力少なくし、リスク管理の感覚が非常に鋭いことに驚かされることもあるのです。

物件の管理においても自らできることは自らおこなうなど、物件への愛着と入居者への心づかいが伝わり、頭の下がる思いをすることも少なくありません。

成功するオーナーは「あたり前のことをあたり前におこなう人」といえるでしょう。

管理会社はビジネスパートナーになれるか?

不動産オーナーにとって管理会社は、物件の管理と入居者の管理をおこない、毎月安定した収入をつくり出す重要な役割を担う存在です。

ひとたび管理業務を依頼するとそのつき合いは、何年にも何十年にもなることがあります。

個人オーナーの場合は、親子二代にわたって管理をさせてもらうこともあるのです。

まさに管理会社は不動産オーナーの「ビジネスパートナー」といえるでしょう。

オーナーが安定して経営を継続しながら、物件をすこしずつ増やしていく過程において、管理会社が果たすべき役割は「物件選択に関するアドバイス」です。

・適正な設定賃料
・入居率向上の施策
・将来変化への備え
・出口戦略

これらについて不動産管理のプロの立場から、考えられるアドバイスをおこなうことが必要でしょう。

日常の管理業務においても管理会社は重要な役割を果たします。

特にルーティンワーク以外の突発的な出来事への対応は、オーナーからみた場合ありがたい存在であることを再認識することもあります。

不動産オーナーと管理会社は「プレーヤーとサポーター」の関係ともいえるでしょう。

まとめ

複数物件を増やしていけるオーナーの特徴についてご紹介しました。

しかし不動産オーナーは、最初からオーナーとしての資質や考え方を持っているとは限りません。

管理会社とのつき合いや、賃貸事業をとおして成長するケースもあるといえるでしょう。

管理会社は賃貸事業の管理だけでなく、オーナーの成長にも深くかかわっており、ステップアップできるオーナーを育てることも、管理会社の役割であることを認識しなければならないともいえるのです。

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