大家から「管理会社を変更してほしい」と言われた場合の対処方法

いきなり筆者の紹介になりますが、私は、不動産の管理会社に長年勤めていて、担当者として平均700戸程度の管理を10年ほどしていました。その後、2,000戸ほどの管理物件を持つ店舗の店長を2店舗で10年程度勤めていました。

管理に関しては経験が豊富と自負していますが、長い管理会社勤務で一番頭の痛い問題がオーナーから管理会社を変更したいと言れたときです。

幸い、担当者として勤務していたときに管理会社を変更したいといわれたことはありません。

しかし、店長になってからは複数回、管理会社の変更を言われた経験があります。

そのような経験を踏まえて、どんなケースで管理会社変更を言われるのか?そして阻止するためにはどうしたらいいのかについて解説していきましょう。

管理会社を変更したいと言われる代表例

管理会社を変更したいと言われるケースはいくつかの理由が考えられますが、主だった理由としては次の3つが当てはまります。

1. 担当者との相性が悪い
2. 他社の管理料が安い
3. 不動産物件の売却

この3つのケースについて、オーナーが管理会社を変更したいと考える理由や原因について深く考察し、解決方法や阻止する方法などについて解説していきます。

①担当者との相性が悪い

オーナーが管理会社の変更を言い出したときの大部分は、管理担当者に対する不満です。どのような不満をもつのでしょうか?

・ 部屋が決まらない
・ 担当者の努力が伝わらない
・ 担当者がなかなか訪問してこない
・ 頼んでいたことを中々やってくれない

ほかにもたくさんの事例がありますが、要は担当者の怠慢が原因のことが多いようです。

担当者は努力しているのですが、

  • 伝え方が悪くオーナーへ伝わらない
  • 担当者の言い回しが気に入らない

といったことが原因でも起こります。

いくら努力しても相性が悪く、なかなか意思の疎通ができないこともありますし、非常にこじれやすい問題にもなりかねません。多くのケースが担当者との人間関係にあることが多いようです。

解決方法「管理担当者を変更する」

では、このケースに対する解決方法を考えてみましょう。オーナーから管理会社を変更すると言われ、原因が管理担当者にあった場合、私はすぐに管理担当者を変更します。

それは、

・いったん失った信頼を回復するには相当の労力を要する
・相性が合わなければ努力では補えない部分がある
・担当者が反省しながらも心機一転で頑張れる

といった点からです。

担当者の怠慢であった場合は、完全に管理会社側の責任です。

特に担当者を反省させて引き続き担当しても、信頼回復には多大な労力を使いますし、オーナーがその後の担当者の努力を認めにくいことが考えられます。

一旦そこで関係性を切ってしまうことでお互いに一からスタートできると考えるからです。

また、いくら頑張っても相性が悪ければ担当者の努力が報われません。であればいっそ、努力を報われやすい場所で力を発揮してもらうことで、担当者のモチベーションアップに繋がると考えることも大きな理由のひとつです。

まずは、不手際があった場合は、誠心誠意謝罪して新しい担当者で管理を再度お願いしています。

②他社の管理料が安い

管理会社はオーナーから毎月の管理料を頂いて物件の管理を行っています。

一般的には集金家賃の5%前後が管理料として管理会社の収益となる場合が多いようです。

近年、管理会社の価値が再認識され始めており、管理物件を多く持つことで安定した管理料を得ようと考える不動産会社が増えました。管理業務はストックビジネスといわれています。

管理料自体は5%程度なので、不動産会社が行う賃貸の仲介や売買の仲介といったフロー業務に比べると儲からないと思われがちです。

しかし、管理物件を多く持つと5%程度の管理料でも大きな収益となります。

しかも毎月安定した管理料を得ることができるので、会社運営には大きな土台となることに気づいた不動産会社が管理を取ろうと狙っています。

そうなると不動産会社同士での競争となり、管理料の値下げをエサにオーナーへ管理会社変更をお願いする不動産会社がでてきます。少しでも管理料が安い方がいいというオーナーには管理料の減額は大きな魅力です。

他の不動産会社から管理料を下げる提案を受けたオーナーから管理会社の変更を言われることが増えてきています。

解決方法「他社との管理内容を比較する」

他社の管理料の安さによる管理変更を言い出された場合には、自分の会社は、それ以上の管理料の値下げで対応できないだろうかと考える人も多いのではないでしょうか。

しかし、他の管理会社が安い管理料で管理するから、それ以上の管理料を下げて管理変更を阻止するのは得策とはいえません。値下げ勝負になりがちです。

また、他のオーナーに伝わると、他のオーナーの管理料を下げてしまうということにもなりかねません。

まずは、管理料を下げて管理を取ろうとしている管理会社の管理内容をしっかりと分析することを始めてみましょう。そして、違いを見つけるとすかさずその部分を攻めて管理の違いを主張しましょう。管理料の値下げは最後の手段です。

管理料を下げるということは、自分たちの仕事の価値を下げることにも繋がります。自分たちの管理は5%以上のことをやっているという自負を持っておくことが大切です。

③不動産物件の売却

これは、私の主観なのかもしれませんが、オーナーの中には管理会社は、不動産売買などができないと思っている人も多いようです。

管理と不動産の仲介などは別物と考えているオーナーが、不動産物件を近い将来売却したいと考えるとき、売買に強そうな不動産会社に管理を変更したいといわれます。

このとき、変えたいという管理会社はいわゆる大手で、不動産業務を全て行える総合的な不動産会社です。不動産の売却を考えながら管理してほしいとの気持ちから管理会社変更に至る心理へとなるように感じます。

解決方法「管理会社の優位性を説く」

物件を管理しているということは、一番物件を知っているということにも繋がります。実は物件の管理をずっと行っているということは、売却時に大きな手助けとなるのです。管理している不動産会社が売買に関わっていると買主はとても安心します。

なぜなら、物件のことが一番わかっているからです。物件の売却は、次のオーナーはそのまま運用する目的で購入します。そのときに、物件を知っていると色々と相談がしやすく、管理の心配がいりません。

その点について、管理変更をしようと思っているオーナーに強調してみましょう。多くの管理会社は、管理物件のオーナー変更に関わっているので、売却なども対応できるケースがほとんどです。しかも富裕層であるオーナーを複数知っていますので、物件を買いたいと思っている潜在的なオーナーもつかんでいます。

その点からも現在の管理会社が売買に関わっていくことはオーナーにとっても大きなメリットになるのでそのあたりを強調するべきです。そうすることで管理会社の変更が防げます。

まとめ

原因 解決策
担当者との相性が悪い 管理担当者を変更する
他社の管理料が安い 他社との管理内容を比較する
不動産物件の売却 管理会社の優位性を説く

管理会社の変更は管理会社にとって非常に頭の痛い問題です。まずは、そのようなことが起こらないようにしっかりと管理担当者がオーナーと信頼関係を保つ必要があります。

しかし、うまくいっていない場合は、必ず上司に伝えておきましょう。そして、管理に対して不満を持っていそうなオーナーも必ず上司に伝えておくことです。管理変更を狙っている会社は依然と比べると非常に増えています。

オーナーとの信頼関係をしっかりと築いておくことがとても大切なポイントです。

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