高齢者入居のリスクヘッジに役立つ見守りサービス

高齢者などの入居促進を図るには、ひとり世帯のリスク軽減が欠かせません。

いろいろな「見守りサービス」が提供されるようになり、管理会社や賃貸オーナーにとっては高齢者入居に抵抗感が少なくなる効果が期待されます。

地方自治体においても公営住宅などに、見守りサービスを導入するケースが増えています。

ここでは現在リリースされている各種見守りサービスをご紹介し、高齢者入居の環境整備に役立つ情報をお伝えします。

地方自治体が取り組むセーフティネット住宅の見守りサービス

横浜市は「セーフティネット住宅見守りサービス補助モデル事業」として、株式会社R65を事業者として登録し、2020年12月1日~2022年3月31日の期間で「R65あんしん見守りパック」の実証実験をおこないます。

また東京都は同様の実証実験を、ホームネット株式会社の「見まもっTEL」、および株式会社ケアプロデュースの「見守り電気」を、支援モデル事業として指定し、2019年7月9日から2021年3月31日の期間でおこないました。

さらに東京都住宅供給公社は、2021年5月~11月の期間で見守りサービスの実証実験を実施し、2021年12月からのサービス開始予定で、プロポーザル参加者を募集していました。

事業者決定は2021年3月としており、JKK東京「これまでの報道発表」にて公表されます。

このように地方自治体においても「見守りサービス」は、賃貸住宅運営上欠かせないサービスとなっています。

地方自治体が採用した見守りサービスの概要

上記の見守りサービスの概要を紹介します。

1. R65あんしん見守りパック

見守り機器と賃貸住宅管理費用保険をセットにしたサービスです。

見守り機器は入居者のストレスを感じることのないよう、電気の使用量をデータ化しAIによりいつもと違う状況を感知するシステムであり、異常があると登録したメールアドレスに通知がきます。

>>>R65あんしん見守りパック

2. 見まもっTEL

安否確認と費用補償保険がセットになったサービスです。

安否確認の方法は、入居者へ毎週2回の電話による定期連絡に対し、入居者は音声ガイダンスにしたがいボタンを押すことによりおこないます。

確認結果は最大5名にメール通知をおこないます。

>>>見まもっTEL

3. 見守り電気

電気の使用量から異常を感知すると通知が発信され、家族に代わってサービス事業者が入居者に電話をかけ状況を確認します。

万一のときは家族に代わってトータルでのサポートもします。

孤独死保険や家賃保証のオプションもあります。

>>>見守り電気

稼働中の見守りサービス

上記の見守りサービス以外にも全国規模の事業者では、以下のようなサービスをおこなっています。

事業主体 サービス名 サービス概要
日本郵便 みまもり訪問サービス 郵便局職員が定期的に訪問し結果を自治体や家族にメールで連絡
みまもりでんわサービス 毎日同時間帯に自動応答の電話により安否確認し結果をメールで連絡
東京ガス くらし見守りサービス センサーによる玄関や窓の鍵閉め確認、子どもや高齢者の帰宅確認、電話健康相談がセットになったサービス
セコム 高齢者見守りサービス センサーによる行動チェック、専用通信器具による救急通報、24時間の電話相談がセットになったサービス
綜合警備保障 みまもりサポート 専用通信機器を使い24時間の相談対応と緊急時の駆け付けサービス
象印マホービン みまもりほっとライン 電気ポットの使用状況を確認し1日2回メールで連絡
ヤマトホールディングス 生活支援 見守りサポート(地域限定) 自治体の刊行物を指定した高齢者宅に毎月配達し不在がつづいたら行政から電話連絡

ヤマトホールディングスのサービスは青森県の一部で実施されているサービスですが、自治体との連携により行われているものです。

これらのサービスを管理物件で採用する場合、入居者とその家族の要望があることと、費用負担を入居者または家族がおこなうのか、オーナー負担とするかの整理が必要となります。

その他の見守りツールやアプリ

スマホで簡単にできる見守りアプリもあります。

専用機器が必要なタイプ以外は無料で使うことができます。

1. みまもりCUBE

ライブ映像をパソコン・スマホ・タブレットで確認できる機器です。

SIMカードが内蔵されているので、インターネット回線などの必要はなく、電源に差し込むだけですぐに使用開始できます。

マニュアルに記載されたQRコードを読込むことにより設定が完了します。

>>>みまもりCUBE

2. みまもりLite

活動状況や生活パターンが確認できる機器です。

インターネット接続により家族のスマホにメール送信します。

アプリはAndroid版です。

>>>みまもりLite

3. あんしん365

あらかじめ設定した曜日と時刻に入居者のスマホに通知が発信され、入居者がスマホ画面にタッチするか放置するかの結果を家族にメール送信します。

アプリはAndroid版です。

>>>あんしん365

4. みまもりホン2

入居者の移動に伴いスマホも位置を変える動きを感知し、一定時間動かない場合に「アラーム」さらに一定時間動きが無い場合は、緊急メールを家族に送信するAndroid版のアプリです。

>>>みまもりホン2

5. みまもりサービス

入居者のスマホの状態をリモートで確認できるiOS版アプリです。

>>>みまもりサービス

・スマホが起動した
・スマホが充電されている
・スマホを所持して歩いている

以上の確認が可能です。

6. LINEを使ったエンリッチ見守りサービス

定期的な安否確認をLINEによって自動的におこなうことができます。

通知を受けた入居者はLINEの画面で「OK」ボタンを押すと、確認完了です。

確認ができない場合は家族に連絡するしくみです。

>>>LINEを使ったエンリッチ見守りサービス

今後もさまざまなアプリが開発されると思います。

利用にあたっては入居者とその家族の自由意思によるもので、管理会社が関わることはむずかしいでしょう。

しかし高齢者の入居にあたって「みまもりアプリ」の使用を条件とするなど、管理会社がある程度関与しなければ高齢者が簡単に賃貸住宅に入居できる環境は育っていかないともいえます。

とくにNPO法人エンリッチがおこなっている「エンリッチ見守りサービス」は、特別なアプリをインストールする必要もなく、無料で使えてほとんどの人が馴染みの深いLINEでできることが大きな魅力です。

求められる賃貸事業の高齢者対策

2020年における65歳以上の高齢者の割合は28.7%でした。

この割合は世界でもっとも高く、2040年には35.3%に達すると予測されています。

参考:総務省統計局「高齢者の人口」

1/3以上が高齢者となり賃貸経営においては、入居者の高齢化対策とともに高齢者の新規入居対策は避けてとおれません。

さらに生涯未婚率は高くなる傾向があり、高齢者も含めた「孤独死・孤立死」といった問題も、賃貸事業の大きなリスクとなっています。

高齢者,見守りサービス

引用:内閣府「少子化対策の現状と課題」

社会問題化する可能性のある独居世帯の増加に対し、孤独死が特殊なことではなく自然なことと受け入れられるしくみが必要であり、さまざまなアプローチによりリスクを軽減する手法も求められているといえるでしょう。

まとめ

世界一の高齢化率となる日本においては、高齢者に着目したさまざまな対策が欠かせません。

ご紹介したように現在多くの「見守りサービス」があり、今後も特徴のあるサービスが登場するでしょう。

これらサービスのなかには無料のものが多く、入居者に負担をかける心配はありません。

上手に活用することにより安心して高齢者の入居を促進することが可能です。

高齢者を含めた住宅確保要配慮者に対する「住宅セーフティネット制度」とも併せて、入居率を高める賃貸経営を実現してください。

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