管理会社の売上向上施策とは？

最近よくご相談を受けるひとつとして、「賃貸管理会社の売上向上施策」の相談があげられる。

実際、管理会社として右肩上がりに売上を飛躍的に増加させていくのは意外と難しい現実もある。

多くの管理会社の売上数字が「横ばい」、「微増」だったりするケースが多い。たしかに現実的に管理物件の取得だけだと、なかなか売上は増えてはこない。

しかし、管理事業に関連する新規サービスを立ち上げたり、さらに管理業務に少し工夫を行うことで売上を増加させていった管理会社も存在している。

今回は、管理会社が売上を上げるためのひととおりの施策を紹介してみたい。

管理物件戸数の増加

まず最初に紹介するのは、当たり前の内容になってしまうが、管理物件戸数の増加である。

当たり前の内容であるにも関わらず、なかなかこうした新規管理物件獲得を戦略的に行なっている管理会社は実際はそれほど多くはない。

「なんとなく紹介で増えた」、「たまたま知り合いのオーナーから依頼された」こうしたケースが多いように感じる。

新規管理物件の受託を促進するには、周辺オーナーへのアタック、査定サイトの利用、デジタルマーケティングの活用、金融機関からの紹介など様々な施策がある。

これらを有効に活用し、着実に物件を増やすことが何よりも重要な売上向上施策である。

自社での客付活動

管理物件を増加させると確かに売上は増加するが、劇的にその売上金額が増加するわけではない。コツコツと管理物件を増やすことで売上も少しずつ比例して増加していくのが一般的である。

そんななか、自社の管理会社の増加をきっかけに自社内で客付け活動を開始する管理会社も多い。

いきなり仲介部門を立ち上げて、しっかりと事業を行うことは、それなりにハードルが高いが、自社の管理物件を中心に客付けを行うことはそれほどハードルは高くはない。

ポータルサイトに自社管理物件を掲載し、反響が来たら対応し、営業活動を行う。自社管理物件の数がそれなりに多ければ、売上は確実に上がっていくだろう。

しかしポータルサイトを掲載する際に、他社の仲介会社に対しての掲載可否の取り決め方など、付き合いのある仲介会社との関係にも気を使って進めていかなければいけないことも忘れてはいけない。

自社施工の実施

これまで原状復帰や小修繕などを別の内装業者にお願いしていた管理会社が、自社で施工ができる体制にし、売上を大きく伸ばす事例も多くある。

これには一定の内装知識や施工技術のある人材を獲得しなければいけないが、もしそうした人材を採用することができれば、鬼に金棒の状態になる。単純に退去後の復帰費用の利益率が格段にアップするし、小修繕に対する利益率も大きく変わる。

ゆくゆくは大規模なリフォームやリノベーションなども自社施工で行うことができるようになるし、それに応じて提案の幅も広がっていく。

課題なのは、そうした施工ができる人材をどのように登用するかである。しっかりとした採用戦略を組むことを忘れてはいけない。

オーナーの物件の売買仲介

オーナーとの関係が良好であれば、オーナーの物件取得のための仲介業務で売上を立てることも可能になる。

またいっぽうでオーナーの物件売却活動もサポートすることも可能だ。

実際に経営状態が良い管理会社は、管理手数料収入で会社の運営コストを賄い、売買仲介の売上をまるごと利益にすることで健全な経営を実現しているケースが多い。

しっかりとオーナーと良好な関係を築いていることと、売買仲介のスキルが必要になるが、売上増加のためには是非導入してほしい。

付帯サービスの提供

たとえばマンションにインターネット設備を導入するとインターネット販売の会社から手数料が支払われる。

こうした物件に付帯するサービスから収益を上げることもできる。

さらには、賃貸借契約時の保証会社や保険会社からの手数料、さらには入居者向けに提供する引越し会社やライフラインの斡旋なども手数料を受領することができる。

個別の手数料は、少額なケースが多いが、それでも取引数が増えると、まさに「チリも積もれば山となる」で、それなりに収益性が生まれる。

注意しなければならないのは、オーナーにとっても入居者にとってもプラスにならない商材を無理矢理売りつけないことだ。利用者も得するようなしっかりとした商材を選ばなければいけない。

ハウスメーカーからの斡旋手数料

オーナー所有の物件の建て替えや遊休地の土地の有効活用方法としてハウスメーカーを斡旋し、その手数料を受領することもできる。

たしかに新築物件などは、管理会社自らが全て企画、設計、建設をすることは難しい。そうした場合は大手のハウスメーカーなどに建設を依頼することで、その斡旋手数料を受領することができる。

もちろん、こうして建てられた物件の管理はしっかりと自社で行うことを条件に斡旋しなければいけない。実際、こうした斡旋料で大きく売上を上げながら、着実に管理戸数を増加させた管理会社も存在している。

以上が管理会社が売上を大きく増加させるための施策である。

勿論、上記以外にも様々な方法がある。いろいろな施策を試して是非売上増加を目指してみてほしい。

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