テクノロジーが進化しても、不動産営業で勝つのは“この力”

近年の不動産仲介営業は、テクノロジーの進化によって劇的に効率化されてきた。

追客システムはAIが顧客の反応や成約確率を分析し、マッチング機能も希望条件を自動的に抽出して提案する。

営業マン個人が「足で稼ぐ」「電話をかけ続ける」といった時代はすでに過去のものになりつつあり、デジタルツールの恩恵で、誰もがある程度のレベルまでは効率的に営業できる環境が整った。

こうした状況だけを見ると、「もはや営業力に大きな差は生まれないのではないか」と錯覚してしまう。

しかし、現実にはいまだに営業メンバー同士で大きな成果の差が存在している。

数字で見れば明確だ。

同じシステムを使い、同じ反響を受け、同じマニュアルで対応していても、常に上位に名を連ねるメンバーと、平均を下回り続けるメンバーがいる。

この差はどこから生まれているのか。その答えは、実は極めてシンプルなものだ。

成果を出す営業は、総じて「感じが良い」。

たったそれだけのことだが、これほど決定的な要素はない。

感じが良いとは、単なる礼儀正しさや言葉遣いの丁寧さにとどまらない。

話しかけやすく、人懐っこく、相手が自然に心を開ける雰囲気を持っているということだ。

営業において商品や価格の差が小さくなればなるほど、ユーザーは「この人から買いたいかどうか」で判断する。

つまり、最終的な決め手は“人間力”である。

どれほど資料を整え、どれほど知識を詰め込んでも、「一緒にいたい」「信頼できる」と感じさせる空気を持つ営業には勝てない。

AIは提案を最適化できても、信頼関係を築くことはできない。

人の心を動かすのは、データではなく「感じの良さ」なのだ。

感じの良い営業は、第一印象からして違う。

まず外見が整っている。

これは容姿の美醜ではなく、「清潔感」である。

髪型が乱れていない、スーツにしわがない、靴が磨かれている、名刺入れがボロボロではない、そうした基本的な部分ができている。

人は見た目で相手を判断する傾向が強い。

特に不動産という高額商材を扱う営業では、顧客は無意識に「この人に任せて大丈夫か」「お金を預けて安心か」という信頼判断をする。

その基準において、外見の整い方は非常に大きい。

例えば、身だしなみが乱れた営業マンがいくら誠実な言葉を並べても、ユーザーの心には届かない。

逆に、清潔で明るい印象を与える服装で、姿勢を正して登場すれば、それだけで「きちんとした人だな」という好印象が生まれる。

営業の勝負は、商談が始まる前から始まっているのだ。

さらに重要なのが、表情だ。

成果を出す営業ほど、いつも穏やかで明るい表情をしている。

口角が上がっており、目元にも柔らかさがある。

相手の話を聞くときにうなずいたり、笑顔を交えながら反応したりする。

その自然な表情が、相手に安心感を与える。

逆に、無表情でいたり、眉間にしわを寄せたり、口数が少ないと、それだけで「冷たい人」「自信がない人」という印象を与えてしまう。

笑顔は最強の営業ツールだ。

人は、自分に笑いかけてくれる人に好意を持つようにできている。

営業の世界では「最初の3秒で勝負が決まる」と言われるが、それはまさに表情がもたらす印象の力を示している。

笑顔には、相手の警戒心を解く力がある。

喋り方にも明確な違いがある。

できる営業は、声のトーンが明るく、テンポが適度で、言葉にリズムがある。

早口すぎず、ゆっくりすぎず、語尾がはっきりしている。

聞いていて心地よい声というのは、それだけで信頼感を生む。

逆に、ぼそぼそ話す、語尾を濁す、抑揚がないという話し方は、相手を不安にさせる。

重要なのは、内容よりも“伝わり方”だ。

何を言うかより、どう言うか。

たとえ同じ説明でも、言葉の選び方や抑揚ひとつで印象は大きく変わる。

顧客が「この人の話はわかりやすい」「なんとなく安心できる」と感じるのは、理屈ではなく感覚の問題だ。

営業が伝える言葉の裏には、その人の人柄がにじみ出る。

だからこそ、話し方は単なる技術ではなく、人間力の表れなのである。

そして、動作。

優秀な営業は、立ち振る舞いがスマートだ。

姿勢が良く、動きに無駄がない。

相手の目を見て話し、身を乗り出して聞く。

名刺を渡すときや書類を差し出すときも、丁寧で落ち着いている。

こうした動作の積み重ねが、「この人は信用できる」という印象を形づくる。

逆に、ソファにふんぞり返る、スマホをいじりながら話す、動作が雑といった振る舞いは、それだけで信頼を失う。

特に不動産営業では、ユーザーの自宅や現地など、さまざまな場所で接客を行う。

その場の空気を読むこと、相手の生活空間への配慮を見せることも、人間力の一部だ。

このように見ていくと、「感じが良い」というのは、単なる性格の話ではなく、姿勢・表情・言葉・動作といった、すべての要素の積み重ねによって構築される総合力だとわかる。

感じが良い営業は、顧客にとって「会うと気分が良くなる人」である。

商談が終わったあと、「またこの人に相談したい」と思わせる力がある。

それこそが、デジタルツールでは再現できない営業の核心だ。

どれほど仕組みが進化しても、人が人に信頼される本質は変わらない。

人間らしさ、温かさ、誠実さ、そして「感じの良さ」。

この最もシンプルで最も重要な要素こそが、他の営業メンバーと圧倒的な差を生む。

営業とは、商品ではなく「自分」という存在を売る仕事である。

だからこそ、自分自身が信頼される人間であることが、最大の武器なのだ。

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