3月も残すところあと僅かだ。
この繁忙期はコロナ禍の影響もあり、非常に結果が読みづらい繁忙期となった。
法人の転勤や大学新入生の上京などこのあたりが不透明な状況が続き、なかなか市況の見極めが難しい年だったのではないだろうか。
ただ、首都圏に関して言えば、この3月の終盤で良い意味でそれなりの成果に「おさまった」企業が多かったように思える。
年明けの問い合わせ数がなかなか厳しかった不動産会社も3月になって駆け込みで成約数が増加していたような印象だ。
また、都心部のワンルームなども昨年の秋口から年明け頃はリーシングに苦戦していたようだったが、3月にはだいぶ申し込みが入ったようだ。
やはりリモート云々といってもそれなりの人口流入、引越し需要は根強く残っているのだと思う。
さて、そんな業界の現状のなか最近「賃貸仲介業」の新しいサービスを開発、また仲介事業としての新規会社設立についてのご相談を受ける機会が増えてきた。
ご存知のかたも多いが、ここ数年でスマートロック、オンライン内見、オンライン重説など仲介業で扱うツール等は変化してきた。
そんななか新しい部屋探しのカタチを生み出し、それを市場に広げようとする企業が増加していくのは喜ばしいことだ。
また一方で近年は、不動産賃貸仲介会社も大手一極の傾向に傾きつつあり、なかなか仲介業務単体では利益をあげることが難しいと判断されることも増えてきたのも否めない。
ツールは生み出されていても、それを使うプレイヤーの新規参入が減っていることは決して良いことではない。
とはいえそのような状況のなか、コロナの影響もあるのかここ最近少しずつ賃貸仲介のプレイヤー、もしくはそれに準ずるC向けのサービスを発表する企業が増加してきているのは明るい兆しだ。
おそらく今後人口減少、また人手不足、物件供給過多の観点からもこうした客付プレイヤーが重宝される時代が再度来るだろう。
賃貸仲介業で「追うべき指標」
さて、そうしたなかで今回は賃貸仲介業で「追うべき指標」を纏めてみた。
当然仲介会社ではよく使われる指標ではあるが、新規参入の会社や新規事業で賃貸仲介を検討されるかたは馴染みがないかもしれない。
是非参考にしてみてほしい。
反響数
当然と言えば当然だが、重要な指標のひとつは問い合わせ数である。
ただそうはいっても、単純に反響数だけを集計するだけではない。
「何」の媒体から「いつ」問い合わせしたかを集計して纏めなければならない。
反響返信率
問い合わせに対して、どれぐらいユーザーからリアクションがあるのかを示す数値。
通常のポータルサイトの返信率は30%程度と言われている。
最近は反響獲得方法が変化しているので、それぞれの媒体での数値を細かく見ていかなければならない。
平均対応時間
ユーザーからの反響に対して、どれぐらいの時間で返信対応ができたのかを示す時間。
当然、対応時間が長ければ長いほど返信率は落ちていく。
反響物件平均賃料
問い合わせされた物件の平均賃料の数値。
これを確認することで、たとえば店舗に訪れるユーザーの属性の変化などの相関性を検証することができる。
反響獲得単価
ポータルサイトに掲載している広告料から反響数を割ったもの。
たとえば50万円のコストをかけ、100本の反響獲得したとすると、反響獲得単価は5,000円となる。
これにより定期的に広告運用を見直すことができる。
反響接客率
反響に対して、どれだけのユーザーと相対(今だとオンライン相談を含む会社も増えてきた)したのかを把握する数値。
この接客率を高くキープするためには上記に記載した対応時間を短縮したり、また返信率を高くするための施策を取っていかなければならない。
平均内見数
1人の顧客に対し平均してどれぐらいの物件数を内見したかを示す数値。
これにより業務の効率化を見直すことができる。
接客申込率
接客、もしくは案内を実施したユーザーに対してどれぐらいの割合で申込に至ったかを示す数値。
所謂、営業力が最も顕著に確認できる数値である。
キャンセル率
申込獲得した物件がキャンセルになったかどうかを示す数値。
以前も書いたが、キャンセル率を低くキープすることは売上の安定化に繋がる。
申込〜契約平均日数
申込から契約までの平均日数。
申込を獲得した後に成約までの期間が長ければ長いほどキャンセル率が高まる。
ここの短縮化を目指すことで生産性の向上が図れる。
平均成約単価
実際の成約の際に獲得した報酬単価。
ここには仲介手数料のほかに、広告料、紹介料など全てを含む。
平均成約賃料
成約単価とは別に賃料を指標とした数値。
平均成約賃料と上記の成約単価を見比べ打ち手を考えることも重要だ。
反響成約率
純粋に反響から成約に至っている割合を示す数値。
この数値を上げるためには上記の「反響返信率」や「反響接客率」、「接客申込率」をどのように上げていくかが重要となる。
まとめ
若干の呼び方の違いはあれど、以上がおおよその指標である。
ちなみに賃貸管理業では、「稼働率」や「退去〜申込日数」、「滞納率」などの指標を基に事業を進めていく。
これも機会があれば紹介してみたい。
また、このような指標をしっかり取っていくと、かなりの高確度で自社の賃貸仲介業務の課題を発見することができる。
是非、数値取りをして頂ければと思うが、このような指標を「誰が」「何で」「どのぐらいの頻度」で計測するのかが重要である。
本来は、SalesforceなどのCRM機能をカスタマイズするのが良いのだが、難しい場合はスプレッドシートでも構わない。
重要なところは、このような指標を「毎日、必ず」集計していくことだ。
そして最低でも月毎に見直すことができる体制を構築することが大切なポイントである。是非検討してみてほしい。
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