4月を迎え新しい季節がやってきた。
この1年はまさにコロナとの戦いの1年であり、不動産業界も様々なところで変化が生まれた1年だった。
大きく変化したところだとやはりリモート接客やオンライン内覧、またオンライン重説の普及であろう。
この一年の進化は、通常の業界の浸透スピードと比べても倍以上の進化をしたのではないかと感じる。
このような変化が激しい時代でも、新入社員は例年通り4月に入社してくる。
昨年はちょうど緊急事態宣言の真っ只中の時期、かなり新入社員研修および育成に苦労した不動産会社は多かったのではないだろうか?
今年はそういった意味では少し昨年と状況が異なる。
4月からの新入社員をどのように受け入れ、どのように育成するか、各社のそれぞれの対応が迫られるだろう。
ちなみに各社の今年度の新入社員の研修は、オンラインとオフラインの割合が3:7のようなイメージだ。
オフラインでのチームビルディングを重視した方法をベースにオンラインで業務の細かい研修を受ける、という方法が主流になっているようだ。
それぞれの良さを活かした方法であるだろう。
さて、このような新入社員の受け入れや研修などに関して、より効果的な研修内容や育成方法とはどのようなものだろうか?
今回は効果的な不動産会社の新入社員向けの研修、育成方法を紹介したい。
不動産会社で効果的な新入生社員教育とは?
1.最初に不動産事業の全体像を把握させる
たとえば仲介業務のロープレをいきなり実施したり、何の知識もないま飛び込み訪問をさせてもほとんど効果は薄い。
むしろ、今の時代は逆効果になる可能性の方が高い。
ハードな状況下で生き残った人間だけ残す、というやり方は時代に相反する方法である。
では、どのような方法が効果的だろうか?
私の経験上「不動産の全体の流れ」を把握するための研修や勉強会を実施する企業は、とても新入社員の成長のスピードが早いように感じる。
まず新入社員にとっては「不動産」そのものを理解している人自体が多くない。
ましてや、その事業の種類、収益構造などほとんど理解している人間はいないだろう。
そうした新入社員のために、まず「不動産の流れ」と「各事業の収益構造」を教える。
土地はどのように市場に流れ、どのように物件が建てられるのか、そしてその後どのように運営されるのか。
また、不動産の開発、そして仲介、管理はどのようなフローで進んでいくのか。
このあたりを細かく教えると、その後の業務理解度のスピードがいっきに高まる。
宅建を勉強したり、資格取得している新入社員は、不動産取引自体が理解ができるがはたしてそれが「どのように商売として成り立つのか」を理解できる人は少ない。
逆に、これらを最初の段階で理解できると業務の全体像が把握でき、理解スピードも高まっていく。
2.「契約業務」を優先して教える
大半の不動産仲介会社はまずは問い合わせの確保のために、たとえばポータルサイトの入力やその他の物件入稿作業などを教えるケースが多い。
また、売買仲介だと地理感を得るためにポスティングなどをさせるケースも多いかと思う。
しかし、その前にまず契約の業務や流れを教育したほうが効果は高い。
不動産会社の新入生の不安は、「問い合わせが来て、その後どのように契約まで流れるのかわからない」、また「契約や決済に関して聞かれると答えようがなく不安になる」というところが大半を占める。
まず、賃貸であれば契約業務の研修や契約の同席などを積極的に行ったほうが良いだろう。
最初の段階でしっかりと契約業務を理解しておけば営業の「出口」もしっかり伝えることができ、成約も取りやすくなる。
そこまで長い時間をかけなくても良いが、このあたりをしっかりと教えておくことも重要だ。
3.「どこに」「何が」あるかを理解させる
新入生であれ、中途社員であれ、入社後「どこに」「何が」あるのかを理解できず、業務時間の大半を「探す」作業に当てられると言われている。
けっして事務所のゴミ置き場の場所やキッチンの場所、掃除用具の場所だけ教えることではない。
データの置き場所、ファイルの場所と種類、使うツールの一覧、使用するサイトなども含めて「どこに」「何が」あるかを理解させる。
これにより、新入生の「探す」業務は大幅に削減され、営業育成などの時間に充てることができる。
また、このデータの格納場所、利用するツールを理解することで会社の事業全体像を図ることができる。
我々のようなコンサルタントでも、その企業ツールを理解したりデータ格納場所から諸々のデータ種類を把握することが、会社を理解するために手っ取り早い方法である。
それと同様の意味合いがあるように感じる。
4.スキル向上は、「書かせる」こと
従来ビジネスマナー研修、そしてビジネスコミュニケーション向上には欠かせない営業研修は、多くの企業で実施をしていると思うが、この「書かせる」訓練はそこまで実施していない。
これからの時代、相対のコミニュケーションと同時に伝える文章力をいかに「早く」「正確に」「興味を持たせる」ように伝えるかがとても重要になる。
ご周知のように仲介業では電話反響よりも、メール反響、チャット対応が主流になっている。
メール返信やチャット対応が遅い新人がよく見られるが、彼らはけっしてサボっているわけではない。
単純に「どう返信したら良いかわからず、悩んでいる」ケースが大半だ。
そのために細かくメール反響、チャット対応の添削を行う。
また機会があれば、業務報告の提出(たとえば400字などと、字数制限をさせる)と、添削を行う。
とにかくたくさん「書かせて」添削するような仕組みを作ると、こちらも成長スピードが一気に高まる。
ここ近年で不動産業界のみならず、世の中の働き方は大きく変化した。
これからの育成方法も従来通りというわけにはいかない。
是非いろいろと試してみてほしい。
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