リモートワークで賃貸仲介業を進化させるポイント

コロナの感染者が増加し、なかなかやきもきしている人も多い昨今である。

都心には人が多く往来しているが、やはり世の中の雰囲気がすっきりしないのは否めないだろう。

いっぽうで不動産業界においては、この数年で大きくDX化が進化したような印象を受ける。

特に賃貸業界では空室確認や内見手配、申込手続きなどはかなりWEB上で完結できるようになった。
これはコロナ禍という外的要因も多少影響しているような気がしている。

では、賃貸仲介店舗はどうか。

表向きには店舗展開を行い、店舗で集客を行なっている仲介会社が今も変わらず主流だ。

しかし、実際の現場ではテクノロジーを駆使し、リモート対応で仲介業務を行なっている不動産会社も増加しているような印象を受ける。
少しずつこうした会社が不動産業界を変えていくだろう。

ちなみに私は店舗型の不動産仲介会社のご支援をすることもあれば、それと対極のテクノロジーを駆使した最先端の仲介業務を行なっている会社も微力ながらご支援させて頂いている。

今回はリモートワークを駆使して上手く仲介業務を行なっている企業の成功ポイントを紹介したいと思う。

店舗型ではなかなか生み出しにくい新しい仲介業務のマネジメント方法や運営方法のヒントが、このような企業には大きく隠されている。

是非、参考にして頂ければ幸いだ。

徹底的にチャットでの報連相を行う

とある会社では社内の定例打ち合わせ以外は全ての対応をチャットで行う。

社内電話は、究極的に言えば「禁止」の領域である。

なぜここまでするのか。

仲介業務は反響対応や内見手配から申込み、契約手続きなど、かなりチームで連携を取らなければいけない。

実際のところ、社内間の電話対応などで時間を取られてしまうことが多い。

この会社は反響対応から内見時の到着時間、そして管理会社からの伝言を「徹底的に」チャットに残す。

これにより、社内業務の見える化に成功した。

管理会社の伝言を伝えた、伝えていないなどの細かい問題はこれで完全に解消できた。

さらに、これにより自宅での勤務、リモートワークに完全に移行することもできた。

たしかにこうした連絡ツールを使う場合は「徹底して」ルール化を行うことが重要だ。

一番まずいケースは、対面と電話とチャットを併用してしまうことだ。

徹底的にチャット対応をするが、全員で「オンライン」で毎朝朝礼は行う

上記の会社は徹底してチャットツールを活用しているが、それでも毎朝定時にはメンバー全員がリモートで集まる。
それにより連絡の抜け漏れを防ぐことが目的だ。

また、数字の共有を行い目的の共有化も図る。
これも重要な要素だ。

リモートで確実に毎朝集まることによって、全員が数字に対する意識付けができるようになった。

今のご時世、オフライン(リアル)で全員が一箇所に集合するのは難しいものがある。

それがオンラインで朝会を行うことによって意識の共有を図ることができるようになった。

顧客とのコミュケーションルールを統一化させる。

リモートワークで上手く仲介事業を行なっている不動産会社は「社内」だけではなく、「ユーザー」とのコミニュケーションツールもルール化している。

たとえば、ユーザーには基本はチャット対応し、電話は極力控えるようにする。

勿論電話対応しないといけないケースもあるが、その際は必ず電話の内容を「チャットツール」に共有する。

結局のところ、いくら社内でWEB導入をしてもユーザーとの対応がアナログであれば本末転倒である。
さらにもっと突っ込んで言えば、ユーザー自身も今やチャットでの応対のほうが喜ばれる。

会計システムの活用

今や、クラウド型の会計システムは非常に安価で導入ができる。

とある企業では店舗にアカウントをそれぞれ導入し、これを使って請求処理、売上確認をしていた。

これにより店舗の収支が簡単に把握でき、さらに未入金や未計上の案件などもわかるようになる。

実際のところ、月末になるとこの仲介業務の案件確認作業に膨大な時間を要する企業も多いはずだ。

エクセルなどの数値管理だとどうしても抜け漏れが多い。

さらに、本格的な会計システムだと高額になる。

しかし、ライトな会計システムを店舗に付与すことで、一気に経理業務が見える化することができる。

これもリモート化を推進する大きなポイントだ。

とはいえ、まだ課題は多くあり。。

以上のようなことをルール化した小さな会社、スタートアップの会社は、リモートでの仲介業務を軌道に乗せ始めている。

やはりこれは思いきりの良さが重要なのだろう。

しかし、そうはいっても仲介業務を完全にフルリモート化するのにはまだまだ多くの課題がある。

契約書類は相変わらず郵送で仲介会社に送られてくるし、鍵の引き渡しをどのように行うのかという問題もある。

そう考えると誰も出社しなくても良いような体制というのは現実的に不可能な部分もある。
しかし、それでもこのような業務改善を推進していくことは大きな生産性の向上になっていくだろう。

将来的には(今も少しずつだが)契約は電子契約。

鍵はスマートキーのような時代は必ず来る。

このような変化に対応できる仲介会社だけが将来的には生き残っていくだろう。

是非、参考にしてほしい。

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