賃貸仲介業における反響来店率の平均値はどれぐらいなのか?

賃貸仲介業務を行ううえで何よりも重要なのは、問い合わせの数、所謂、反響数である。

問い合わせが来てナンボの世界、ということを理解することがこの業務を推進する大前提である。

では、各社の反響来店率はどれぐらいなのだろう?

実際日本全国の不動産賃貸仲介業務を行なっている不動産会社にヒアリングしてみて、平均値を算出しても面白いかもしれないが、なかなかこうした正確な数値を把握することは難しい。

なによりも「前提条件」が違いすぎるのだ。

今回はその前提条件を少し纏めてみて、さらに反響来店率の向上方法を紹介したい。

ちなみによく言われる反響来店率のひとつの基準値は30%だと言われている。

10名の問い合わせが来たらそのうちに3名が来店、接客するということだ。

これが「最低ライン」として見るのか「目指すべきライン」として見るのかも各社異なってくる。

賃貸仲介業における反響来店率の平均値はどれぐらいなのか?

物件の掲載内容で、反響来店率は大きく異なる。

反響来店率の指標を見る前提条件として「反響物件の掲載内容」によって大きく数値は異なる。

たとえば、自社物件を掲載し、他社が同物件をポータルサイトに掲載することを「不可」としている場合、通常よりも反響来店率は大きく向上する。

自社のみで掲載すると、当然ユーザーは「その掲載している不動産会社で紹介を受けざるを得なくなる」。

これは来店率向上の大きなポイントになるだろう。

とはいえ、全ての物件を「広告非掲載」すれば良いのかと言われれば決してそうではない。

リーシングの観点から考えると、なるべく他社への紹介を促進したほうが良いケースもある。

反響来店率だけで判断できない部分もあることを理解しなければならない。

掲載媒体によっても反響来店率は大きく異なる

某ポータルサイトでは反響来店率は高いが、別の某ポータルサイトでは反響来店率は低い。

こういった現象もよく見られる。

ポータルサイトとしてもこの反響来店率の指標を上げなければ「サイトの信頼性」は向上しない。

しかし、なかなかこの「反響来店率」の数値をサイト側から向上させることは難しいのだ。

ちなみに、この反響来店率が高いサイトとそうではないサイトの違いは何だろう。
ひとつはそのサイトの「想起率」(不動産サイトと言えば?と質問され、パッと思い付くサイトかどうか)が重要だと言われる。
またそのサイト自体の動線も重要だろう。

CMなどに投入する広告費にも左右されるし、いずれにしても反響数を増加させながら、さらに確度の高いユーザーを不動産会社を送客するのはポータルサイト側としてもかなり至難の技なのだ。

また、ポータルサイトではなく自社のサイトの反響来店率は、ポータルサイト掲載に比べて反響来店率は高いと言われる。

特に、特定のサービスに特化したサイトなどは非常に高い反響来店率を叩き出している例が多い。

エリアによっても来店率は異なる

たとえば不動産会社が少ない郊外のエリアなどは反響来店率が高い。

いっぽうで、都心の反響来店率は高くはない。

これは単純に競争率によるところが大きいだろう。

ちなみに、都心ターミナルで反響来店率が35%を超えている仲介会社はかなりハイレベルである。

しかも自社管理物件ではなく他社管理物件の掲載のみで35%を超えているとなると、相当な技術を持っている会社であることは間違いない。

募集賃料によっても反響来店率が異なる

あくまで一般的な話になってしまうが、賃料が安い物件のほうが反響来店率は高く、賃料が高くなっていけばいくほど、反響来店率は低くなると言われている。

当然全てがそうだとは言えないが、賃料が高くなればなるほど検討事項が増えていくのはなんとなく理解できるかもしれない。

分母が増えれば増えるほど反響来店率は反比例する

これも統計的には常識かもしれないが、分母が増えれば増えるほどそのパーセンテージは減っていく。

野球の打率と同じである。

たとえば、月に30本程度の反響を獲得する不動産会社と、300本程度の反響を獲得している不動産会社だと、同じ反響来店率の数値感覚で語ることはできない。

以上のような「変数要素」と言われるものにより各社大きく反響来店率は異なる。

一度、自社の環境や掲載サイトなどを整理をして、数値を取っていくのが良いだろう。

あくまで「30%」はひとつの基準である。

さまざまなプラス要因があると「30%」は最低でも達成しなければならない数値であるし、逆にマイナス要因が多いと「30%」は目指すべき数値になる。

反響来店率を上げるシンプルなコツ

では、総じて反響来店率を上げるにはどうしたら良いか。

また細いところは別の機会で語るとするが、とてもシンプルで確実な対策は2点である。

ひとつはレスポンスのスピードである。

反響来店率が高い不動産会社のレスポンスは、普通の不動産会社と比べて突出して早い。

当然だが、問い合わせからの対応時間が遅いとなると、ユーザーは他の不動産会社に浮気をしてしまう。
このシンプルな「即レス」をどれだけ徹底できるのかが鍵となるのだ。

また、もうひとつの秘訣は追客である。

「返信がないと、放置」ではどう考えても反響来店率は向上しない。

自動追客システムであれ、自力の追客であれ、顧客をしっかりフォローしなければ確実に反響来店率は上がらない。

以上のような取り組みが反響来店率向上の基本的な取り組み方法である。

極めてシンプルだが、この2点を徹底できている会社は多くはない。

凡事徹底をして、質を向上していくしか方法はないのだ。

自社の特色を見極め反響来店率の目標をセットし、その後はシンプルに対策を打っていく。

これが王道のパターンである。

是非、一度反響来店率について自社内で深掘りしてみても良いかもしれない。

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