仲介業務の各種業務支援ツールをフルスペックで導入すると、どこまで売上は増加するのか。

仲介会社の事業責任者のかたとお話しした際に、よく話題にのぼる事柄がある。

それは「〇〇という業務にとても時間を取られている」という話題だ。

物件のピックアップに時間がかかってしまう。

入力に時間がかかる。

反響対応や物件提案に時間がかかる。

内見に行くと、工数が一気に足りなくなる。

契約手続きに時間が取られてしまう、などなど様々だ。

興味深いのはこのような各社の時間が取られてしまう業務は決して共通点があるわけではなく、個社によって課題となる業務が異なっているということだ。

とある仲介会社では、物件入力に多くの時間を割いてしまっていた。

いっぽうでとある企業では、メールやチャットでの物件提案に時間がかかってしまっていた。

このようにけっして共通の課題があるわけではなく、個社によって課題が異なっている。

少し前まで仲介業務はかなりハードな仕事と認識されていた。

勿論、現在もそうした要素は少なからずあるだろう。

たとえば確度の高いユーザーからの返信には、勤務時間に関わらず返信をしたいのは、ある意味、仲介に従事するものの性分かもしれない。

しかし、最近は様々な業務支援ツールが開発され大きく仲介業務は変化してきている。

特に、この数年はコロナなどもあり一気にそれが加速しているような印象だ。

では、現在において仲介業務自体をどこまで自動化、効率化することができるだろうか。

今回は一連の仲介業務における「自動化」についてまとめてみた。

まず、開業時に必要な企業のホームページについて考えてみたい。

このコラムを読んで頂いている仲介会社様であれば、ほとんどのかたが理解されているかと思うが、今はホームページはラクに立ち上げることができる。

立ち上げるだけではなく、各ポータルサイトや基幹システムと連動し、物件掲載に関してもほぼ自動で入稿処理ができる。

勿論、SEOなどを効かせようと思うとそれなりのマーケティングスキルが必要になるが、とにかく物件情報が載っているホームページを立ち上げる、という作業だけであればかなり楽に立ち上げることができる。

物件入稿も自動で入稿できるようになっている。

少し前まではコンバーターを使って様々なサイトに掲載していたことが一般的だったが、今は自動入稿システムと絡ませて効率的に入稿ができるようになっている。

また反響獲得率が高い物件も自動的に判別できるようなシステムがあり、これも非常に手間を省けることができる。

さらに都心では物件写真の提供サービスや撮影サービスなどもあり、物件写真撮影などの工数でさえも減らすことができるようになっている。

反響対応に関してはLINE等を使った自動返信対応システム、返信のテンプレートを使えば、スタッフが張り付いて一字一句まで返信していく必要はない。

勿論細かいところの対応は今も人の手は必要になるが、それでも相当数の業務は減らすことができるかと思う。

また、追客も自動マッチング機能があり、ユーザーが希望条件を入力すると自動的に物件提案ができるようになっている。

このように各種サービスのリリース、発達により今やかなりの仲介業務が自動化できるようになっている。

では、こうしたサービスを全て導入すれば売上をアップすることができるだろうか。

あくまで個人的な考えだが、けっして確実に売上が上がるわけではないと感じる。

工数は諸々かなり削減できるが、全てのツールを導入しても売上が倍になるわけではない。

重要なことは「空いている工数で何をするか」ではないだろうか。

たとえば、専任物件を獲得するためにオーナー営業を行う。

個々人の営業スキルを伸ばす。

こうした細かい「ツールでは解決できないもの」に注力をしていくことが最善の策なのかもしれない。

また、他社との違いを打ち出すことも重要である。

SNSを使って地域性を打ち出したりなどして、新しい顧客獲得の為の施策をいろいろと打っていかなければ、会社独自の色は出せないだろう。

会社独自の色を出し、新しい顧客を獲得し、かつ自動化できるような仕組みを会社に導入してけば、その仲介会社はかなり強くなることができるはずだ。

コストとの兼ね合いはあるが、諸々の業務支援ツールを検討しいろいろと試してみても良いかもしれない。

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