おそらく今期の繁忙期は、かなり対面で接客する不動産会社様が増加するだろう。
数年前からかなりオンラインでの紹介、オンラインの内見が一般化されてきたが、今期はリアルな紹介とオンラインの紹介のハイブリッドな紹介が主流になりそうだ。
ところで最近、仲介会社様とお話しをした際によく自社の営業力の低下について話題にのぼることがある。
コロナ渦の前まではロープレや営業研修などを積極的に実施されていた不動産会社様が多かったが、コロナ渦になりこうした営業スキル向上の社内対策は一気に減少した。
致し方のない部分もあるが、こうした成約率向上の施策を実施しないとやはり徐々に成約率は低下していく。
改めて対面での接客術を向上させる対策を打ってみても良いかもしれない。
そこで今回は、対面時に重要なユーザーのヒアリングポイントを紹介してみたい。
よく言われることだが、不動産営業のキモは「ヒアリング技術」である。
どれだけ上手くヒアリングすることができるかということは、売上に大きく影響してくる。
是非参考にして頂ければ幸いだ。
基本は、「ヒアリングに徹する」こと
ユーザーが来店したところから、受付および希望条件のヒアリングが始まる。
ここで一番重要なことは「聞く」に徹するということだ。
相場から乖離した希望賃料であれ、設備であれ、とにかく吞み込んで「聞く」。
ひとつひとつの要望に意見を出してしまうと、それだけでユーザーの心理は離れていく。
たとえば、ヒアリング途中に市況感や相場を伝えてしまうと、ユーザーとしては少し気後れしてしまう。
ごく当たり前のことのように感じるかもしれないが、実際は「ヒアリングに徹する」ことはかなり難しい。
仲介営業として「口を挟みたくなる」というのが本音だろう。
しかしグッと堪えて条件を聞くことをしなければいけない。
ユーザーの「基準」を確認する
「広い部屋」というと、どんなイメージだろうか?
8帖ぐらいの部屋が広いと感じるかたもいれば、6帖でも広いと認識するかたもいるかもしれない。
また、「勤務地に通いやすい物件」は、どれぐらい距離が離れている物件を指すのだろうか?
勤務地まで歩いて10分程度だろうか?電車で30分程度だろうか?door to doorで1時間程度だろうか?
これも人によって基準がバラバラだ。
このようにそれぞれの人によって、それぞれの「基準」は異なる。
ヒアリングするうえで重要なポイントはユーザーの「基準」を把握することである。
営業メンバーがいくら「広い」と思っていても、ユーザーからすると「狭い」と感じてしまったのならまずお申込みはしない。
「基準」の目線合わせとして必要な項目は以下である。
・部屋の広さ
・綺麗さ
・勤務地までの時間
・防犯性
検索項目にはない「こだわり」をヒアリングする
内廊下の希望や物件最寄り駅のコンビニ店舗のこだわりや居室内の梁の少なさ、収納の容など、なかなか検索サイトでは検索できないこだわりの希望条件というものをユーザーが持っているケースが多い。
こうした「サイト上にはないこだわりポイント」をヒアリングすることもとても重要だ。
引き出し方としては、「問い合わせをした物件のどのポイントが気になった」のかを細かくヒアリングすることだ。
ヒアリングを進めるうちに、今まで顕在化されていなかった好みを把握することができる。
こうしたヒアリングを怠ってしまうと、成約率はなかなか向上していかない。
絶対にしっかり聞かなければいけない「引っ越し理由」と「入居時期」
「現在、お住いの物件の契約時期が差し迫っている」
こうした引っ越し理由で問い合わせをするユーザーが多いが、はたして「その部屋に不満はないのか」、そして「更新の決定時期はいつなのか」なども不動産会社としてヒアリングしなければならない。
また入居時期も、かなり具体的にヒアリングしなければいけない。
「なんとなく2ケ月以内」だと、やはりズルズル探し続ける羽目になってしまう。
良い物件が見つかったら引っ越しが可能なのか、それともやはり期限の決まった時期に引っ越しをするのか。
このあたりを聞かなければなかなか営業戦略は立てられないだろう。
ユーザーのためにも、このあたりのポイントを抑えてヒアリングをしなければならない。
優先順位の確定
これはよく言われていることだが、ユーザーの優先順位もしっかりヒアリングしておくことだ。
賃料重視なのか、エリア重視なのか、こだわりの譲れない条件が最優先なのか。
希望をすべて満たす物件が出てくれば良いが、現実的にそうした物件はなかなか出てこない。
順位付けをしっかりしないと、これも先に述べたようにズルズルとユーザーが部屋探しをしてしまうことになりかねない。
以上のようなポイントをしっかり押さえながら、是非ヒアリングしてみてほしい。
成約率向上の大きなポイントになるので、新人のメンバーに徹底するように指導してみても良いかもしれない。
またこうしたヒアリングをするうえで絶対に忘れてはならないことは、「尋問のようにヒアリングすること」である。
詰問するように商談を進めると、ユーザーの心は離れてしまう。
あくまで「楽しい雰囲気」を作り出し、「話したい空気」を作ることを不動産のスタッフとして忘れてはいけない。
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