2月から3月にかけての繁忙期は、多くの仲介会社の業務がパンク状態になる。
特にこの時期は反響が増大し、顧客対応に追われ、まさに目が回るような状況だ。
一方、管理会社は管理会社でこちらも諸々の業務で忙殺されている。
空室確認や内見対応、さらに申込手続きや契約書類の準備など、細かい業務のひとつひとつの数が増大していく。
また契約業務だけではなく、それに比例して退去精算の数もこの時期に一気に増加する。
退去後の原状回復の手配や敷金精算業務も、当然のことながら案件数が増加するとかなり工数を取られる。
いずれにしても仲介会社も管理会社も、この時期はとにかく忙しいことは間違いない。
この時期の仲介会社は、多くの顧客対応をしなければいけないので、効率的に業務を回さなければならない。
特に土日の対応などは、内見終了時間が少しズレるだけでもその後の業務に影響を与えてしまう。
そんな繁忙期に対して仲介会社としては、「仕事のやりやすい管理会社」を意識的にも無意識的にも選択してしまう。
対応が悪かったり、管理会社からの依頼が属人的な場合だとどうしても敬遠してしまう。
単純に、この時期の仲介会社の業務はスピードが重要になってくるのだ。
繁忙期に業務に滞りを生みたくないというのが仲介側の本音だろう。
実際に仲介の現場で、特定の管理会社を意識的に紹介するケースを多く見てきた。
広告料云々ではなく、あくまで「管理会社の対応」などを理由として、紹介する物件を決める。
繰り返すが、仲介会社としてはあくまで業務効率化の側面で管理会社を絞る、というところがあるだろう。
いっぽうでこの時期は特に、管理会社も同様に「よく申込を入れてくれて」、かつ「キャンセルも少なく、コミュニケーションもスムーズ」な仲介会社を優遇する。
特にリーシング営業などでは、こうした仲介会社への営業を強化するだろう。
まさに持ちつ持たれつの関係なのだ。
今回は、仲介会社から見て「紹介しやすい管理会社の特徴」をまとめてみた。
古今東西様々なリーシング対策があるが、管理会社(元付)としては、この仲介会社へのアピールも非常に重要なリーシング対策である。
是非参考にしてほしい。
図面が見やすい
当然のことながら、物件紹介をする際に仲介会社はユーザーに図面を渡す。
その図面の印象が悪いと、なにげにユーザーに敬遠されてしまう。
間取りが大きく掲載されており、しっかりとアピールポイントの文字を大きくしている図面は非常に紹介がしやすい。
また紙の形が縦型ではなく、横型のもの、そして図面下に帯があるものも好まれる。
一番困ってしまうのは「文字が小さくて読めない」「間取りが見えずらい」などだ。
細かいところだが、実際には図面の見やすさは意外と紹介に影響があるのだ。
リアルタイムでの空室確認ができることと、その整合性(システム面での提供)
多くの管理会社が現在は自社の業者間サイト、もしくは基幹システムを使ってオンラインで空室確認ができるようになっている。
電話での空室確認は、この数年でかなり仲介会社から敬遠されている印象だ。
物件数の多い管理会社は多数が導入していると思うが、もしいまだに電話での空室確認対応を実施している管理会社のかたは、是非システム導入を検討してみてほしい。
また、実際にシステムからの空室確認が可能になったとしても、そのシステムの更新を怠ってしまうとトラブルの種になる。
管理会社の業者間サイトを見て空室確認をして紹介したが、実際にはシステムの更新がされていなく部屋が埋まってしまっていた、なんていうケースも多々ある。
このあたりも改めて検証してみてほしい。
初期費用の明確化と細かい項目の正確性
先に述べた図面記載事項にも該当するが、サイト上や図面に保証会社の費用や初期費用をしっかり記載することも重要だ。
また駐車場、バイク置き場の有無、そして料金などもしっかりと掲載するとかなり紹介が楽になる。
特に駐車場の空きが「要確認」と記載されている場合に、管理会社に確認をしたが「担当者不在のため不明」と言われてしまったために紹介対象から外すこともある。
内見現地対応になっているか否か
物件の鍵が現地対応か否かも非常に重要なポイントだ。
鍵を取りに行く近隣の不動産会社が定休日だったり、さらに物件から離れた場所での鍵取りだとそれだけで紹介対象から外れてしまう。
また内見手配が基幹システムからできる場合もかなり助かる。
管理会社の営業時間を待ってから内見手配をしてしまうと、アポイントが崩れる可能性が高くなるためだ。
担当者との連絡頻度
これは仲介会社側もそうだが、担当者が不在や休みでなかなか状況が掴めない場合だと契約手続きを進めることが難しくなってしまう。
チャットなどのシステムで代替対応ができていれば良いが、担当者が引継ぎをしていなく、いたずらに手続き期間が伸びることも多々ある。(こうしたことは仲介会社側も多分にある)
双方上手く不在や休暇の時にメンバーに申し送りができれば、かなりやり取りはスムーズになるだろう。
逆にこの辺りのやり取りがスムーズな管理会社は仲介会社にとても受けがいい。
原状復帰後の内見
これは管理会社各社の個別ルールなのかもしれないが、「部屋の申込み」が入ってから原状復帰工事を行う管理会社もある。
ただ、やはり退去後の部屋だと正直なかなか申込が取りづらい。
費用面やルール面もあると思うが、退去後原状復帰を行い、内見可能な部屋にしたほうが成約率も高まるだろう。
以上のように細かい業務面のポイントが多いが、しっかりと改善を行えば仲介会社も紹介しやすくなるし、またひとつの大きなリーシング対策にもなりえる。
この繁忙期、仲介会社が紹介できるようなフローを整えてしまえば今後の稼働率改善にも繋がるので、是非、管理会社の皆様は自社内の対仲介会社の取り組みを見直してみてほしい。
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