とある賃貸仲介会社の社員のスタッフが別の会社に転職した場合、その転職先の営業成績が一変することがある。
今まで売上数字を作れなかったスタッフが急に覚醒し、高い売上数字を叩きだすこともあればその逆もしかりだ。
もちろん企業文化のフィット具合や営業手法の変更により、大きく変わる部分もあるが、意外と他の理由があるのではと個人的に感じる。
それは「顧客属性の変化」によるところが多分にあるのではないかというところだ。
たとえば、低単価の賃料帯をターゲットにしていた仲介会社のスタッフがいきなり高級賃貸専門の不動産会社に転職すると、前職よりも急激に売上が下がったりすることがある。
また一方でファミリー層の賃貸ユーザーをターゲットにしていた仲介会社のスタッフが、単身者向けの仲介会社に転職した際に急激に売上が増加することもある。
実際とある仲介会社の店舗では、ユーザー属性によって担当者を振り分けていた。
高額物件を希望するユーザーはAスタッフに、単身者はBスタッフにという具合にだ。
評価体制などをかなり細かく設計しないといけないが、それでもこの店舗は他のどの店舗に比べても良い成績だった。
私自身いろいろな仲介会社様の営業方法を聞いているが、会社ごとに営業手法が微妙に異なることに驚く。
特にそれは顧客属性によるところが多い。
単身者向けのユーザーへ向けた接客方法とファミリー物件のユーザーに向けた接客方法は、大筋は一緒なものの細かいところは微妙に異なるのだ。
今回は、ユーザー属性によっての細かい接客方法をお伝えしたい。
ほんの些細なことかもしれないが、是非接客の際参考にしてみてほしい。
年齢層が低めの単身者向けの接客術
賃貸ユーザーは圧倒的にこのユーザー属性が多い。
年齢層は20代前半ぐらいまでのユーザーだろうか。
こうしたユーザーは、初めてのお部屋探しのかたも多い。
こうしたユーザーに対してのポイントは、「言葉として情報量を多く伝えること」「親身になること」がポイントだ。
ロジックに淡々と冷静な状況を伝えると、どうしてもこうしたユーザーからすると、冷たく感じてしまう。
共通の話題で盛り上がることも非常に重要だ。
同時に、なるべくユーザーに対して「エリアの説明」や「物件の詳細」を「言葉として」多く伝えることがポイントだ。
不思議なものでこうした年齢が低めの単身者ユーザーを得意とするスタッフは、総じてお喋りなかたが多い。
転勤ユーザーの接客術
いっぽうで転勤者や転職する20代後半〜30代中盤のユーザーは、上記のやり方だとなかなか成約率は上がらない。
重要なポイントは、「比較対象を明確にして論理的に伝える」「ビジネスマナーを守り返信を早くする」というところだ。
ユーザーの希望エリアや相場を他のエリア相場と比較しながら論理的に説明する。
またユーザーとのやり取りも、ただ返信が早いだけではなくあくまで「ビジネスマナー」に則って対応する。
当たり前のことかもしれないが「お世話になります」「ご検討くださいませ」など、配慮をした文面を心がけることが重要だ。
また「期限を区切る」ということも重要だ。
特に急ぎのユーザーの場合は、引き渡しまでのスケジュールがタイトになってしまうことが多い。
おおよその契約スケジュールをしっかりと伝え、ある程度の期限を設定してやり取りを行う。
こうした対応が仕事で忙しいユーザーには受けが良い印象だ。
カップル、新婚ユーザーの接客術
単身者ユーザーの場合は「情報の発信」の方法が重要だが、カップル、新婚のユーザーに対しては何よりも「距離感」が重要だ。
ガツガツと営業を行うことは基本NGである。
より時間をかけてヒアリングし、しっかりと物件提供を行う。
そして内見の際は「口数が多くならない」ように注意する。
しっかりと見守りながら、適切なタイミングでクロージングを行うことが重要だ。
これも不思議なところだが、カップルや新婚のユーザーが得意な営業メンバーは口数が割と少ないタイプが多い。
けっして偶然ではなく、二人入居の希望者はあまりガツガツと営業されたくないのが実情なのかもしれない。
(とはいえ、追客などはしっかり行う必要はあるが)
高級物件検討ユーザー
高級物件の検討ユーザーに対する営業は、上記の内容のどれとも異なる。
何といっても「徹底した気遣い」と「スピード感」、そして「物件の知識量」がモノをいう。
富裕層はしっかりとアテンドされるのが、彼らのなかでは常識である。
少しでもいい加減な対応だったり、上から目線で話すと一気に担当から離れる。
かなり細かい気遣いができることが重要だ。
またこうした富裕層は、かなりエリアや物件を限定して探している。
このあたりの物件知識量もとても重要だ。
しっかりと情報をカバーして、接客時、質問されたときにスグに答えることを心がけなければいけない。
あくまで今回は、4パターンに絞っての接客ポイントを紹介したが、実際は、ユーザーの「性格」や「生活条件」など細かく分類されるだろう。
ヒアリングや物件提案などの基礎的な接客スキルを身に付けたあとは、こうした細かいユーザー対応が売上の成否を握る。
是非自社でも顧客分類を行い、その対応方法を見直してみてもよいかもしれない。
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