繁忙期前のせいか、この時期は営業研修のご依頼を頂く機会が多い。
コロナ前までは、こうした繁忙期前の研修はひとつの恒例事業みたいなものになっていたが、コロナ禍になりこうした傾向はなくなっていた。
しかし、昨年頃から、再度繁忙期前の研修のご要望を頂く機会が増えてきた。
おそらく、リアルでの来客対応や接客機会が圧倒的に増えたことが理由のひとつなのだろう。
またこの数年、こうした「リアル接客」に対して、あまり学ぶ機会のなかった若手社員のかたがたが増えているのも、もうひとつの理由かもしれない。
ちなみに、こうした研修を実施した際にかなり多くの質問を頂くのが「アポの取り方」である。
接客技術も重要だが、それと同じぐらいアポを取る、所謂、返信率、接客率を上げることも重要だ。
反響を増加させても、当然のことながらアポが組めなければ売上は上がらない。
今回は、繁忙期前に簡単に対応できる返信率の向上およびアポ率の向上方法を紹介する。
返信の基本は「質問で返す」
アポを組む際に、何よりも重要なことはユーザーとのコミニュケーションの活性化だ。
当然のことながら、ユーザーからリアクションがなければ話は前に進まない。
よくあるのが、仲介会社側から「ご検討ください」で文章を締めてしまうパターンだ。
そうすると、ユーザーからすると「検討したうえで、連絡する」というステップになってしまう。
「気になるポイントは、ございますでしょうか?」などと、ユーザーが返信しやすい内容の質問で返信することが重要だ。
特に返信率を上げるという意味では、仲介業以外でも様々なシーンで使えるテクニックである。
アポイントの具体的な日時を提示する
アポイントを組む際に、ユーザーに対して「ご希望の日時をご教示ください」という返信をする仲介会社が多い。
もちろん、来店やアポイントを組む際にこうしたアプローチが間違っているわけではない。
しかし、より確度の高い内容を考えると別のアプローチ方法がある。
それは「なるべく具体的な日程をこちらから提案する」という方法だ。
たとえば「今週末のご予定はいかがでしょうか?」や「来週でご都合の良い日程はございますでしょうか?」のように、より具体的な日程を提案することがそうである。
とはいえあまりにも具体的すぎると、逆にアポイントが組めなくなってしまうので注意が必要だ。
「今週末の土曜日の13時はいかがでしょうか?」という内容だと、少し無理強いしているような印象を受けてしまう。
このあたりのさじ加減が難しいところだが、上手くユーザーに提案するとアポ率はぐっと上がる。
実際に、具体的なアプローチ方法に変えることで大きくアポ率を向上させた仲介会社も存在している。
来店時、内見時の「内容」を事前に共有する
多くの仲介会社のかたが見落としがちなのだが、多くのユーザーは不動産会社に来店する際に「店舗や現地でどのように紹介され、所用時間がどれぐらいかかるのか」を知らない。
とても簡単なことだが、来店や内見時のこうした内容を案内するだけでアポ率が改善することもあるようだ。
具体的には、「ご来店時はお問い合わせ物件の詳細の説明、同条件の物件のご紹介を行い、物件をご案内致します。所要時間は〇︎時間程度頂きます」このあたりをアポイント打診の文面に入れてみても良いかもしれない。
ポータルサイトの店舗情報やメール署名欄などの見直し
今は多くのユーザーが、来店前にその不動産会社の情報を仕入れて来店をする。
仮にユーザーが不動産会社の店舗情報を調べると、殆どその情報が無かった場合、不安に覚える可能性が高い。
また、すぐには改善できないが不動産会社のGoogle口コミなどを見るユーザーも多い。
こうしたネット上の店舗情報を充実させることも重要だ。
また、メールの署名欄なども充実させておいた方が良いだろう。
どうしても返信方法のテクニック的な部分の向上に走ってしまいがちになるが、よりベースな部分での改善も実施した方が良いだろう。
アポイント前の事前挨拶
このコラムでも何度か紹介しているが、アポを組んだ後にユーザーにご挨拶程度に10分程度だけ電話やオンラインで会話をする。
その際に、希望条件の整理もできるし当日の予定の共有もできる。
勿論、こうした事前のご挨拶をお断りされるケースもあるが、大半のユーザーはしっかりと対応してくれる印象だ。
実際に、この事前の簡単な打ち合わせを実行すると、アポイントのドタキャンはかなり防止できる。
賃貸仲介業では、この「当日キャンセル」に頭を悩ませている仲介店舗も多いかと思う。
しかし、この事前の打ち合わせをすると、こうした悩みは殆ど無くなるような印象だ。
実際に、ドタキャンが多く土日に多くの機会損失が発生していた仲介店舗が、この「事前打ち合わせ」の取り組みを導入しアポキャンが大幅に減ったというケースもある。
以上である。
反響は増えながらもなかなかアポイントが組めない、または営業力には自信があるものの、アポイントがなく困っている仲介会社様は是非参考にしてみてほしい。
どれもすぐに実施できるところなので、繁忙期前の準備として試してみても良いかもしれない。
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