成約率が高まる「問い合わせ物件の見極め力」とは?

多くの仲介会社や仲介店舗では「反響成約率」という指標を追っている。

これは、少しでも仲介事業に従事したことのある人ならよくご存知の数値だ。

所謂、問い合わせしたユーザーのうち何%のユーザーが成約したか、という指標である。

興味深いところは、この数値が仲介会社によって大きく差があるということだ。

反響成約率の高いところだと、なかには30%以上の仲介会社も存在している。

いっぽうで5%程度の会社があることも事実だ。

私の感覚的には10%あたりが平均的なところだろうか。

膨大な反響数を獲得している不動産会社だと、反響成約率は必然的に低くなる。

逆に、反響数が少ないところだと反響成約率が高くなる。

これは単純に分母の問題もあるだろう。

また、多くの管理物件を管理しながら仲介業務に力を入れている仲介会社は成約率が高い。

これは広告掲載物件の希少性が理由となっている。

いずれにしても、反響成約率の数値は仲介会社が必ず追っていかなければいけない数値だ。

そのためには質の高い反響獲得と、質の高い営業力が必要になってくる。

質の高い反響とは?

星5つ,ビジネスマン

反響成約率を高めるためには、質の高い反響を獲得したほうが良いと言われる。

では、質の高い反響とはどういう反響なのかと言われれば以下のような反響になるだろう。

  1. 他社が掲載していない自社独自(ユニーク)の物件からの反響
  2. ユーザーの希望条件とマッチしているために、ユーザーの期待値が高い物件からの反響

この2つになるだろう。

上記2つのいずれか、もしくは両方に該当する反響は反響成約率が高い印象だ。

こうした質の高い反響を獲得するためには、管理物件の獲得や物件掲載情報の充実など、さまざまな対策を打っていかなければならない。

また、このような質の高い反響を獲得することと同時に「質の高い営業」も実践していかなければいけない。

その質の高い営業のなかでも、特に反響成約率向上のために重要なことが「問い合わせ物件の見極め力」である。

とあるユーザーは問い合わせをした物件に対して「もうここで申込みをしよう」と思って問い合わせを行う。

また、とあるユーザーはなんとなく物件を探し始めたので「参考程度に見てみよう」と問い合わせを行う。

さらに別のユーザーは、候補物件は既に見繕ってあるものの最終決断ができずに、他の同条件物件を内見するために問い合わせを行う。

いずれのユーザーも同じ「物件問い合わせ」という行為だが、ユーザーの問い合わせした物件への熱量はそれぞれ全く異なるのだ。

よく仲介営業で重要なポイントとして「ヒアリング力」が重要なポイントだと言われている。

たしかに、ユーザーのニーズをしっかり引き出しヒアリングを行うことは何よりも重要なことだ。

しかし、ユーザーの希望条件を引き出すことと同じぐらい「問い合わせ物件の熱量」を把握することも重要である。

その理由としては、問い合わせ物件の熱量によってクロージングのタイミングが大きく異なるからだ。

このような熱量を見極めるためには、ヒアリング時にユーザーに対して「何故、その物件に問い合わせをしたのか?」、「問い合わせした物件の懸念点はないか?」「比較している物件はないか?」をヒアリングしなければいけない。

こうしたヒアリングをユーザーに実施することはハードルが高く感じるかもしれないが、しっかりとこうした内容を聞けていなければ良いヒアリングとは言えない。

それでは、こうしたユーザーの問い合わせ物件の熱量を把握したうえで、接客時にどのような対応をしていけば良いだろう?

まず、熱量の高いユーザーにはクロージングを早い段階で行うことがベストだ。

問い合わせした物件の懸念点がないようであれば、テストクロージングを行っていくのが良いだろう。

次に他の候補物件があるが、それでも念の為問い合わせを行ったユーザーには、ユーザーの候補物件と比較しながら営業を行っていく。

無理にクロージングをしようとしても、候補物件がユーザーの頭の中に残っている限り難しいだろう。

さらに、これから部屋探しを行うユーザーやまだ検討段階のユーザーなどの「問い合わせ物件の熱量が低い段階」のユーザーに対しては、問い合わせ物件を参考基準にしながら他の物件も同時に提案する。

内見も問い合わせ物件の他に、複数件の案内をした方が良いだろう。

このようにユーザーの「問い合わせをした物件の熱量の違い」によって、営業対応方法が大きく変わる。

営業成績の良い営業メンバーは、ひとえにこのあたりの判断と対応が良い印象だ。

逆になかなか数値が伸びない営業メンバーは、このあたりの見極めができていないかたが多いように感じる。

今回紹介した「問い合わせされた物件を見極めること」は、反響成約率を高めるうえで非常に重要なポイントである。

是非、繁忙期前に改めて自社の営業活動を見直してみても良いかもしれない。

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