思わぬトラブルを招くかも。賃貸物件の申込時に営業担当が気をつけておかなければいけないこと。

4月になり、新入社員が入社する仲介会社も多いだろう。

数週間の研修期間を終えると、接客デビューをする新人も多い。

新人にとって最初の数回の接客というものは、思いのほか緊張するものである。

なかなか思うように提案ができなかったり、伝えなければいけないことを伝えられなかったり、聞かなければいけないことを聞けなかったりするケースも多々ある。

とはいえ大半の新入社員は、接客の回数を重ねることで少しずつ慣れ始め申込みを獲得し始めるだろう。

営業メンバーによって成長のスピードは違えども、殆どの新入社員は「経験」をすることで業務に慣れてくる。

新人にとって、接客にも慣れ始め、申込みを獲得するようになった後にぶつかるのが、「思わぬトラブル」である。

申込みの段階で確認するべきことを失念したために、大きなトラブルになるケースがある。

ほんの些細な確認事項かもしれないが、それを怠ったことでキャンセルやクレームに発展してしまう。

こうしたことを防ぐために今回は、申込み時に営業担当が気をつけなければいけないポイントを紹介してみたい。

ちなみに今回紹介する確認ポイントは、新人のみならずベテランの営業メンバーも意外と失念しがちになるので改めて確認して頂ければ幸いだ。

駐輪場、駐車場の確認

物件を申込んだ後にトラブルになるケースとしてかなり多いのが、駐輪場、駐車場についてである。

まず駐輪場に関してはアパートなどで駐輪場自体が無い物件などもある。

内見時になんとなく共有廊下に雑然と並べている自転車を見て、「廊下に停めておけば大丈夫ですよ」と軽くユーザーに伝えたものの、入居後、共有部にある自転車を撤去されたり、廊下に駐輪しないように管理会社からユーザー注意を受けたりするケースが多々ある。

そうすると当然トラブルになってしまう。

また駐輪場があるものの、台数が既に一杯で自転車に貼るシール、ステッカーが貰えないケースなどもある。

こうしたことは分譲賃貸マンションの場合にたまに発生する。

また駐車場に関しては、空きの有無での確認ミスでトラブルになる可能性がある。

内見前は駐車場に空きがあったが、実際申し込み時には駐車場の空きがないケースなどがある。

これも分譲賃貸マンションの場合によくあることだ。

専有部の管理会社と建物の管理会社が違う場合は、確認に時間がかかってしまったり、確認ミスが発生することも多い。

また駐車場のトラブルで多いのが、車のサイズの問題である。

特に機械式の駐車場は、幅の制限、重量の制限などがある。

ユーザーの車種を確認せず、部屋と同時に駐車場の契約を進めてしまい、契約時に駐車できないことが判明してしまうと大きなトラブルになる。

駐輪場、駐車場は、いずれも申込み時にしっかりと確認する必要があるだろう。

エアコンなどの残置物の確認

これもファミリータイプの分譲賃貸マンションで多いケースだが、ユーザーは内見時に設置されてあったエアコンを入居後、そのまま使用できると思っていたが、実際ユーザーが入居するとエアコンが管理会社により撤去されていて、トラブルになるケースである。

ファミリー物件では、最終的なエアコンの使用台数などは必ず確認したほうが良いだろう。

使えると思っていたエアコンが撤去されていた、というケースは意外に多い。

また逆のケースとして、照明器具の残置の問題もある。

照明器具を購入したが従前の照明器具が残置物として置いたままになっており、ユーザーの照明器具の購入が無駄になってしまいクレームに発展するケースもある。

単身者用の物件ではこうしたトラブルは少ないが、ファミリー物件、特に分譲賃貸の物件、戸建賃貸の物件では注意が必要だ。

原状復帰の範囲

前の入居者が退去し、原状復帰をする改装前の部屋をユーザーが内見するケースがある。

管理会社によっては原状復帰後の部屋を必ずユーザーに再度内見してもらって、申込みの意思を確認することを定めているケースもあるが、改装前の内見のみで契約手続きに移行するケースもある。

その場合、クロスの張り替え、床の張り替えなどを原状復帰するものとユーザーが思っていたが、実際は劣化具合やオーナーの判断で実施しない場合もある。

これもクレームになる可能性が高い。

また思いのほか全体的に原状復帰がなされていない場合も、ユーザーから指摘を受けることもある。

こうしたケースを防ぐために、仲介担当としては、しっかりと管理会社に原状復帰の範囲や内容などを事前に確認し、ユーザーに伝えておかなければいけない。

一番のNGのパターンは、確認しないまま「クロスは張り替えます、床も補修します」と返答してしまうことだ。

安易に伝えてしまったが故に入居後に大きなトラブルに発展するケースもある。

原状復帰前の物件の内見のみでユーザーが申込を判断しなければいけない場合は、しっかりと原状復帰の範囲を確認しなければいけない。

居室の細かい確認

その他、内見時に居室の細かい確認を怠り、契約時や引っ越し時にトラブルになることもある。

たとえば、ユーザーが持ち込みたいベッドが居室に入らなかったケースや、コンセントの位置を確認しなかったため電化製品を置けなかったことなどが事例としてあげられる。

内見時にこのあたりをユーザーと確認すること、または申込後に採寸などを行うことで未然に防げるので、担当者としては、忘れずに対応しておきたいところだ。

賃貸物件の契約には、このように目に見えないトラブルの種が潜んでいる。

業務に慣れてくるとこうしたトラブルの種を未然に防ぐことができるが、慣れないと確認ミスによって、トラブルやクレームに発展することもある。

是非、本記事を参考にして頂ければ幸いだ。

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