収益物件の売買で見落としやすい重要事項説明の盲点

収益物件は事業を目的として売買されるものであり、事業の継続・継承に係わるため住居系物件の取引よりも一層の注意が必要です。

調査においては後に「重要事項説明不足」との指摘を受けるような、トラブルに発展する可能性の高いポイントがあります。

とくに建物調査とレントロールにおいては、見落としてしまうと媒介事業者として責任を問われることもありますので、チェックリストを準備するなど細心の注意をもって調査に臨む必要があります。

建物調査で注意したいポイント

収益物件の建物調査では賃貸人としての責任を問われる建物の不備や、耐久性に係わる建物の状況について確認する必要があります。

ここではとくに注意したいポイントを紹介します。

避難設備・消防設備などの点検

賃貸物件には多くの居住者がおり生活の拠点としています。

地震・台風など自然災害の多い日本では、これらによる被害が及ばないよう十分注意をしたいです。

・避難バルコニー
・避難はしごや避難ロープ
・誘導灯や誘導標識
・消火器
・スプリンクラー設備
・自動火災報知設備
・ガス漏れ火災警報設備
・防火戸
・避難階段

などの設備の設置状況や作動状態を確認しもし不具合がある場合、売主負担で改善するのか買主が負担するのか協議を取決めする必要があります。

定期点検・検査の結果にもとづき確認できることもありますが、不明な部分については「容認事項」として明記し認識を共有しておかなければ、万が一事故などがあった場合は責任の所在に関しトラブルの元になります。

避難経路の既存不適格

共同住宅では階段の幅や廊下の幅など、建物内の避難に係わる部分には法律上の基準があります。

避難階段などから屋外に出るために「避難通路」を設けることが義務づけされています。

避難通路は建物と敷地境界との間隔で幅が決まりますが、敷地の分筆などにより建物竣工後にこの間隔が狭くなっている物件があります。

中古の物件として売買する時に、建築確認済の図面と現況を照合するとわかることですが、気づかずに取引が終了するケースでは、万が一火災などにより被害が生じると建築基準法違反が問題となる可能性があります。

避難通路は建築物の一部ではないため法律上の規制について認識が低いのですが、建築基準法による定めがあるほか地方自治体の条例により、独自の規制をするケースもあるので注意したいです。

防水工事の定期メンテナンス

外部は定期的なメンテナンスが必要ですが、外壁に比べて屋根は点検しづらく劣化状態を簡単に把握する機会は少ないです。

とくに鉄筋コンクリート造の陸屋根は、屋上に上がらない限り目視でのチェックができません。

また劣化具合を外見上確認できないことも多く、定期的なメンテナンスの履歴を確認しなければなりません。

また防水工事は使用する防水材により耐用年数も異なり、専門的な知識も必要になります。

大規模修繕工事が適切に行われている物件を除いては、専門家による点検を依頼することも重要です。

アスベストとPCBの有無確認

建物にアスベストを使用しているかの調査については、調査を行ったかどうかの確認し重要事項説明書に明記し説明しますが、2022年4月1日より解体工事や改修工事を行うさいには事前調査を行うことが義務化されています。

調査をしていない物件の売買においては、アスベスト事前調査と報告制度について説明することが望ましいです。

またアスベストと同様、人体に悪影響をおよぼす危険物質として「PCB(ポリ塩化ビフェニル)」の使用があります。

高濃度PCBについては処分期間が決められており、すでに期限が過ぎているものもあります。

低濃度PCBについては2027年3月31日が処分期限となっており、PCB使用製品が建物に設置されている場合は重要事項として説明することが望ましいでしょう。

注意したいレントロールのポイント

収益物件売買は事業譲渡の性格を併せ持つと述べてきましたが、事業の経営状態を判断するための重要な資料がレントロールです。

ここではレントロールに記載された内容について、とくに注意したいポイントについてお伝えします。

契約日の近い入居者

収益物件を売却する場合は入居率の高いほうが売りやすくなるため、意図的に入居状況がよいように記載されたレントロールがあると言われます。

入居者が実際に居住しているのか、前述のように見かけだけ入居しているのかを確認することは、売買契約までの短い期間ではむずかしく、数か月後に大量退去といった経験のある大家さんもいるようです。

仮に意図的に行われたことであったとしても、書類上は形式的に整っているため作為を認めることはできず、受け入れざるを得なくなります。

もし作為を感じるレントロールであれば、空室対策を準備しておくなど大家さんへのアドバイスが重要となるでしょう。

家賃設定のバラつき

同一タイプの部屋にもかかわらず家賃の異なるケースがあります。

長期間の入居者は初期の家賃設定のままになっていることがあり、家賃設定の下落が生じてくると低い家賃と高い家賃との乖離が大きくなるため、家賃値下げの請求が生じる可能性があります。

入居者とのトラブルを避けるため大家さんから値下げの提案をすることも考えられ、レントロールに記載された家賃がそのまま継続できない場合もあるのでよく確認する必要があるでしょう。

シェアルームや目的外使用

特定の入居者に対しシェアルームを認める、あるいは居住用途以外の事業所としての使用を認めているケースがあります。

賃貸契約書には明記されておらず、前オーナーとの口約束だけで成立した契約もあり、知らずに引渡しを受けトラブルになる可能性もあります。

売主へのヒアリング時には漏れることのないよう、チェックリストを作成しておき入念な事前調査が重要です。

まとめ

収益物件の調査項目は多岐にわたるため見落としや調査漏れなどが考えられます。

プロのための収益物件実務講座!」で紹介している「収益物件 調査チェックリスト」は、実務において使っているツールであり、ほとんどの調査項目が網羅されています。

是非活用いただき使いやすいチェックリストにブラッシュアップされるようお願いいたします。

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