その昔、私は昔〇〇で地場工務店に競合で勝っていました

本コラムの読者にはいろんな方がいるでしょう。

設計事務所、ハウスメーカー、地元の小規模大工さん、フランチャイズの加盟店、などそれぞれの規模と立ち位置は違っていても、住宅を売ってるという観点から皆さん仲間になります。

しかし、残念ながら営業の世界では、競合で他社に勝たなくてはいけません。

みんなで仲良く繁栄するのが一番いいのですが、現実論としてそんなことは言ってられないのです。

特に今後は新築が激減する事が予想されていますので、まごまごしていると自分の会社が淘汰されてしまいます。

そうならない為にも、 他の住宅会社と競合したら、何が何でも勝たなくてはいけません。

私は積水ハウスという大きな看板を背負って仕事をしていましたが、看板だけで売れるほど甘くはありません。

三井ホーム、ミサワホーム、住友林業といった大手のハウスメーカーを相手にすれば完全に五分の戦いになりますし、規模は小さくても地元のパワービルダーは、地元故の強烈な営業力と信頼性が備わっています。

そして、もっと規模の小さい工務店や大工さんも侮れません。

人によってはハウスメーカーに対して良い印象を持っていない人もいますし、大工さんやキャリアのある工務店の社長には、私のような一介の営業では、その知識と経験には歯が立たないのです。

しかし、そこをなんとかして凌いできたのです。

地場工務店と競合した時は戦略を決めていた

住宅営業に限りませんが、他社と競合した場合には基本的な対策をしっかり決めていました。

自社が敵会社より勝っているものは徹底的にアピールする

至極当然のことです。

積水ハウスを例にお話をしましょう。

当時私が営業をやっていた時には「100万棟の実績!!」を全面にアピールしていました。

地場工務店と競合したとしましょう。

これまでの引き渡し棟数では、もちろん積水ハウスの圧勝となります。

敵会社が絶対に追いついてこれない数字ですので、いかにこの数字がすごいか、引き渡し棟数が多いことは、いかに大事なことであり皆さんの安心に寄与するものであるかということを、口頭で説明すると同時に、それをアピールする資料もしっかりと揃えていたのです。

おそらく地場工務店は「引き渡し棟数が多ければいいってものではないですよ」と反論するのでしょうが、それを完全に蹴散らす営業トークと資料があったのです。

私が1年生の時、折衝に同行してくれた大先輩の設計士とお客さんとの会話は今でもしっかりと覚えています。

 

設計士「積水ハウスは100万棟の引き渡し実績がありますので、100万通りのプランを我々は提供してきたことになります。これらの膨大なデータから、使いやすい間取りや使いにくい動線などのデータが全部集まってくるんですよね」

お客様「その辺りは地元の工務店さんじゃ話にならないですからね」

設計士「〇〇工務店さんも良い住宅を作るとは思いますけども、間取りに関するデータに関して我々はとんでもない量を持っていますから」

 

私は横で相槌を打ちながら話を聞いてただけなので、先輩設計士の表情はもちろんですが、お客さんの表情も客観的にじっくりと観察することができました。

この他にも色々なトークで100万棟の引き渡しをアピールしていましたが、この時、引き渡し実績がたくさんあるということが強力な営業トークになるということを実感したのです。

地場工務店より不利だと思われる点は先回りしてフォローする

ハウスメーカーが圧倒的に有利な点はたくさんありますが、その逆も当然存在します。

私「〇〇工務店さんと比較されていかがですか?」
奥様「積水ハウスは良いのだけども、やっぱり値段が高いのよね・・・それに比べて〇〇工務店さんはかなり安くなるので悩むわよ」
私「しかし、ランニングコストという問題がございまして・・・」

今でこそ家を建ててからのメンテナンスコストや光熱費の問題を前面にアピールする住宅会社が増えましたが、私はその当時から資料をしっかり準備して対応していました。

今ほどデータが充実していませんが、会社が出していたデータなどを集め、自分なりに資料を作ってお客さんに提示をしていました。

表題は忘れましたが、市の図書館に行って住宅のランニングコストの重要性を主張している書物を見つけ、そこから様々なネタを引っ張ってきました。

このような感じで、地場工務店に有利に働くであろうポイントを最初から整理し、お客さんからそれを突っつかれた場合に備えて準備をしていたのです。

弱いところは徹底的に攻める

このように積水ハウスが不利だと思われるところに対しては 先回りをして防御態勢を整えました。

その反対に自社が有利だと思われる点に関しては、徹底アピールをするのです。

デザイン力の優越

インテリアやエクステリアを含めた住宅のデザインは、個人の好みの問題になります。

しかし平均値をとれば、ハウスメーカーのデザイン性は洗練されており、レベルが高いのは間違いありません。

特徴のある外観を作る地場工務店には勝てない可能性がありますが、ごく普通の建物を建てる場合は、デザイン性でハウスメーカーが負ける確率は低いと言えます。

私の経験ですが、地場工務店にデザイン性で負けたことは2回だけしかありません。

2回とも同じ工務店だったのですが、古民家風の外観を作るのが得意な会社で、そのデザイン性に惚れ込んだお客さんに連続して負けたのです。

特徴のある工務店には勝てない

私の競合負け経験をお話しましたが、地場工務店がデザイン性で勝ち残るためには、外観そのものを特徴あるものにするか、もしくはハウスメーカーのインテリアを徹底研究し、彼らではできないような インテリア性を追求するかです。

小規模工務店でも、極めて人気の高い会社の情報が耳に入ると、 私は必ずその会社のホームページを全てチェックします。

デザインは目をこらして隅々まで見るのですが、総じて全てがお洒落と断言できます。

ハウスメーカーでも、もちろん真似ができるデザイン性なのですが、価格が相当高くなることが容易に推測できます。

地場工務店が妥当な価格で高いデザイン性を誇った建物を提示すれば、大手ハウスメーカーであっても太刀打ちはできません。

ハウスメーカーに対する地場工務店の悪口に助けられたことも

営業は全て同じですが、競合相手の悪口を言ってはダメ。

内心では何とかして叩き落そうと考えているのですが、穏やかな表情で「〇〇工務店さんも良いお家を作りますよね」と軽く流すのが営業の常識です。

ハウスメーカーでは「絶対に他社の悪口を言うな」と徹底的に教え込まれるので、タラタラと競合会社の悪口を垂れ流し続ける営業はほぼいないと思います。

ところが、本当に良いものを造る工務店や、ピカイチの腕を持った大工さんが社長などをやってる会社では、ついついハウスメーカーの悪口と言うかぼやきが出ることがあるのではないでしょうか。

私も長い営業人生の中で このようなオンゴールで勝った経験は10件ではききません。

直接その言葉を聞いたわけではないのでお客さんからの伝聞にはなりますが、ハウスメーカーに対する悪口はこんなところが代表的なラインナップです。

①広告宣伝料がバカ高い
②営業マンは簡単に転勤で異動する
③営業マンの歩合給が高い
④豪華な建物に支店を構えている
⑤自由な間取りなど実はできない
⑥みんな似たような建物
⑦工場で作ってあとは組み立てるだけ
⑧営業マンがお尻を叩かれて販売に邁進している

当たってる点もあります(笑)

しかし、ハウスメーカーの営業はこのような悪口も予期していますので、これら全てに対し落ち着いて反論トークを展開します。

内容云々ではありません。

敵会社の悪口をついつい口にしてしまう行為が、お客さんの不信感を買うのです。

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積水ハウスと 零細工務店で営業を経験したのち独立した私は、以後24年間に渡って現場で営業指導を行ってきました。

コンサルティング現場ではさまざまなことを行ないますが、今回の50分のビデオではコンサル現場で実際に行っていることも交えながら、3点にポイントをまとめて解説しています。机上の空論ではなく、すべてが 現場で実践してきた内容ですので、是非とも最後までご視聴ください。

今年度はひとり親方の 大工さんから、上は年間2000棟以上こなしているパワービルダーの社員研修まで幅広く行っていますが、規模の大小に関係なく、ある事を徹底的に忠実に実行すれば 受注が伸びていくのです。

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