私は〇〇でお客さんにキレられました

どんな仕事にもクレームはつきものですが、特に営業職というのは毎日がクレームとの戦いと言っても過言ではないでしょう。

毎日がクレームとはさすがに大げさですが、住宅営業というのはクレームから逃げられない仕事です。

皆さんも様々なクレームを経験したと思いますが、私もそれなりにお客さんからお叱りを受けた経験がたくさんあります。

理不尽なお叱りもあれば、100%私が弁解できないような実績もありました。

また、良かれと思って行ったことが、なぜかお客さんの逆鱗に触れたという経験もあります。

今回のコラムは私のこうしたお客さんの逆鱗に触れキレられた経験をいくつか挙げてみたいと思います。

「所得証明書を処分した?どういうことだ!!」

直前までは何の問題もなかった

一瞬キョトンとしましたね。

住宅ローン関連の確認のために、お客さんから所得証明書を預かりました。

この段階では、ほぼ契約をしてくれるという意思表示があったので、事務処理をスピーディーにしようと思って私からお願いしたものです。

お客さんも私と契約する気があるわけですから「いいですよ明日取ってくるね」と明るい声で私に返事をしてくれ、その翌日には実際にお会いして所得証明書を手に入れました。

ところが、その翌日にお電話があり「色々考えたんだけども、もう少し考えたいから一度破棄したい」とのこと。

私は落胆しましたが、契約してるわけではありませんので、その申し出を受け入れ、話だけは直接聞きたいので2日後にアポを取ってお客さん宅に出向きました。

良かれと思ってやったことが裏目に出た

内心落ち込んではいましたが、表情は極めて明るく、お客さんに対しても「事情はよくわかりましたのでしばらくしたらまた話を復活させましょう」などと会話をしておりました。

お客さんも申し訳なさそうにしてくれて、契約を落としたこと自体は残念だったものの、よくある話ですし、話はこれで終わるはずでした。

ところが、お客さんからの何気ない質問への答えが、場の空気を一変させることになったのです。

ご主人「預けてあった所得証明書を返して欲しいんですが」
私 「所得証明書はシュレッダーで処分させて頂きました」
ご主人「えっ?どういうこと?」
私 「はい、跡形もなくシュレッダー処分させて頂きましたのでどうぞご安心ください!」
ご主人「何言ってるのあなたは。疑うわけじゃないけども本当に処分したかどうかわからないじゃないか!私に返すのが筋だろう。もし処分するのであれば、事前にどうして私に聞かないわけ?」

私は良かれと思ってやったのです。

ですから、ご主人の質問に対しても胸を張って「跡形もなく処分致しました!」と答えたのです。

この後かなり怒られたのですが、私なりに大いに反省しましたし勉強にはなりました。

ご主人は自営業でした。

自営業はサラリーマンとは違うので、ひょっとしたら所得証明書が何らかの形で悪用される可能性もあるわけです。

それが原因で会社が倒産するかもしれません。

経営する会社は社員が4人という非常に小さな零細企業だったのですが、悪知恵の働く人間が裏で動けば、簡単にこんな会社は潰れてしまうという趣旨の話を延々とされたのです。

最初は話がなかなか見えなかったのですが、徐々にその内容を理解した私は、ご主人に丁寧に謝罪し会社に戻りました。

しかし、この経験は私にとって非常に勉強となり、現役当時は部下である後輩に必ずこの話をして指導しましたし、今でも研修やコンサルティングの席ではよく話す私の経験談です。

「き、き、君は何をやっているんだ!!」

お次のキレられ話をしましょう。

これは住宅営業とはなんの関係もないことが原因でキレられてしまったのですが、やはり直前まで私は何の疑問も持たずにとった行動が原因となりました。

激怒したのは今回もご主人。

事の顛末はこうでした。

追客活動中に事件は起こりました

展示場にふらっと来場した30代半ばのご夫婦。

いつものように接客して20分程度で帰られましたが、今すぐというお客さんではなく、リスト化して定期的にフォローするというよくありがちなケースでした。

このような中長期のお客さんは、定期的に電話をかけたり近くを通れば直接訪問をしたりとの活動するわけですが、ある夏の夜7時ぐらいでしたか、新しく出たカタログを持ってこのお宅に出向き、チャイムを押しました。

すると奥さんが玄関先に出てきたので、これまたいつものように「積水ハウスの森ですが、先日は展示場にお越しいただきありがとうございました」

こんな感じで挨拶をしカタログを出し、何気なく話し込んでいたところ、奥さんが「よかったら中に入りますか。話を少し聞かせてください」と手招きしてくれたのです。

私は小躍りしましたよね。

中長期だと思ってたお客さんに定期的な訪問をしたところ、話をじっくり聞きたいというわけですから当然でしょう。

「何をしているんだ!!」

いきなり鬼の形相でどやされました。

奥さんとは2時間弱話をしていたのですが、家に上がった直後から奥さんは「主人がもうすぐ帰ってくると思いますのでそうしたらまた色々お話ししましょうか」と極めて友好的な態度。

こう言われれば私の頭の中では、奥さんとある程度の住宅話と雑談をしながらも、旦那が帰ってきたらどんな話から切り出そうかなどと、頭の中で組み立てるのは当然のことでしょう。

そうこうしてるうち、9時近くに時間はなり、ようやくご主人が帰ってきたのです。

私は居ずまいを正して「積水ハウスの森です。お邪魔しております」と明るい笑顔で声をかけました。

ところがです。

入ってくるなり「き、き、君は何をやっているんだ!」と大噴火状態。

冷静になって考えると大激怒の理由は歴然としていました

這々の体で逃げ帰りましたが、とにかく鬼の形相のご主人の顔が脳裏にこびりついて離れません。

私も気を抜いていた部分が多分にあったのですが、奥さんが社交的な方だったのですっかりくつろいでいたんですよね。

しかも奥さんの勧めで「暑いからネクタイとってくださいよ」と言われて「そうですね」と完全に取り去っていたのです。

クールビズとは無縁の時代です。

展示場で少しだけ顔を合わせたものの、基本的には全く知らないお兄ちゃんが、自分の奥さんと夜遅く自宅で談笑してくつろいでるわけです。

アポを取っていたなら話は違いますが、ご主人としては仕事から普通に帰ってきてこの光景を見たら・・・ ですよね(笑)

帰社してから店長にこの話をしたら大爆笑。

他の先輩や後輩も同じように大笑い。

これが40代のおじさん営業であればよほどの色男でない限りこんなことはないでしょうが、その時は私も20代中盤の若者でしたので、30半ばの奥さんから見れば可愛い男の子だったのでしょう。

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