誰でも簡単に理解できるヒアリングのコツ

戸建住宅営業、不動産営業、アパート営業などはもちろんのこと、営業と名のつく職業に就いている全ての方が身につけなければならないテクニックの一つがヒアリング術です。

聞き上手は営業上手とよく言われますが、これに関して異論を挟む方はまずいないでしょう。

営業のヒアリング術と聞くと話が難しくなりますが、仕事、プライベート問わず、要は聞き上手になるポイントを身につければ良いのです。

今回のコラムは、テレビ東京のある解説委員がYouTubeにアップしていた動画を参考にしながら、ヒアリングのテクニックをわかりやすく解説していきます。

レオナルド・デカプリオに取材をしてみた

各社8分の予定だったが

テレビ東京に豊嶋さんというニュースをわかりやすく解説する男性社員がいます。

地上波で放映されているワールドビジネスサテライトなどを担当していたのですが、彼はYouTubeでも積極的にニュースの解説をしており、1本あたり30分程度の尺なのですが、その時間があっという間に過ぎるほど理路整然と話を進めるテクニックを持っています。

そんな豊嶋さんが来日したアメリカの有名俳優であるレオナルド・デカプリオへの取材に関する裏話をしていました。

「私以外に3局も同時に取材に来ていたのですが、他局は全て若い女子アナだったんですよね。1社当たりの制限時間は8分と決められていたのですが、私は一番最後でした。相手がデカプリオということで、他局はみんな女性をぶつけてきたわけなんですよ。私の取材は最後だったのですが、デカプリオにとっても3人の女性と話をした後に最後におっさんだとテンション落ちるだろうな~と(笑)」

ところが、前の女子アナ3人は予定通り、各局ともきっちり8分で取材が終わったらしいのですが、豊嶋さんは20分以上にわたって取材を続け、最後はデカプリオのマネージャーが止めに入ったとのこと。

デカプリオが興味を持っていることを事前に調べた

豊嶋さんは次のように話していました。

「普段は何をやっていますか?」とかいうありふれたつまらない質問をする気は無かったとのこと。

他局のアナウンサーが似たようなことを聞くのは想定できるし、このような質問はデカプリオも世界中で聞かれていて、もういい加減にしてくれとなるはずだ、とYouTubeで語っていました。

色々調べた結果、デカプリオがウォール街に関して強い関心や意見を持っていることに行き当たったそうです。

それらに関するインタビュー記事を集めて、その話を中心に突っ込んでいきました。

そうしたら、こちらが取り付く島のないくらい、デカプリオはとうとうと自分の意見を話し出したとのこと。

おそらくはそんな切り口で効いてくるとは想定してなかったでしょうし、自分が興味を持っていることについての質問だったので、次から次へと止めどなく話をしたのだと思います。

営業でも同じ

翻って我々の営業活動に当てはめてみましょう。

デカプリオインタビューにならい、お客さんが興味を持つことに関して話をすれば、 お客さんはどんどん話をしてくれるとは思いませんか?

お客さんが大の犬好きだとわかったとしましょうか。

答えは簡単。

次回のアポイントまでに、犬のネタをたくさん仕込んで商談に臨めばよいのです。

家の話などはいつでもできます。

頃合いを見計らって家の話に戻せば問題はありません。

取材対象者の著書を持参し付箋をつけまくる

アメリカの著名経済学者を取材した時の話もしていました。

この学者が書いた大ベストセラーがあるのですが、豊嶋さんはこの本を徹底的に読み込むだけではなく、付箋をこれでもかと付けまくったそうです。

取材時にその本を傍らに置いてこう話しかけるのです。

「先生の本を徹底的に読み込みましたが、67ページに〇〇と書いてありました。あれは先生の断固たる主張と考えてよいのでしょうか?」

もしあなたが取材対象者の先生だと仮定しましょう。

こう聞かれれば「私の本をここまで読み込んでいるとは。これは真剣に対応しなくてはいけないな」と普通はなるでしょう。

ただし、展示場にやってくるお客さんは、本をおそらくは書いていないでしょうし、ウィキペディアで名前が検索で引っ掛かることもないでしょう。

そもそも、初回面談時はどんなお客さんであるか全く不明なわけですから、事前にお客さんの情報を入手して対応するのは不可能です。

しかし、2回目以降の商談を想定するのであれば、このチャンスに可能なかぎりの情報を入手する努力をするのは当然でしょう。

私は徹底的に初回にメモを残した

私は紹介面談に全精力を傾けていました。

「そんなの当り前じゃないか」と言われるでしょうが、他の営業と違っていたのは、第2回目以降の商談を想定して、雑談ネタを必死に蓄積する努力をしていたことにあります。

皆さんもよくお分かりのように、住宅展示場においての初回面談で契約が決まることはありません。

分譲地や建売を紹介して偶然はまれば即決もありうるでしょうが、通常ではそうはなりません。

だからこそ、2回目以降の面談を想定し、その商談を盛り上げお客さんの気持ちを惹きつけるために、どんな細かい内容も聞き洩らさまいと感性を研ぎ澄ませて話をしていた記憶があります。

退屈なZOOM会議で目が覚める瞬間

複数の支店を持つような住宅会社では、ZOOMを使ったWEB会議をすることもあるでしょう。

私はサラリーマンではないので、このような経験する機会はないのですが、もし自分がサラリーマンだとして日々行われる様々な会議にZoomで出席したら、退屈で眠そうになるときも結構あるんじゃないかと思います。

プライベートな話をすると目が覚める

テレビ東京の豊嶋さんがこんな話もしていました。

「つまらない内容の会議だと、顔だけはZoomの画面上に表れていても頭の中は全く別のことを考えてるということもあるでしょう。上司が話す型通りの数字の報告は上の空・・・とこんな時にその上司がいきなり今朝の通勤電車で出会ったとんでもなく迷惑な乗客の話をしたしたらいかがですか。なんだろうと耳を傾けるのではないでしょうか」

これは一例ですけども、固い話をしている時に、ふとプライベートの話をすると多くの人間は「なんだろう」関心を寄せるという話です。

住宅営業に置き換えてみましょう

展示場に来場していきなり自分の身の上話を語りだすことはありませんが、10分に20分と展示場を案内して、ちょっとこなれた頃にふとプライベートな話をすると、お客さんが大変関心を持ってくるのです。

キッチンの説明をしている時に「私の実家の話ですが母は対面キッチンにして大失敗だったって今でも言っているんですよね。失敗した理由なんですけど・・・」

このような形で自分の話をするのです。

キッチンの説明はもちろんしっかりしなくてはならないのですが、その中で自分の体験談も混ぜ込むわけです。

豊嶋さんはテレビ東京の解説員という立場で様々な人に取材をしているわけですが、取材中に“ここだ!”と思ったら自分の話を積極的にするとのこと。

自分の話をすると、より深い取材ができることを、体験的にわかっているからだそうです。

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