私はこうして競合に勝った⑧・・・カウンタートークを準備する

カウンタートークなる営業用語があります。

競合会社に何か言われたりした時、それに対して反論をぶちかますと言えばわかりやすいでしょうか。

ボクシングでいうカウンターパンチです。

ボクシングの世界でも営業の世界でもカウンターは大変重要な攻撃手法であることは言うまでもありません。

言われっぱなしでは、いつまでたっても日の目を見ませんので、言い返すところははっきり言い返すべきでしょう

「相手は関係ない!意識するな!」

このような指導をする上司についたこともありますが、私はその当時から反対で、主張すべき点はしっかりと主張して営業しないと、お客さんが誤解したまま我々の会社から手を引いてしまいかねないのです。

私はこうして積水ハウスに勝った

積水ハウスと一騎打ちになり最終的に契約をとったある女性営業の話をしましょう。

C子さんとさせていただきますが、C子さんは現在30代半ばで住宅営業のキャリアは5年ほど。

それまでは不動産営業をしていたのですが、会社に新築部門ができたことに伴い異動した人物です。

「積水ハウスを徹底的に研究しました」

別に特殊なことを話しているわけではありません。

競合会社を徹底的に研究して対応すること自体は当たり前といえば当たり前でしょう。

C子さんもその例に倣い、競合会社であった積水ハウスを研究し尽くしたわけです。

C子さんが積水ハウスに勝ったポイントを整理していきましょう。

①ホームページの徹底研究

イロハのイがホームページの研究でしょう。

しかし彼女に話を聞くと、その読み込み方が半端でなかったようです。

構造はもちろんのこと、トップページの目立つ部分に何を持ってきているのか、そして普通の人ではここまで見ないであろうというページ構成の深い部分までほぼすべて見たそうです。

積水ハウスだけには限らないのですが、競合するたび敵会社のホームページを研究しつくすので、その会社の構造やアフターサービスなどについて、あっという間にC子さんは詳しくなったようです。

ホームページを見てトップページで強く謳っている内容があれば、相手の担当営業もお客さんにそのことをアピールしている可能性が強いと推測できます。

例えばですが耐震性を強調しているとしましょうか。

その場合、積水ハウスの営業がお客さんに対して自社の耐震性がいかに優れているかをありとあらゆる言葉を使ってアピールしている可能性が高いと考えられます。

それに対して自社の耐震性はどうか、耐震等級3ですというありきたりの言葉で終わっていないか、もしくは耐震等級3を取らずに耐震等級3相当という言葉で説明をしていないか、などと考えていきます。

そして、このカウンタートークでは相手にとてもかなわないと思ったら、自分なりにそれに対する応酬話法を考えてパソコンに打ち込んでいくのです。

さらにすごいのはC子さんの資料です。

もし耐震性について積水ハウスが強調しているのであれば、 自社の耐震性が如何に高く信頼できるものであるかを説明するプレゼン資料を何日もかけて作り込みます。

それらの資料を私は実際目にしましたが、なかなかお目にかからないぐらい詳細に詳しく調べ上げたものでした。

②敵会社が提出する資料を読み込む

少し前のコラムで同じことを私は書きましたが、C子さんはまさにこれを徹底してやっている女性営業でした。

コラムのURLを貼っておきますので、ここでは簡単に掻い摘んでご説明をしておきます。

C子さんがこの会社に入社して以来、それまで2回だけ積水ハウスと競合したとのこと。

残念ながらその2回とも積水ハウスに負けたのですが、お客さんに頼み込んで、積水ハウスが提出した図面や資金計画書その他の資料を全てコピーさせてもらったのです。

一人のお客さんからは断られたらしいのですが、もう一人のお客さんは「ここまでよくしてもらったから、コピーしてもいいわよ」と言葉をかけてもらい、ほぼ完ぺきな相手の資料を入手しました。

その上で、私が上記の記事で書いた内容とほぼ同一のことをC子さんは実行したのです。

③カウンタートークの練習

積水ハウスはメーターモジュールを採用しています。

ですから、営業社員はメーターモジュールの素晴らしさをアピールしますし、時代はメーターモジュールであると自信を持って太鼓判を押すでしょう。

これを聞いたお客さんは「尺モジュールは古いのか。これからはメーターモジュールの時代だよな」と考えるのも頷けます。

C子さんはこの流れを想定した上で、メーターモジュールの欠点と尺モジュールの利点を徹底的に調べあげ、それをカウンタートークにまとめてお客さんにぶつけました。

実際あった会話をC子さんに聞きました。

C子さん「積水ハウスさんはメーターモジュールですよね。 メーターモジュールのメリットもいろいろありますが、メーターモジュールが本当に時代の趨勢であれば、日本中の住宅がメーターモジュールになってないとおかしいです」

お客さん「言われてみればそうですよね。ただ、メーターモジュールだと、部屋が一回り大きくなって圧迫感もなくなるし、日常の生活全体が何とも言えない余裕が出ます、と積水ハウスの営業さんは力説していましたよ」

こんな感じで会話が進んだそうですが、積水ハウスとの競合でC子さんが使った実際の競合資料も彼女は見せてくれました。

その中の一つをご紹介しましょう。

尺モジュールで作った8帖の洋室と、メーターモジュールの8帖の洋室が並べて書いてあり、それぞれにベッドや勉強机などを入れて家具が配置してあるのです。

結論から言いますと、尺モジュールで作った8畳には家具が実に都合よく配置されてすっきり収まるのですが、メーターモジュールですと中途半端に余ったり5cmほど足りなかったりと、上手く家具が配置できないとの説明材料でした。

正直言うと「あれ?(笑)」という部分もあったのですが、 この資料で説明したところ、お客さんは非常に納得したそうです。

お客さんの年齢層が高かったことも幸いしたのでしょうが、「お手持ちのタンスなどはおそらくはすべて尺モジュールになっているはずです。それらをメーターモジュールの部屋の配置するとどうしても無理が生じるんですよね」

このトークがどうも効いたようです。

前述したようにお客さんの年齢層が高かったこともあり、 若い時分に買い揃えた尺モジュールの桐タンスなどを、多数お持ちだったらしいのです。

生活に余裕のある方だったらしく、桐のタンス自体も30年前に100万円を超えるようなものを何棹も持っていたようで、家を新築したからといってそれらを捨てることは絶対にありえなかったわけです。

こうしたこうも重なったとは思いますが、とにかくC子さんは、積水ハウスに対してこのような資料をぶつけていったそうです。

意外に効果があったこんなトーク

小規模工務店が大手ハウスメーカーを相手にした時、よく 聞かれるカウンタートークがあります。

「2~3年して担当の営業さんが転勤してしまっては悲しいですよね」

C子さんが勤める会社は完全地元密着ですから、C子さんが退社しない限り担当は変わりません。

しかし、大手ハウスメーカーは転勤もありますし、そもそも住宅部門から外れて、全く違った他部署に異動することすらあります。

実際には会社によってかなり体制が違うので、他社と比べると積水ハウスは他県などにいきなり飛ばされる可能性は低い会社ですので、お客さんが心配するほどのことはないのですが「大手は転勤があります」と言われると、ひとまず誰しもが納得してしまうでしょう。

まとめ

C子さんの事例は基本的に家具の話を中心にお話ししましたが、このほかにも様々な事例を聞きました。

積水ハウスが出す資金計画書やプレゼンテーション資料を徹底的に吟味して、自分が出すものはこれらを質量共に上回る内容で提案したのです。

もっとも難しかったのは会社の信頼性らしいですが、会社の信頼性を担保するような資料も全部で20ページほど作って お客様に説明したとのこと。

相手が積水ハウスであっても 互角に戦えるのが住宅会社の面白いところです。

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積水ハウスと 零細工務店で営業を経験したのち独立した私は、以後24年間に渡って現場で営業指導を行ってきました。

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今年度はひとり親方の 大工さんから、上は年間2000棟以上こなしているパワービルダーの社員研修まで幅広く行っていますが、規模の大小に関係なく、ある事を徹底的に忠実に実行すれば 受注が伸びていくのです。

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