一条工務店はなぜここまで大躍進したのか?

今回のテーマを見てみなさんは、どのようにお感じになるでしょうか。

住宅・不動産に限らず一般の新築希望者の方にとっても、一条工務店はメジャーなハウスメーカーですし、実際にも凄まじい数の住宅を着工しています。

ここまで一条工務店が伸びたのは、当たり前ですが何らかの理由があるはずです。

特に「家は性能」を全面に打ち出してからの伸びしろは半端ではないものがあります。

会社草創期の頃はがむしゃらに営業をしていたはずですが、そのような時期を通過すると突撃精神だけでは前に進むことはできません。

何かしらの理由があったはずです。

私は一条工務店に就職する予定だった

私は積水ハウス出身ですが、生まれて初めて内定をもらった会社が一条工務店でした。

行かなかった理由は留年です。

あの時留年していなければ、一条工務店に行った可能性が極めて大きかったですね。

就職した時はまさにバブル真っ只中だったので、大卒でありさえすれば大企業から勧誘があるような時代でした。

一番は一条工務店でしたが、並行してトーヨーサッシ(現LIXIL)からも内定もらいましたし、佐川急便と岡三証券の内定もらいました。

佐川急便に行くことはなかったのですが、その当時大卒初任給60万円という破格のお金に目がくらんで、就職試験を受けたのです。

いずれは独立したいという希望がありましたので、独立志向の人間は佐川急便を目指してお金をためて起業する流れがありました。

親戚にこのことを話したら「一条工務店?そんな聞いたこともない建築屋に行くなんてやめろ。証券会社も今はいいけど止めておけ。トーヨーサッシはいい会社だぞ、めちゃくちゃきつくて有名だけど(笑)」と言われたのを思い出します。

一条工務店の営業面接者の対応は今でも覚えている

しかし、私の心は一条工務店に傾いていました。

私を面接してくれた方の言葉にとても魅力を感じたからです。

「うちは伸びるよ。これだけは言っておく。それと、ほかの仕事と違って責任がすごく重いし、個人の力でいくらでも売り上げを立てることができるんだ。その分会社は給与で報いるから稼げるぞ」

稼げるという言葉に魅力を感じたのはもちろんですが、 チームを組むのではなく個人の力で切り開いていけるという言葉が心に刺さったのです。

そしてもう一つは「うちは伸びるよ」 当時学生の私にとっては会社が伸びる理由とかそのようなものがよくわかりませんでしたが、直感としてこの言葉がすごく私の心に響いたのです。

この言葉は当たっていたのです。

もし、あの時入社して独立することなく在籍していたら、今頃どんなポジションに居るのかなあ・・・とたまに考えます。

もう一つ気になった言葉をこの方は話していました。

「君は証券会社も志望しているようだね。証券会社を希望するぐらいだから、住宅営業でも耐えられるだろう(笑)うちにこないか、どうだ?」

若干引きました(笑)

証券会社が厳しいというのはその当時もわかっていましたが、住宅営業がどんな仕事か全くわかっていなかった当時の私には「これはやばいんじゃないか・・・」と思ったわけです。

ただ、心の中では一条工務店に就職しようとしていましたが、前述したように留年してしまって全てはご破算です。

翌年に一条工務店を受けることなく積水ハウスに入社しましたが、どんどん伸びていく会社に在籍する体験ができなかったことは少し残念です。

同級生で内定をもらった人間がいた

ビジネスマン,ビル

1990年前後の話ですが、その時大学の同級生が一条工務店の内定をもらいそのまま就職しました。

この男は結局2年弱で退社したのですが、その当時の営業現場の話は散々聞かされたものです。

一条工務店の破壊力

嫌気がさして辞めているので、どうしても後ろ向きな意見にはなりますが、そのまま彼が言っていた事を書きましょう。

直属の上司によってかなり変わるとは思いますが、彼がついた上司は超体育会系的なノリで「とにかく売れ!契約取れなかったら死んでも帰ってくるな!」を前面に出して毎日凄まじい檄を飛ばしていたそうです。

急激に伸びる住宅会社はどこでもそうですが、30年程前の一条工務店もかなり激しかったようですね。

このあたりの姿勢が小規模な工務店のオーナーからすると「住宅メーカーは許せん!」となる一因でしょう。

確かにお気持ちはよくわかります。

工務店だろうがハウスメーカーだろうが営業ですから、受注を取ろうとお客さんにアプローチをかけるのは同じです。

ところが、住宅メーカーは営業が優先してしまうあまり、少数精鋭の工務店から見ると理解しがたいものが多々あるのでしょう。

「家は性能」で突き抜けた感あり

なんでもそうですが、一つのテーマを決めてそれを突き通すことは成功への近道と言えます。

草創期の一条工務店は単なるがむしゃら軍団の要素も大きくあったと思いますが、現在前面に打ち出している「家は性能」に特化してからは足元を完全に固めた感がありますね。

ここでは細かく説明致しませんが、簡単にお話しすると家の暖かさは日本で一番、機密性も日本で一番、と何でもかんでも性能に関するものは日本ナンバーワンの数字をとっていますとアピールするわけです。

この分かりやすい戦略が、ここ10年の快進撃を支えていると言ってもいいでしょう。

エンドユーザーと接しているとすぐに分かるのですが、一条工務店に惚れ込んだお客さんは「一条工務店の性能はすごいよね!」と皆さん例外なく話すのです。

適当にアピールしているだけでは、このような評価を得られません。

彼らは徹底的にこのことを追求したことが、お客さんに対する訴求力を高め、結果的に快進撃を支える柱となったのです。

貸出タブレットもよくできている

最先端のIT技術を使ったタブレットを貸し出す戦略も、今後の成長を支える柱だと私は見ています。

たとえばある方が、一条工務店の展示場へ出向いて営業マンと話をしたとします。

「一条工務店のことがわかるタブレットがあるのですが、これを貸出しできます。二週間ほどでご返却いただきたいのですがいかがですか?」

このように営業マンがお客さんに問いかけるのですが、この貸出タブレットが実によくできていて、展示場で営業の説明を聞いた後に復習のような形でこのタブレットを読み込んでいくと「一条工務店は素晴らしい」となる仕掛けです。

私は物を見たことがありますが、内容のレベルが非常に高いので、これを見たお客さんが一条工務店のファンになるのもうなずけます。

充実したお客様の声

お客様の声を取材して、それを新築希望者にアピールすることがいかに重要かを、一条工務店は深く理解していると思います。

たくさんの人が登場するのですが、これらのお客様の声を聞けば、一条工務店は素晴らしいと多くの人が感じるでしょう。

大昔から言われることですが、最終的にはお客様の声に行き着くのです。

昔と違いその声を動画で撮影し、それをネットで配信することができるわけですから、その訴求力は抜群のものがあります。

みなさんが一条工務店のシステムを真似することはできませんが、その核心部分は案外容易に取り入れられることに気づいてください。

お客さんの声や現場の声をまとめた動画を無数に作り、興味があるところだけお客さんに見てもらう方式ならば、YouTubeやQRコードを使って比較的簡単に具現化できます。

まとめ

一条工務店躍進の理由を、30年前と現代との二つのポイントに限定してお伝えしました。

もちろん、この長い歴史の間に躍進ポイントはたくさんあったはずですが、今回はあえて昔と今の二つに区切って、内容を取り上げた次第です。

特に後半部分ですが、本文でも書きましたように小規模工務店でもそれなりに真似できることが多いのです。

「大手の真似なんかできるわけない」

20年前であればこの通りだと私も思いますが、ウェブ社会は大きな会社よりも小さな会社にもたらした恩恵が多大であると私は思っています。

こんな素晴らしいツールが世の中にあるわけですから、皆さんもどんどん活用し、大手を食う勢いで数字を伸ばしてください。

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