ライバルより多くの新築受注を私ができた理由をお話しします②・・・データの活用

データを私は徹底的に活用しました。

お客さんへの説得力を高める一つの武器は数字です。

数字、データ、アンケート、実験数値・・・何でもよいのですが、とにかく誰もがはっきりと認識できる数字を前面に出す営業が大きな力を発揮するのは、誰しも異論のないところでしょう。

ところが、現場の住宅営業も見ていると、数字のアピールが苦手な人がわんさかいるのが実情です。

私から言わせてもらえれば不思議で仕方がないのですが、 営業マンがあれこれ言うよりも、数字で示せばケリが付くケースもたくさんあることを認識してください。

これを最も得意とするのは一条工務店ですが、彼らはその効果をよく理解しているので徹底的に実行するのです。

「数字で判断するのが一番早い」と断言した奥さん

2022年の年末にズームを使ったお客さん取材を6件行いました。

みなさんからいろんな意見がでたのですが、その中のある1組のご夫婦の話です。

私「ご主人は営業の人柄を気に入ったことが業者選定の大きな理由になったようですが奥様はどうですか?」

奥様「営業の〇〇さんがよくしてくれたのはもちろん高評価ですけど、性能に関するUA値などの数値が決定の大きな要因の一つです」

私「一般的には男性がデータや数値などを細かく検討 するのに対し、女性である奥さんは住宅設備機器やデザインなどに目が行きがちなのですが、このような傾向とは逆だったということですね」

奥様「うちは真逆でしたね。主人は数値はあくまで数値であって誤差もあるだろうと言う考え方で、極端な数値の差がなければあまり気にしないんですよ。でも、素人である私たちが住宅会社を判断するには、数字しかないと思いませんか?」

このやりとりはズームで録画しておりますので、手元にしっかり残っています。

この原稿を書く直前にも見直したのですが、奥様が自信を持って毅然とこのように発言しているんですよね。

少なくともこちらの奥様は、会社が全面に打ち出したレベルの高い数字を見たことによって安心したのは事実なのです。

アンケート結果も強力な営業ツールになる

リクルートやMy voiceなど、さまざまなアンケートをとって公表している会社があることをご存知でしょう。

次のアンケートはマンションの長谷工が取ったものですが、このアンケート調査結果も、新築住宅営業にうまく活用できます。

データによると、お客さんが一般的に収納で困っているもののトップは衣類となっています。

※ 長谷工ホームページより転載

提案の正当性を伝える

営業「これが今回のプランになりますが、ご要望に従って収納はたくさん取ってあります」

奥様「一見して収納がたくさんあるのは私も分かりますいい感じですよね」

営業「収納の絶対量はもちろん確保してあるのですが、今回特に注力したのは衣類の収納です。普段の収納スペースはもちろんですが、衣替えによって半年間はそのまま収納スペースに入れっぱなしになる衣類がたくさん出るはずです。それらの収納も徹底的に考えてプランニングしました」

奥様「確かにそうですよね。衣類はなかなかしまうのが難しいですから」

営業「これはマンションの長谷工さんが作成した収納に関するアンケートなのですが、これを見ても衣類にお困りの方がものすごく多いということがよくわかるかと思います」

この会話の狙いがお分かりでしょうか。

収納を重視したプラン提案をしたわけですが、その中でも衣類の収納を特に考えて作ったと上記の営業は言っているわけです。

資料を出さなくてもお客さんには充分通じますが、衣類の収納を重視した根拠を、客観的なアンケートで補完しているわけです。

この方が、説得力が出るのは明らかでしょう。

「一般的に皆さんはどうするんですかね?」

ほかの人はどのようにしたか気にかかる

「子供部屋は狭くて充分」
「そもそも子供部屋は不要だ」

不要はかなり極論になりますが、子供部屋に関する定義や考え方はこの14、 5年で大きく変わりました。

展示場などで営業マンが「最近は子供部屋を作らない考え方も出てきましたよ」とお客さんに振ると「どっちの方が多いんですかね?」とか「子供部屋を作らない方は全体の何割ぐらいいるんですか?」などと聞いてきます。

これは人の心理ですが、一般的に他の人はどちらを選んでいるか気にかかるのです。

人と同じことが絶対に嫌だという人は話は変わってきますが、9割5分の人が子供部屋を作ると聞けば「では、うちも子供部屋を作った方がいいよね」と多数につく傾向があります。

日本人はこの傾向が特に強いと言われていますが、多数派について無難に行こうという気持ちはよくわかります。

このような説明をするときに、客観的な第3者がとったアンケートが生きてくるのです。

営業としてお客様をある方向に誘導したい場合などに、このような営業手法をとることが考えられるでしょう。

今指摘した誘導は悪い意味ではありません。

プロから見て明らかに右へ行くべきだと思っても、お客さんが左へ行きたいと考えることもあるでしょう。

できれば右へ誘導したいのですが、口頭だけではなかなかついてきてくれないので、世論の動向を数値を使って示すのです。

「満足度ナンバーワン!」商法もこれと同じ

メダル,1

最近ニュースになりましたが、さまざまな分野で販売されている商品に対して「お客様認知度ナンバーワン」「お客様好感度ナンバーワン」「お客様充実度3年連続ナンバーワン」 などと、やたらナンバーワンを謳いながら商品に花を添える商法です。

以前から私も胡散臭いやり方だと思って見ていましたが、 これらを好んで使っているのは、それなりの理由があるからです。

「お客様支持率ナンバーワン」

このように銘打った商品があるとしましょう。

何を基準にしてどのように調査したかはよくわからなくても、たくさんのお客さんがこの商品を支持したのだろうなと誰しもが錯覚するわけです。

結局は【たくさんの人】がキーワードになっていることにお気づきでしょう。

理論としてはこれと同じで、 多くの人が満足したり納得するのはもちろんのこと、その逆にたくさんの人が不便を感じたり 困っていることを数字を持って提出されるとどんな人でも気になるのです。

このテクニックを住宅営業でも使ってみましょう。

小規模工務店でもできる数字の使いかた

詳しくは別のコラムで書きたいと思いますが、ここでも簡単にその内容をお話します。

収納率という言葉があります。

家全体の面積に対して収納が何パーセントあるかというものを示したものだとお考えください。

明快な基準があるわけではありませんが、一般的な話として建物面積に対し15%の収納力があれば、そこそこにたくさんある間取りだと言っていいでしょう。

これを基準に設定したとき「今回のプランは収納率が30%あります。一般的には15%と言われておりますので、なんと2倍もあるんですよ」

15%が正しいかどうかは横におきますが、何かしらの客観的証拠を踏まえた上で、標準的な数値を出します。

標準的な数値を出した上でその数字を大きく上回っていれば、収納がなんとなくたくさんある、という抽象的な表現ではなく「一般的な収納量の2倍あります」と数字でアピールすることが可能となります。

まとめ

いろいろと書きましたが、 とにかくアンケートやデータを多用して数字を前面に打ち出す営業手法を身につけてください。

中には数字が苦手だという方もいらっしゃると思いますが、それとこれとは話が全く違います。

自分で何か計算をして解を導くわけではありません。

数字をお客さんに示して、どちらが大きいか小さいかを見てもらえばいいのです。

極めて簡単なやり方なのですが、数字の持つ破壊力を今一度再認識してください。

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