ライバルより多くの新築受注を私ができた理由をお話しします⑬・・・土地のプレゼンが他社と違った

自信をもって言い切ります。

プレゼン手法もそうですが、私は土地を紹介するときの考え方から根本的に他営業マンと圧倒的な差異がありました。

「建物の提案を早くしたいので 土地は適当なところで手を打ってとっとと決めてくださいよ」

これが住宅営業の本音でしょう。

この気持ちはお客さんにもなんとなく伝わってしまいますし、本題である土地のプレゼン手法のマンネリや工夫のなさといった形で現れてしまうのです。

土地を紹介するシステムについては最先端のやり方が続々と出てはいますが、根本的な問題は何も変わっていないのです。

そのあたりを解説していきましょう。

お客様の要望を聞き探して紹介するのが基本だが

このやり方自体に間違いはありません。

お客様の要望を聞いて、不動産業者などをあたり希望に合致するかもしくはそれに近いような土地があれば連絡を取ってご案内するのが王道です。

要望のヒアリング等については以前もこのコラムで書きましたので割愛しますが、キーポイントとなるのはお客様がそこの土地に住むにあたってどのような生活を送るのかプレゼンすることに尽きます。

実在の分譲地から最寄り駅まで車で走ってみる

道路

これは福岡県にある30区画以上の分譲地の写真です。

あえて雨模様の日に足を向けたのですが、レンタカーのダッシュボードにiphoneを乗せて最寄りの駅まで7~8分の距離を走ってみました。

「右の林が気になるだろうな」

住宅会社として土地を紹介する場合、その土地に自分が行かないなどというのは論外ですが、こうして現場に足を運ぶとさまざまなことに気づきます。

写真の左は分譲地の一角で、道路を挟んだ反対側にこんもりとした林が写っています。

現場に行くとここは崖のようになっていて、ほとんどの人がこれを見れば一定の圧迫感を感じるでしょう。

また夏場であれば、災害のニュースがテレビを賑わすので、この分譲地を購入するにしても、崖に面したところは安全性の観点からどうだろうという疑問を持つのもある意味当然だと言えます。

このようなことも、現場に行くからこそ気づくことでしょう。

営業がそう感じるのであれば、お客さんはその二倍も三倍も心配に思うのは当然のことです。

この崖を見れば、営業としてまずやらなくてはいけないのが、ハザードマップを取り寄せてここの安全性をアピールすることにあるのは明白でしょう。

そして土地の提案書には、そのハザードマップをしっかりと織り込んで、ここの安全性をお客さんに主張しなくてはなりません。

しかし、うまくプレゼンしきれないことも発生するでしょう。

この分譲地で実際にあったお客さんからの質問があります。

「夏場になったら大量の虫が発生しそうだよね」

これはある意味定番の質問ですが、女性である奥様から出る典型的な指摘と言えるでしょう。

営業としてどう返答するかになりますが、情報もないのに適当に「そんなに虫が発生することないと思いますよ」などとは絶対に言えません。

むしろ山沿いや川沿いは虫が発生して当然な場所と言えますので、これに対する対応は難しいと言えるでしょう。

周囲にどんな人が住んでいるか

住宅街

これも重要な要素になるのですが、住宅会社の営業マンがこのことに神経を尖らすシーンはあまり目にしません。

あなたが土地を購入すると仮定しましょう。

もし、隣にとんでもない迷惑住人が住んでいたらどうでしょうか。

住宅地にある公園の使用を閉鎖する方針を出した長野県の自治体もありましたが、以前と比べてこのような問題が発生する比率が格段に高くなっています。

この写真は分譲地に接するところなのですが、左側に戸建てが立っているのが見え、右側に集合住宅が建っているのがお分かりだと思います。

右側の集合住宅の外観を見るとファミリー層だということが推測できますし、建物の最上階に数字の5がふってあるので、おそらくは県営か市営の住宅だと思われます。

私であればこの住宅の間取り図を入手して、お客さんへの提案資料に入れ込むでしょう。

一般論にはなりますが、単身者のアパートが近隣にあると、若者がたむろして夜中に騒ぐだり、車のマフラーを改造した車が夜中に爆音を轟かせて出入りする危険性を想像してしまいます。

特に敷地を接するところの住人は極めて重要といえるでしょう。

探偵ではありませんのでそれを徹底的に調べあげるのは無理な話ですが、小さな子供が乗るような自転車があれば、その情報を伝えても構わないと思いますし、年季の入った和風住宅があり庭に松の木が植えてあるとか盆栽が並べてある、などの情報があれば伝えるべきでしょう。

学校の場所にも細心の注意を払う

道路

これは先ほどの分譲地から800mほど走ったところですが、右側に小学校があります。

もし、お客さんに小学生のお子さんがいれば、このようなルートを通って毎日小学校に通うことになるわけですが、親の気持ちとしては、子供が通う小学校への通学ルートは大変重要な問題となります。

①距離

もっとも気にするのはここでしょう。

「小学校までどのくらいの距離なの ?」

必ず出る質問ですし、私が親であれば真っ先に目がいくポイントはここです。

この分譲地の場合は800mになりますので、大人の足だと10分で到達できますが、子供であれば場合によっては30分程度を道草しながら歩いて帰る距離でしょう。

②交通事故の危険性

都市部であろうが農村部であろうが、この問題を避けて通ることができません。

飲酒運転の車が子供の列に突っ込んで、複数の死者を出すような事故は記憶に新しいところですので、このポイントもしっかりとチェックしてあげましょう。

映像の切り抜きですので全体像はわからないと思いますが、この分譲地に限って言うと、安全性はかなり高いとお客さんに説明ができます。

私が担当営業であれば、これを高評価ポイントとして、お客さんに大きくアピールするでしょう。

他の土地で小学校の場所がたとえここより近いとしても、通学の危険性で大きな差があれば、私はこちらの分譲地を勧めます。

③お子さんが女の子かどうか

これも極めて重要です。

この分譲地は小学校まで1キロ以内ですし、通学路の安全性もかなり高い場所ですが、近隣に変質者が出るようでは問題ですし、陽が落ちたら急に真っ暗になるようでは不安材料の一つでしょう。

男の子なら問題ありませんが、女の子の場合は親としてそこが大きな懸念材料になります。

所轄の警察に行けばこれらの情報をある程度聞くことは可能ですし、 該当の設置状況などは、夜に実際の通学路を車で流せば把握可能でしょう。

見せ方にも気を遣った

このような細かいことに着目しながら土地紹介をしていましたが、 プレゼンテーションの仕方を間違うとすべては台無しになってしまいます。

やり方は簡単です。

前段でお話したような内容を、口頭でなく視覚的に訴える資料を作り込むだけの話です。

今回写真を三枚使いましたが、その当時も自分の社用車のダッシュボードにビデオカメラを置いて、紹介する土地から小学校まで 撮影したり、あるいは最寄り駅や大型スーパーまでを同様の手法で映したりして収めました。

お客さんのご自宅であろうが展示場であろうがテレビがありますので、背後にある端子とビデオカメラを繋げて映像を流したのです。

今の時代であればパソコンで簡単にできることですので、映像を使うことがお客さんに対して強くアピールできることを認識して欲しいと思います。

映像だけでなく写真なども対応しましたが、これも視覚に訴えるという意味で同じでしょう。

まとめ

土地紹介に関してはまだまだ書き足りないのですが 今回ご紹介した内容を真似してもらうだけでも成果は必ず出ると思います。

自信を持って断言するには理由がちゃんとあります。

私は今コンサルティングの仕事でいろんな住宅会社に行き、営業マンに会うのですが、その過程で土地なしのお客さんに対応する営業マンの姿を横目で見るケースも多々あります。

そこで驚くことは、工夫の無さや準備不足のオンパレード。

これではダメだと思うのですが、裏を返せば入念な準備を行ない徹底したプレゼンテーションを仕掛ければ、お客さんに対する土地提案が成功する可能性が高まることを意味しています。

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