住宅展示場の営業テクニック【キッチン編】

あなたの仕事は住宅営業マン。

会社が所有する住宅展示場が1棟あり、そこへやってくるお客さんを接客。

何とかアポイントを取って商談へ持ち込むことを狙っています。

さて、そんなあなたは様々なプレゼンテーションを仕掛けながら「弊社は素晴らしい」「弊社の設計力は最高だ」ということを嫌味なく伝えなくてはなりません。

そして、接客の途中で必ず立ち寄るのがキッチン。

そのキッチンを説明するときには、キッチンそのものの説明もさることながら、奥さんが持っているキッチンに対する不満をいかに吸い上げるかが勝負なのです。

不満はいろいろあると思いますが、キッチンの収納不足に悩む奥さんは相当数いるはずです。

今回のコラムは、そんな奥さんに対するキッチンでの接客方法や説明テクニックを解説していきましょう。

住宅展示場の営業テクニック【キッチン編】

機能説明をするのは当然のこと

メーカーのカタログを徹底的に読み込もう

キッチンを説明するにあたって、まずは正攻法で挑むのは当然の話。

正攻法というのはメーカーが謳っている仕様の説明です。

仕様の説明ができなくては次のステップに進みようがないのですが、あなたは大丈夫ですか?

実際に現場で接客チェックをするとわかるのですが、実につまらない説明しかしない営業マンが多いことに驚かされます。

「ここにも引き出しがありまして収納が多く取れますね。天板は人造大理石ですので見た目も綺麗でお手入れも楽ですよ。またIHキングヒーターを使っていますのでお手入れが簡単です・・・」

言っていることに間違いはありません。

ただ、そんなことは見ればわかるのです。

メーカーが出しているカタログを読み込んで、奥さんがパッと見ただけでは気づかないようなことをアドバイスしてあげてください。

これだけで全然イメージが違ってくるのです。

TOTOキッチン・ザ・クラッソのカタログにはこんなことが書いてある

① キレイ除菌水
薬品を使わずに水を電気分解してクリーンな水を作る
② ゼロフィルターeco
汚れやすいレンジフード。大変な掃除も楽々で取り外すパーツは3つだけ
③ タッチスイッチ水ほうき水栓
軽いワンタッチで吐水ができ、水がほうきのように広がるので作業や掃除がしやすい
④ すべり台シンク
傾斜がついたシンクは排水溝へ向かってとすべるように流れていく。排水溝が奥にあるのでふさぐことなく広々とスペースを使える。

4点だけご紹介しましたが、実際には30程度のポイントが書かれてあります。

つまり、お客さんに対してキッチンを説明するとき、30もの切り口でアプローチできるわけです。

ただ、30ものポイントを順番に解説されたらお客さんもたまったものではないので、その場の空気感を呼んで取捨選択と強弱をつけるのです。

問題は30のポイントを知っているのかどうか?

このシステムキッチンのように、たくさんの売りポイントがどんなシステムキッチンにも必ずあります。

カタログを見ればすぐにわかるのですが、そもそもこれを知らない住宅営業マンが多すぎるのが実態。

筆者の現役時代は商品カタログを嫌というほど暗記させられたので、キッチン接客の際にトークに困ることは全くなし。

ネタをどう絞るかは悩みましたが、ネタの引き出しが空っぽになることは皆無でした。

つまり、キッチンで効果的な接客をしたいのであれば、製品カタログを読み込むことから始めるべきなのです。

これは徹底しましょう。

キッチンの収納はこうヒアリングを進めよう

ここから本題です。

キッチンの設備仕様を説明するだけでは、ただのキッチン販売員。

住宅営業マンは「この人は私の悩みをわかってくれるし引き出しをいっぱい持っているわね」と奥さんにいかに感じてもらえるかが勝負。

奥さんがキッチンで困っていることを事前に調査しておこう

奥さんの共感を得るには、キッチンでどんなことに世の中の奥さんが困っているかをあなたが知ることです。

こういう時こそネットを駆使して情報を集めましょう。

2012年のアンケートなので、少し古いデータになりますが大きな問題はないでしょう。

オールアバウト、三菱レイヨン、クリンスイが調査したデータです。

 

 

3つのアンケートをピックアップしてご紹介しましたが、これだけもいろいろなものが見えてきます。

1番最初に掲載したアンケートを見ると、もっとも奥さんが不満に感じているのが「収納の少なさ」であることがわかりますね。

これは想定通りですが、このデータが頭に入っているとこんな接客会話ができます。

営 業「ある調査によるとキッチンで奥さんが最も困っていることが収納の不足らしいですね。いかがですか?」
奥 様「たしかに収納に困るのよね。今の家もそうなの。あとは作業スペースも狭くてどうしようもないわ」

営業マンの問いかけに対して、収納に困っているとの答えが力強く出てくれば、目の前の奥さんは強い不満を持っている証左となります。

強い不満を持っていることがわかれば、その不満に理解を示すアピールができます。

既述したように、奥さんが持っている強い不満を察知してそれに共感する気持ち示すことが大きな信頼につながるのです。

同じアンケートの第3位に「においがこもる」とあります。

つまり、接客中の奥さんが今住んでいる家のキッチンで、匂いの問題を抱えている可能性が考えられるのです。

そのうえで、自社展示場に入れているキッチンが、いかにこの不満を解消できるのかを説明していくのです。

具体的なヒアリングトーク事例

ここからは私のコンサルティング経験から得たものをベースに話を進めましょう。

収納に皆さん困っていることを既述しましたが、この話をもっと具体的レベルに落としていきます。

たとえばホットプレート。

お好み焼きや焼きそばなどを家族みんなでワイワイとやる調理器具ですが、このホットプレートの最大の欠点は横に平べったく場所をとることです。

「ホットプレートをお持ちですか?あれは収納場所に困るのですよね」

こう聞いてみましょう。

ホットプレートを持っていなければ話になりませんが、所有していれば強い同意を得られるはずです。

そして、システムキッチンの一番下の引き出しを開けるのです。

そこにはホットプレートが実際に収納してあり、引き出しを開けることによってそれが出現しるわけです。

つまり、システムキッチンの一番下の引き出しに、最初からホットプレートを仕込んでおき、話をそこに寄せていくわけです。

このようにして、アンケートなどのデータを調べて奥さんがキッチンで困っていることを調べます。

そして、その話を振って同意を得たら「こちらをご覧下さい。皆さんもお困りであるホットプレートは、ここにしっかりと収納できるのです」とやればいいのです。

最後のデータも少し見てもいらいましょうか。

【キッチンをすっきり見せる工夫】との問いに対して上から4番目に【食料、飲料の備蓄を減らす】とありますね。

このデータを引き合いに出して、キッチン裏に食品専用の収納庫を作る提案などをしてみましょう。

もしくは展示場自体をそのように設計して作ってください。これで話が弾むはずです。

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