メーターモジュールと尺モジュールで異なる営業テクニック

メーターモジュールと尺モジュール。

住宅営業をする人にとっては身近な言葉でしょう。

普段から日常的に使う言葉であると言えます。

ところがお客さんにとってはほぼ初耳。

たまたま他の展示場見学をしていれば営業マンから聞いたかもしれませんが、メーターモジュールだ尺モジュールだといきなり聞かされてもわかるわけがありません。

あなたの会社がどちらを推奨しているかはわかりませんが、私が在籍した積水ハウスはメーターモジュールの会社でした。

つまり当然ですが、メーターモジュールを推奨していたわけです。

今日のコラムではメーターモジュール、尺モジュールどちらをあなたの会社が採用していても参考になる話をしていきます。

メーターモジュールと尺ジュールを採用はどんな会社が採用しているのか

そもそもこの両者を採用している会社の顔ぶれはどうなっているのでしょう。

両方に対応する会社も存在しますが、基本的にそれは無視して大きく二つに分けてみました。

メーターモジュール採用会社
積水ハウス
タマホーム
日本ハウスHD
トヨタホーム
住友林業
尺モジュール採用会社
ミサワホーム
へーベルハウス
セキスイハイム
ダイワハウス
一条工務店

代表的な会社を上げました。

住友林業などは柔軟に対応するのですが、ここではメーターモジュールの会社とさせてもらっています。

メーターモジュール系の会社はどんなトークを使うのか?

日本人の平均体格は大きくなった

私が真っ先に思いつくのはこれ。

日本古来の尺貫法によった建築は長い歴史があります。

小柄な日本人の体格にあったものだと思います。

しかし、大東亜戦争以降の目覚ましい体格の向上により、尺モジュールが日本人の生活に合わなくなってきました。

こんな感じでしょうか。

ですから、メーターモジュール系の会社で働く営業マンは接客の際に、まずはお客さんの体格を見てください。

一見して夫婦ともに高身長であれば「時代はメーターモジュールです。尺モジュールでは狭くて後悔します」と言い切ればよいのです。

押入れの幅はメーターモジュールに限る

押入れを頭に思い描いてみましょう。

話を簡単にするため、ここでは尺モジュールの押し入れ幅を180cm(約一軒)とします。

つまり片方の戸を引くと開口部の幅は90cmです。

押し入れ内に布団を両手で抱えてしまうところを想像してください。

幅が90cmだと少し窮屈ですが、メーターモジュールの押し入れになるとこの幅が100cmになるので随分と入れやすくなります。

尺モジュールでも慣れてしまえばそれなりに問題はないのですが、メーターモジュールをアピールするならばこのトークは定番。

また、押入れの中にもアピールポイントがあります。

尺モジュールの押し入れの中に布団を2組横に並べて収納すると、どうしても布団の端が重なってしまいます。

見た目にもよくないことと、厳密にいえば布団が傷みやすいですよね。

ところがメーターモジュールの押し入れならば、幅が2mあるので端が重なることなくゆっくり置けるのです。

すべてがゆったり

話の内容としては日本人の体格が大きくなったことと被りますが、とにかくすべてがゆったりと作れるのが特徴。

尺モジュールで作った6畳の和室も、メーターモジュールで6畳の和室を作ると従来の尺で計算した7.2畳に匹敵します。

これと同様にすべての場所で広くなるので広々とした空間になるわけです。

車いすが使いやすい

これも定番中の定番トーク。

写真を見てください。

※なかやしき(本社 北九州)ホームページより

メーターモジュールの家だと車いすでも楽々移動可能。

ころが、尺モジュールだと右の写真のように苦労するよというもの。

もっともポピュラーだと思いますが、メーターモジュール系の住宅営業マンはこの基本中の基本はしっかり押さえましょう。

尺モジュール系の会社はどんなトークを使うのか?

メーターモジュール系営業マンがこういうならば、その反対の尺モジュール系の営業マンはどうやって応戦するのでしょうか。

家具が合わない

家具屋さんに行くとすぐにわかります。

ネットで調べてもわかります。

家具のサイズに注目してほしいのですが、「メーターモジュールが時代のすう勢だ!」と叫んでみても、家具は昔のままのサイズが圧倒的に支配しています。

つまり、メーターモジュールで家を建てていざ家具を購入すると、中途半端にスペースが余ったりしてしまう可能性があるのです。

ですから、尺モジュール系の営業マンがメーターモジュール系の会社と競合した場合は、いの一番にこのことをお客さんにぶつけてみましょう。

親から受け継いだ嫁入り道具の桐ダンスがあった場合、尺モジュールのクローゼットなどだと綺麗に収まるのですが、メーターモジュールの家に置くと20cmほど隙間が空いてしまうことがあるのです。

私個人はあまり気にならないのですが、言われてみればその通りですね。

積極的に営業トークで応戦しましょう。

敷地に収まりきらなくなる

「一階に6畳の和室と18畳のリビングは欲しいですね。それとキッチンは4畳かな・・・」

こんな感じで要望するお客さんに合わせたプランを尺モジュールとメーターモジュールで設計すると、当然のことながらメーターモジュールの方は建坪が増すことになります。

敷地が200坪もあれば関係ありませんが、シビアな広さで勝負しているのが現状ですから、このちょっとした建坪の違いがいろいろと影響してきます。

尺モジュールの営業マンであれば「お隣さんとの距離は日照を考えると少しでも確保したほうがいいですよ」と勧めてください。

メーターモジュール阻止のための営業トークと言えるでしょう。

ヒューマンモジュール

この言葉を聞いたことがありますか?

ヒューマンモジュールという聞き慣れない言葉ですが、ヒューマンモジュールとは尺モジュールと解釈してもいいかもしれません。

ミサワホームのある営業マンから聞いたのですが「僕はミサワホームだから尺モジュールを勧めているのだよね。

そのときよく使うのがヒューマンモジュール。

人にやさしいというか・・・メーターモジュールと競合するときはそうやって対応するよ」とのこと。

参考になったかどうかよくわかりませんが(笑)こんな対応策もあることを覚えておきましょう。

注文住宅はメーターモジュール、建売住宅は尺モジュール

価格の高い注文住宅はメーターモジュールで、価格の安い建売住宅は尺モジュールと同じ会社でも使い分けているケースが多いと思います。

ただ、問題はお客さんに対しての説明がうまくいかないことにあります。

「これからの時代は絶対にメーターモジュールしかありません!」と力強く宣言したものの、その一方で尺モジュールを使った建売を販売していては何となく示しがつきません。

この問題の解決方法は私も思いつきませんが、該当する会社の方は商談の初期から「メーターがいい」「尺こそが人間の基本だ」などとあまり偏った話はしない方が無難でしょう。

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