つい最近のことです。
正確に話すとコンサル先ではなく、オープンセミナーに参加してくれたある営業マンの話となります。
昨年はコロナの影響で集合式のセミナーや勉強会の類は皆無になりましたが、さすがにその風潮も薄れてきました。
やはり一堂に会す形式にかなうものはないですからね。
そのセミナーに参加してくれた営業マン(Aさん)から聞いた話をしましょう。
いわゆる感動営業マン系、コテコテ営業マン系の話なのですが、どんな時代になってもそうしたベタベタの営業手法は健在ではないでしょうか。
真似できない!?トップ住宅営業マンの共通点は”人たらし”だった【経験談】
暴走族あがりのAさんは腰の非常に低い人だった
業界のあるあるかもしれませんが、建設業界の営業マンや職人さんたちは若いころ傍若無人だった人が他業界より若干多い気がします。
私だけの感想だとは思いませんが皆さんはどう感じますか。
そんな話はいいのですが、そのAさんは住宅営業マンとして15年目の大ベテラン。
私のセミナーに出てもらい、コロナということで懇親会はなかったのですが地元においしい店があるということで夕ご飯を食べに行きました。
同じ会社の設計と事務社員も一緒だったのですが、2時間ほど席をともにしました。
その際に事務社員の女性が「Aさんはその昔は地元で有名な〇〇っていう暴走族の頭だったんですよ。そんな感じは微塵もしないと思いますが(笑)」と話を何気なく振ってきました。
「おいおい、やめろよ~(笑)」というAさんでしたが、たしかに現在の風貌からは想像もつきません。
初対面の私に対しても「本日は本当に勉強になりました。直接お聞きしたいことがたくさんあったので、急遽お食事に誘わせていただきました」という物言いでビールを勧めてきました。
そんな優しい物腰のAさんですが、受注の大半が紹介だという辣腕住宅営業マンだったのです。
AさんはLINE魔だった
住宅営業の世界だけではありませんが、お客さんと営業マンがLINEでやり取りをするケースも多いと思います。
ただ、その一方でLINE禁止の会社も相当数あるようです。
ビジネスLINEはいいけど個人的に使用しているものは不可という決まり。
私の考えとしては「いいような避けたほうがいいような・・・」と明快な答えが出ていませが、とにかく賛否両論があるLINE使用問題。
しかし、Aさんは自他ともに認めるLINE論者。
どんなお客さんであっても積極的にLINEでのやり取りをすすめ、仕事の話はもちろんですがプライベートのどうでもいいようなこともガンガン連絡するそうです。
LINEを使って契約前から完全にお友達
もちろん前向きではない人には、その雰囲気を察知してやり取りを控えるのですが、乗ってくるお客さんとは延々とLINEをやって半ば遊んでいるとのこと。
ところが、そんなお客さんとは高い確率で契約になるそうです。
周囲はハラハラしながら見ているらしいのですが、結果として契約を上げてくるわけですし、トラブルも一切なし。
それを止める理由がありません。
人たらしのAさん
一言で表現すればこういうこと。
そもそも初対面の私を「まぁまぁまぁ・・・」とその日の晩飯に誘うあたりがそうでしょう。
私も特に断る理由がなかったし、楽しそうに話しかけて来るAさんの勢いに押されてしまったわけですからね。
この手の営業マンはどの業界にも必ずいるでしょう。
住宅の知識がどうのこうのとか、提案力がどうのこうのではないわけです。
もちろんシビアな人には通じないのですが、Aさんが勤める会社はローコストの全国区フランチャイズの加盟店。
お金の余裕があまりない客層ということもあるし、プラン的にもさほどひねったものを要望されることもありません。
フランチャイズの名前はメジャーなので、そういう意味での知名度もあり信頼感も一定程度は担保されています。
ですから、このパターンの営業スタイルが通じやすいという側面はたしかにあるでしょう。
Aさんは契約のほぼすべては紹介受注
この日は食事をしながらいろいろと話をしたのですが、もっとも興味深かったのが紹介受注の多さ。
契約のほぼすべてが紹介らしいのですが、どうやってそんな情報量を確保しているのかが知りたかったのです。
Aさん本人はこう私に話してくれました。
「自分ではよくわからないのですが、おそらくは普段からのつながりでしょうね。私の日々の行動予定はお客さんへのメール、LINE、直接訪問、電話をOBの施主さんに対して頻繁に行っていることですからね・・・それだけかな」
これが答えだと私は思います。
つまりは、普段から頻繁にお客さんと接点を持ち続けることが紹介受注の源泉になっているということなのです。
もちろんこのほかにも要因はあるのでしょうが、Aさんにいくら聞いても「なんだろうな・・・本当に思い浮かばないのですよ」というばかりでした。
何かを隠しているというわけではなく、本当にわからないという様子でした。
人間力で紹介受注を取っている営業マンにはこのパターンが多いのです。
Aさんも自分ではわからない人間力で受注を取り続けているのでしょう。
積水ハウスの超トップ営業マンも同じく人たらし
もうとっくの昔に退社していますが、積水ハウスに伝説の営業マンがいました。
そして、この人も人たらしで有名でした。
このトップ営業マンと支店で同期だった社員の方と話したことがあり、いろいろとその秘密を聞いたことがあります。
テレビ、ラジオ、新聞などの取材もたびたび受けて出演したことも複数ある営業マンですが、やはり最もの核心部分は「ひとたらし」でした。
「あいつはとにかく人との距離が近いというか、どんどん詰めていくのでうざいタイプなんですよね(笑)でも、とくに年配層にはものすごく受けるんですよ」とのこと。
わかりますよね、若い層には疎ましく思われるかもしれませんが、年配層にはその近い距離間やコテコテのおもてなしや配慮がたまらないのでしょう。
② 暇があれば電話で雑談
③ 実際に顔を出す
④ 契約前段階は会うごとに直筆のお礼状を丁寧に書く
⑤ クレームがあれば全速力で自宅に急行して対応する
ざっとあげるとこんな感じだそうです。
食事に同席したAさんの同僚社員がこんなことを言っていました
話をAさんに戻しましょう。
紹介受注が多いAさんですが、やはり周囲の人に客観的分析をしてもらうほうが正確に核心部分をつくことができるかもしれません。
そう思って食事の席に同席した女性に聞くと彼女はこんなことを話してくれました。
「Aさんは女性にものすごく優しいんですよね。ひょっとしたら、それもお客さんの奥さんに受ける要因かもしれませんね」
このことは仕事に関係なく、世の男ならばみんなが知りたいことですがね(笑)
でも、この女性に優しいというのはなんだか核心をついている気がしないでもありません。
奥さんに気に入られることは住宅営業で成功する大きな要因の一つであることは間違いないでしょう。
本記事執筆講師が動画にてわかりやすく解説
工務店営業社員の育て方 「24年にわたって現場で営業育成をしてきたノウハウの一部をご紹介」
積水ハウスと 零細工務店で営業を経験したのち独立した私は、以後24年間に渡って現場で営業指導を行ってきました。
コンサルティング現場ではさまざまなことを行ないますが、今回の50分のビデオではコンサル現場で実際に行っていることも交えながら、3点にポイントをまとめて解説しています。机上の空論ではなく、すべてが 現場で実践してきた内容ですので、是非とも最後までご視聴ください。
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