世に言うところのローコスト住宅。
老舗のアイフルホームは今も健在ですし、日本中を席巻したタマホームなど相当数のローコストメーカーが日本には存在しています。
資金が厳しいからローコストで建築するのはわかりますが、手元資金に余裕のある方であってもローコストをやるケースも珍しくありませんし、営業マンのプレゼンに納得して大手のハウスメーカーからローコストに乗り換えたケースもあります。
この記事を書いている今もあるローコストメーカーにコンサルで訪問しているのですが、そこであった最近の事例もお話ししたいと考えています。
そもそもローコスト住宅の定義とは何なのか?
たしかにそうです。
こうとしか書きようがないですね(笑)
安く仕上げた住宅ということでよいと思いますが、安い住宅と安普請の住宅とは意味が違います。
たとえば老舗のローコストメーカーであるアイフルホームの家も、発売当時と比較すると質はもちろんですが、そのデザイン性も飛躍的に向上しました。
私は2000年ごろにアイフルホームと関りがあって、本部主催の勉強会を始め加盟店から声がかかってコンサルなどにも行きました。
そんな経緯もあって今でも当時の方たちとは懇意にしていますし、コンサルとして独立した人もいるので一緒に仕事をすることさえあります。
その当時ですら「ローコストでもこれで十分だな」と心の底から思った記憶があります。
細部にこだわりを持ったり、住宅設備機器も普通のものでは満足できない方には不向きですが、ごく一般的な住宅で十分だという方にとってはローコスト住宅で全く過不足なく満足してもらえます。
ローコスト住宅の販売テクニック
ローコスト住宅には販売テクニックがあります。
正確に言うと資金が厳しい方と余裕な方の2パターンがあり、そこを見極めたえで接客に臨んでほしいのです。
資金が厳しい方への接客
若年層で勤務年数も少ない。
赤ちゃんがいて奥さんも働きに出ることができない。
旦那の年収も300万円台で土地もない。
地域によりますが基本的にはローコストのお客さんです。
どう考えてもローコストでやるべきですし、住宅営業マンとしても背伸びをさせないようにアドバイスをするべきでしょう。
答えを話せば簡単なのですが、ローコストのお客さんは資金計画をいの一番に進めて行うのが鉄則。
展示場を見学しに来るわけですからもちろん案内をするのですが、一呼吸置いたところでお金の話を営業マンから持ち出すのです。
よくあるケースは、さんざん見学をして夢を語って要望もたくさん出たところで「ところで予算はどのくらいですか?」と聞いて「・・・」となることが往々にしてあるのです。
指導先の会社でも見かけるのですが、一番肝心な予算を聞き出さずに進行させていくケースがあり、お店の店長も注意するのですがなかなか直りません。
私もそんな営業マンを見ると、何回も何回も注意をします。
夢のある間取りや設備機器の話をするのは、営業マンにとってもとても楽しく充実した時間を過ごせます。
ところがお金という現実的な話でお客さんの顔をが曇るのを見ると、どうしてもテンションが落ちてしまうもの。
しかし、それを乗り越えて、話さなくてはいけないことは、しっかりと話さなくてはいけません。
単刀直入に聞く
これでいいのです。
この簡単な質問がなかなかできない営業マンがいますが、ローコストに限らず住宅営業マンには向いていません。
数千万円のものを買うわけですから、とにかくストレートに聞くのです。
資金計画の話を振ればお客さんから反応があるのでそれに対応すればいいだけのことですね。
もしやっていなければその場で促して計算をしてあげましょう。
計算をすれば自己資金、毎月の返済額、借入金額の限界などがわかってきます。
過去の事故歴などもそれとなくわかる
年収の少ない場合は過去に事故を起こしたことがある確率が若干高くなる傾向があります。
ですから、ローコストメーカーに来店したお客さんで年収が少なめの方の場合は「ひょっとして過去に事故とか起こしていないかな?」と勘繰りましょう。
こんな感じです。
面と向かって「過去に事故歴はありますか?」とはさすがに聞きにくいので、携帯電話の軽い滞納の話から切り込んで下さい。
もし、何かあれば「携帯電話でも引っ掛かるんですか・・・そうですね・・・う~ん」みたいな微妙な反応を示す人が出てきます。
そうすればしめたもの。
まずは本当のことを話してもらわないと話が進みませんから。
資金に余裕のある方の場合
予算が厳しい方はお金の話でガンガン行くべきですが、その逆のパターンでお金に余裕のあるケースではどう対応したらよいでしょうか?
①お金の話はさらっと済ませる
原理原則はこれでOK。
お金の話をする必要はありません。
もちろん見込み違いや、場合によってはお客さんの嘘や虚栄ということもあります。
ただ、嘘を言われるケースはあまりないので、お客さんの自己申告は信用して話を進めましょう。
実際にあった会話事例を掲載します。
客 「土地は自己資金で買い、建物分として1000万円くらいを借りようかなと考えているので、まぁ、大丈夫です」
営 業「そうですか。年収も800万円ということですので、弊社でなくても大手ハウスメーカーでも余裕でできますね」
客 「ええ、積水ハウスとダイワハウスからは見積もりを出してもらいました。ただ、かなり高いのは事実ですね」
営 業「積水ハウスさんやダイワハウスさんと厳密に比較をされるとあちらの方がいろいろな面で優れているとは思いますが、オーバースペックである必要は全くありません。また、弊社は総二階住宅ですが、デザイン性に満足してもらい間取りもご希望とあえば大きな差はほぼないです。その差額のお金で車を買ったり、お庭の整備をしたほうがよほど充実した家づくりになると思います」
ざっというとこんな感じの会話でしたが、この流れに賛同してくれたお客さんと契約が成立しました。
②高いお金を払うのは無駄である
これが結論。
いくらお金を持っていても、無駄な買い物をする必要はありません。
「頭の良い賢い人は〇〇を選択します」ということを遠回しに説明するのです。
これがもう一つの売り方です。
極論としてこの2例をお話ししましたが、基本的な考えはこれで大丈夫でしょう。
あとは臨機応変に対応してください。
本記事執筆講師が動画にてわかりやすく解説
工務店営業社員の育て方 「24年にわたって現場で営業育成をしてきたノウハウの一部をご紹介」
積水ハウスと 零細工務店で営業を経験したのち独立した私は、以後24年間に渡って現場で営業指導を行ってきました。
コンサルティング現場ではさまざまなことを行ないますが、今回の50分のビデオではコンサル現場で実際に行っていることも交えながら、3点にポイントをまとめて解説しています。机上の空論ではなく、すべてが 現場で実践してきた内容ですので、是非とも最後までご視聴ください。
今年度はひとり親方の 大工さんから、上は年間2000棟以上こなしているパワービルダーの社員研修まで幅広く行っていますが、規模の大小に関係なく、ある事を徹底的に忠実に実行すれば 受注が伸びていくのです。