住宅展示場の営業テクニック【主寝室編】

主寝室という場所が展示場には必ずあります。

普通は2階の一角に設定されているわけですが、ここを説明するのにもテクニックは存在します。

テクニックの前に住宅営業マンとして知っておくべき雑学もありますので、今回のコラムではそうした余談も含めながら話を進めていきましょう。

2階の見せ所は主寝室のはずなのですが、接客現場を後ろから観察していると「なんだかな~」という迫力がないことがあまりにも多すぎます。

主寝室の接客で最初に確認するのは〇〇

「こちらが主寝室になります」

玄関からスタートして階段を上がり主寝室にあなたはやってきました。

展示場によっては豪華な家具やベッドを設置している会社もあるでしょう。

その反対に今現在通っているある会社の展示場には、ベッドすらなくただの空間になっています。

ここであなたはどう接客をしたらよいのでしょうか。

もちろん広さや一定の説明はしてください。

それはそれで基本事項になりますから。

ただ、次の観点を念頭に話をしてください。

主寝室は寝るための部屋なのかくつろぐ部屋なのか

接客で重要なことは自社の説明と売り込みですが、お客さんの要望や生活スタイルを自然に聞き取ったうえで売り込みをしないと、見当はずれの接客になってしまいます。

主寝室でも同じことが言えるのですが、売り込みや主寝室の説明を始める前に聞いてほしいことがあります。

【寝室は寝ることに徹した部屋にするのか、それともテレビを見たりながらスマホなどをしながらダラダラとくつろぐ部屋にするのか】

この二者択一を迫ってください。

迫ってというと語弊がありますが、ソフトな聞き方でうまくヒアリングして下さい。

「当然寝るだけの部屋でいい」

余分な機能はいらないし、中途半端なスペースを取るのならばその分だけ主寝室を狭くして、収納にするか子供部屋の広さに回してほしい。

こういう考え方の人に対して、いろいろと主寝室の機能や素晴らしい機能の話をしても無駄。

私であれば夫婦二人で最低限必要な主寝室の面積を話します。

「そのようなお考えであれば主寝室は6畳もあれば十分だと思いますよ。シングルベッドを二つおいても横幅は2mで足りますし、長さも同程度の長さで十分ですね。そして壁までの距離は〇〇cm程度ありますので・・・」

こんな感じで主寝室をコンパクトにまとめる提案をすればよいでしょう。

広さはいらないし寝るだけで十分だというお客さんに対して、あれやこれやと説明をしても意味がありません。

ベッドのサイズを覚えておこう

住宅営業マンが主寝室接客で知っておくと便利な数字があります。

それはベッドのサイズ。

つまり縦と横の長さです。

フランスベッドのホームページから抜き出したものを貼っておきますので参考にして下さい。

セミシングルからキングサイズまでの数字が並んでいますが、可能であれば全部覚えて下さい。

無理であれば、シングルサイズ、ダブルサイズ、キングサイズの3種類だけで構いませんから、縦と横の長さだけを暗記しましょう。

これだけ知っていると、主寝室でこんな会話を振ることができるのです。

※フランスベッドホームページより

「主寝室に今置いてあるベッドですが、シングルサイズのベッドを二つ並べてあります。シングルサイズだとざっくりいうと横が1mで長さが2mなんですよね。つまり、シングルサイズのベッドを2台置いてあるので2mの正方形になっています。もし、クイーンサイズのベッドを2台置こうとしますと幅がだいたい・・・」と言いながら手でその範囲を示すことができます。

展示場であれば通常はベッドなどの家具が入っているのでいいのですが、現場見学会では何も家具が入っていませんね。

そうしたときに「家具を入れるとこの程度圧迫感があります」「キングサイズのベッドを入れてもここなら余裕の広さが確保できます」などのトークができます。

「主寝室はくつろぐというか寝る前にだらだらしたいんですよ」

この手の人は結構いるのではないでしょうか?

すぐに寝るのではなく、スマホを見ながらダラダラとしたりコーヒーを飲みながらテレビを見たりする人です。

また、休日の朝に目が覚めてもすぐにはベッドから出ずに、これまたダラダラとそのままで時間をつぶすのが至極の楽しみということも考えられるでしょうね。

このような生活様式の方だと分かれば、寝室をいかに快適にするかの話をすべきです。

そして、その設計力やデザイン力が自分の会社にはあることをアピールしましょう。

「この会社と契約をしたら夢があふれる寝室の設計を提案してくれそうだな」と思ってもらえるはずです。

寝室の接客では照明の話も必ずしよう

照明に関して絶対に知っておきたい公式

細かいことまで知る必要はありませんが、次の原則だけは知っておくべきでしょう。

照度は光源からの距離の 2 乗に反比例する

とにかくこれだけ覚えて下さい。

このほかにもルーメンとかカンデラという言葉もあるのですが、そこまで覚える必要は住宅営業マンには必要ないと私は考えています。

コンセントの位置

照明と言えばコンセントやスイッチの場所や大きさも重要です。

とくに枕元でスマホを充電しながら寝るケースはごく一般的になっているはずなので、そのあたりにニッチを設計してスマホ置き場を作ると便利であることを伝えてほしいのです。

私はビジネスホテルによく泊まるのでわかるのですが、最近のビジネスホテルは、必ずと言っていいほどに枕もとにコンセントがあってスマホ置き場もあります。

照明の色

次のようなことも知っておくといつか役に立つでしょう。

もう十数年前ですが、東京の山手線ホームの照明を少し青みかかった色に変えたことがありました。

全駅ではなかったはずですが、たしか自殺が多い駅の一部に実験的に導入したことがありました。

青い色は人を冷静にさせて自殺を思いとどまらせる効果がある、という研究結果に基づくものですが、この話は主寝室の照明にも応用できます。

自殺は関係ありませんが、睡眠導入に時間帯はなるべく落ち着いた方がいいのは明らかです。

そんな話もしてみましょう。

そしてその反対の色は何か?

それは赤色です。

赤は人を興奮させますので、主寝室にはどう考えても不向き。

ラブホテルなら話は別ですが、個人宅の照明には赤っぽいのは避けたほうが良いのです。

色の話をしたら今度は直接照明と間接照明の話です。

展示場の仕様にもよりますが、おそらくは間接照明を多用した設計になっていることが多いはずですので、主寝室には間接照明がより効果が高い旨を話すとよいでしょう。

もちろん直接照明もダウンライトを中心に配置するほうが圧倒的に便利なはずですので、直接照明と間接照明の使い分けの仕方などを主寝室では話して下さい。

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