住宅フランチャイズに入ると接客現場でどんな変化が起こるのか?

地域の工務店として日夜頑張っている皆さんに向けてお話をしたいと思います。

「住宅フランチャイズに加盟する気などさらさらないけども、もし加盟したらどんな感じなのかな?」
「自分だけでやっているのにも限界を感じてきたから住宅フランチャイズへの 加盟資料でも取り寄せてみようかな」

住宅フランチャイズに対する印象は人それぞれだと思います。

しかし、全く入る気がなかろうと少しだけ興味があろうと、住宅フランチャイズに加盟すると実際どういうことが起こるのだろうか?メリットデメリットというのはどういうことがあるのだろうか?と考えたことはないでしょうか。

今回のコラムは 23年間のコンサルティング経験で数多くの住宅フランチャイズに関わってきた筆者が、皆様にその実態をお伝えしようと思います。

老舗のアイフルホームから新興フランチャイズまでさまざま

アイフルホーム、クレバリーホーム、フィアスホーム、WB工法、ブルースホーム・・・このような形で住宅フランチャイズの名前を挙げていくと、とにかくたくさんの名前が出てきます。

私は大小含めて今まで10社以上の住宅フランチャイズに関わってきました。

単純に営業マン相手の研修をすることもあれば、本部と一緒にさまざまな企画に携わったりもしてきました。

今挙げたこれらの住宅フランチャイズにも、何らかの形でわたくしは関わったことがあります。

接客の手ごたえは明らか

これは経験しないとわからないと思いますが、地場工務店としてお客さんを接客していたときと比較すると、明らかに接客はしやすくなります。

クレバリーホームを皆さんご存じですか?

全国47都道府県に出店を既に終えていますし、運営母体である新昭和は千葉ロッテマリーンズのスポンサーでもあります。

選手が打席に立つとき、ヘルメットにクレバリーホームと書いてあるのを見た記憶がある方もいるのではないでしょうか。

また、外野フェンスには大きな文字で㈱新昭和とも書いてあります。

「運営母体はプロ野球球団のスポンサーでもあります」 で信頼を得られる

「この会社を信用していいのだろうか?」に対して大きな効果あり

お客さんは住宅会社に対して2つの疑念を持っています。

① この会社は信頼に値するのだろうか?
② この営業マンは信頼に値するのだろうか?

展示場などでの初回接客で、この2点はなんとしてでも払拭しなくてはいけない問題です。

しかし、クレバリーホームと名乗ることにより、お客さんに対して一定の安心感を与えることに成功します。

私であれば次のようなトークで自社の安心性安全性を訴えるでしょう。

「クレバリーホームの運営母体は千葉ロッテマリーンズのスポンサーとなっていますが、プロ野球球団のスポンサーになるにはお金があるだけでは無理です。信頼のある企業しかなることはできません」

私の言わんとしていることはおわかりでしょう。

10年以上前の話になりますが、ホリエモンが近鉄球団を買収しようとしたことがありましたが、その時巨人を中心に猛烈な反対をされました。

「どこの馬の骨ともわからんやつが・・・」という趣旨を有名オーナーが発言した一件です。

つまり、いくらお金を稼いで莫大な資金力がある会社であっても、社会的に認められないと球団買収はできないわけです。

クレバリーホームはスポンサーであるので 球団運営とは違いますが、内容的には大きく変わりません。

ただ、フランチャイズに加盟した工務店は、あくまでも加盟店であり本部とは全くの別法人になります。

しかし、加盟するにあたっては本部の審査もあります。

ですからデタラメな工務店がクレバリーホームに加盟することはできないわけです。

つまり、この時点である一定の信頼性が担保されたことがわかります。

問題は②の営業マン個人の信頼性。

しかし、この営業マン個人の信頼性に関しては、積水ハウスやミサワホームといった大手企業でも全く同じことが言えるのです。

ですから、有名なフランチャイズに加盟すると、この2つの問題のうち1つをほぼクリアしたと判断できます。

フランチャイズの説明が難しいという問題点はあります

ただし問題点も発生します。

フランチャイズ加盟店の営業現場を観察すると、営業マンはお客さんに対して「弊社は〇〇ホームのフランチャイズ加盟店です」と説明するのですが、お客さんの中には「フランチャイズ加盟店とはどういうこと?」となかなか理解をしてくれないケースが発生します。

フランチャイズの名前を大きく看板として前に掲げているのに、出された名刺には【〇〇工務店】などと実際の法人名の社名が印刷されていたりすることが混乱の原因です。

こういう問題が実際には発生しますが、看板を使えることは営業上極めて有利だと言えるでしょう。

フランチャイズ本部のホームページをお客さんは見て安心する

一昔前と違い小さな工務店であっても非常に見栄えのするホームページを作る会社が増えてきました。

しかし、フランチャイズ本部が作成しているホームページはお金をかけているので見栄えもします。

また加盟店が全国に行きわたっていると、そのボリューム自体が信頼性にもつながるのです。

お客さんから見れば「すごいね!全国にネット網だ!」となるわけですね。

加盟料や展示場建設で二の足を踏むのは事実

フランチャイズに加盟すると、加盟料にはじまり毎月のロイヤリティなどさまざまな負担がかかります。

中にはロイヤリティがなかったりするケースもありますが、基本的には一定の金額がかかります。

ただ、その金銭的負担を上回るだけの大きなメリットがあるということは、私の経験からも明らかです。

本部を悩ませる〇〇な問題もある

本部は毎月のロイヤリティや、受注による部材の販売などで利益を上げていくのですが、加盟店の中には本部として非常に困る動きをするケースもあり、トラブルになることもあります。

〇〇ホームの名前で集客をして実際には自社の工法で建築する

実際にある話なのですが、私が仮にある有名なフランチャイズに加盟したとします。

そして、このフランチャイズ名を全面に打ち出した住宅展示場で集客をし、そして接客をしたとしましょう。

その結果お客さんと商談がはかどったとします。

もし、このままフランチャイズ名の住宅で契約をすれば、本部に対して報告をして部材を買えばそれに対するマージンというのが発生するのが基本的には当然だと思われます。

ところが、私が悪質なオーナーだったと仮定しましょう。

「本部へのマージンを払いたくないよな」

誰しもマージンは払いたくありません。

しかし、フランチャイズに加盟してその名前を使って集客するわけですから、当然そのまま契約をして本部にも利益の一部を還元させるというのが既定路線です。

しかし、接客で営業が次のようなトークでお客さんを誘導することができてしまうのです。

「〇〇ホームを気に入って頂いたようなのですが、ほぼ同じような仕様でしかも外観もほぼ同じようにして10%ほど安く建築することも可能ですよ」

このように持っていけるのです。

つまり、ブランド名を使わずに、その仕様やコンセプトなどを丸パクリして自社仕様で建ててしまうわけです。

このようにすれば、工務店としては本部へのマージンをそのまま値引きに回すことも可能となり、他社と競合していても勝つ可能性が高くなるわけです 。

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積水ハウスと 零細工務店で営業を経験したのち独立した私は、以後24年間に渡って現場で営業指導を行ってきました。

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今年度はひとり親方の 大工さんから、上は年間2000棟以上こなしているパワービルダーの社員研修まで幅広く行っていますが、規模の大小に関係なく、ある事を徹底的に忠実に実行すれば 受注が伸びていくのです。

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