国交省が認可する16団体の話を最近アップしました。
今回のコラムでは、16団体ある中の一つを取り上げ、どんな活動をしているのかをご紹介していきます。
一般社団法人住活協リフォーム(以下住活協)と聞いて「知っているよ」という方はほとんどいないでしょう。
ましてや、一般の方の認識はほぼ0と推測されます。
しかしながら、工務店にとってここに加盟していることによるメリットは大きなものがあります。
実際の現場で起こった実例も交えて、この辺りの話を今日のコラムでは取り上げていきましょう。
ただし、加盟しただけでは全く意味がありません。
どうアピールし、どう活用するのかが重要なのです。
一般社団法人住活協リフォームとは
以前もご紹介しましたが、この表は国交省のホームページから転載したものです。
中古住宅普及のためにはリフォームが欠かせないのですが、これを強力に推進する国としては、悪質な建築会社や、低レベルのリフォーム事業者を一掃したいとの強い思惑があります。
そこで、国が認可した団体に加盟すれば間接的に国のお墨付きを得られる、との建付けで仕組みを整えました。
その団体が上記の16社になります。
その中の12番目に住活協が入っているのがわかります。
住活協は他の団体とは少し組織が変わっている点があり、全国の有力建材業者が音頭を取り、それらの企業が東京で理事会を結成して運営を行っています。
研修制度が充実
会員向けの研修制度は他の15団体でも備えていますし、皆それぞれが研修制度に自信を持っていると思います。
私もすべての団体の研修制度を知っているわけでありませんので断言するわけにはいきませんが、住活協に関する研修制度をよく知っており、そのよく出来た内容にも感心しています。
法務研修
担当の弁護士さんがいるわけですが、その方が込み入った法律の話をしてくれる研修もあります。
私も先生の話を聞いたことがありますが、これが実にユニークで飽きのこない内容になっています。
法律関係の研修となると、ひたすら法律の内容を羅列されるだけだと思われがちですが、法律の知識がない建築業者の方に飽きさせないように話しをすることに極めて配慮した内容になっています。
私もこれまでの人生の中で、現役弁護士が登壇するセミナーや研修というのは10回以上受講した記憶があります。
その中ではダントツで面白く、くだけた先生です。
くだけたというのはもちろん良い意味でということです。
基礎研修
住活協に入会すると必ず受けなくてはいけない研修があります。
これが基礎研修ということになるのですが、これだけはしっかりと受講しなくてはならない研修です。
基礎研修ですから面白い内容ではありませんが、中身はしっかりしたカリキュラムになっています。
営業系の研修
難しい法律を学び、基本的な理念を学び、さらには様々なシステムや仕組みを勉強しても、営業力がなければリフォーム受注はとれません。
この営業系の研修では、他の団体と比較してもかなり秀逸な内容の実践テキストが使われていると推測しています。
そのまま内容をコピーしてお客さんに送付すればアポが取れるようなものに加えて、実際に現場で拾ってきたリフォーム受注に役立つ題材を細かく網羅している内容なので、テキストを手に入れるだけでも、この団体に入る価値があると言っていいことだと私は思います 。
こんな特殊兵器の使用権利もあり
この写真は私が撮影したものです。
ある建物の二階バルコニー部分を外側から調査するために、長い柄の付いたカメラを外から伸ばして撮影しているシーンです。
撮影してるいといっても実際に調査しているわけではありません。
調査しているところを再現してもらった写真です。
この撮影キットは、住活協に入会すると誰もが購入できるものなのですが、これを持ってお客さんのお宅に伺い調査をすると、話が円滑に進み、リフォームの受注が促進されるという代物です。
今回のコラムでその使い方は事細かに説明しませんが、生粋の営業出身である私から見ると、リフォームをとるための強烈な販促ツールだと確信できるものです。
実際にあった会員工務店でのリフォーム受注
住活協では現在300社を優に超える加盟法人がありますが、その中の一社が実際に受注したリフォームの話をしましょう。
受注金額1,000万円以上であったことだけを最初にお伝えしておきます。
この会社は比較的規模の大きな工務店で、小さいながらも住宅展示場を保有しています。
住宅展示場ですから、来場するお客さんは新築希望者がほとんどですし、それに対応する営業マンも新築のお客さんが来場する事を念頭において接客しています。
リフォームのお客さんは月に一組あるかどうか。
あったとしても、なかなか受注には至らなかったのが現状でした。
ふらりとやってきたお金持ちのCさん
私は直接やり取りを見てはいませんが、入社3年目の男性営業マンが展示場にやってきたCさんを接客しました。
話を少しするとCさんは「自宅のリフォームを考えているんですよ」と話した始めたとのこと。
住活協の話をしたら態度が一変
営業 「いいえ弊社はリフォームも非常に得意としておりまして、数は多くありませんがしっかりとやる会社です」
Cさん「そうですか・・・まあ、そうは言ってもリフォームはついでって感じですよね?」
営業 「とんでもございません・・・ おそらくご存知ないと思いますが国交省が認可する団体で住活協リフォームというものがございます。弊社はこちらに加盟しています。この団体は簡単に加盟することができなく、かなり厳しい入会条件があり弊社それをクリアしております」
Cさん「住活協リフォームは私も初耳ですね」
営業 「こちらのマークをご覧ください。これまで見たことがないと思うのですが、このマークが国交省認定のマークで、団体に加盟していないと使うことができないのです」
どうやらこんなやり取りを、営業マンとCさんとの間でかわしたようです。
この後はトントン拍子に話が進み契約に至りました。
ただし、トントン拍子といっても1,000万円以上のリフォームですから、見積もりと図面提示は4~5回ほどしたそうです。
「決め手は何だったの?」の営業マンに聞いてみた
極めて大きなリフォーム受注だったのですが、私が大きな関心を示したことは国交省認可団体の話をお客さんにした時の反応です。
営業が話すには「住活協の話をして認可マークお客さんにお見せしたら顔つきが明らかに変わりました。そして、その後、手持ちのパソコンに国交省のホームページを出し、さらに説明を加えました。とにかくやたらと感心してくれたのが印象的でしたね」
営業マンは私にこう言うのです。
もちろん、プランや見積もりの金額が予算にあったのは事実でしょうが、その取っ掛かりとして国交省認可団体というキーワードが大きく働いたことは間違いありません。
加盟している工務店としていない工務店との差は明らか
住活協でなくてもいいのですが、先に明示した16の団体のどこかに入ることを私は強くお勧めします。
もちろん加入しただけでは受注を取れませんが、いかに信頼ある工務店であるかをしっかりとお客さんに説明してもらえれば、高い確率でそれが通じて契約に結びつくと言えるでしょう。
加盟金などの安さ
最後に一つだけ付け加えておきます。
この団体の加入ハードルはそれなりに高いのですが、加盟金や年会費に関しては、おそらく他の16団体と比較しても最安だと思います。
「こんなに安くていいのかな?(笑)」
これはさすがにオーバーかもしれませんが、経費的なハードルが低いのは事実です。
細かい金額は私が認識しているものと異なる可能性もあるので書きませんが、安いことは間違いありませんので是非ホームページ等から問い合わせをしてみてください。
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