リフォーム営業に必要な補助金制度をわかりやすく

補助金や助成金などリフォーム工事に対する支援制度は、毎年の予算に応じて変化します。

そのため昨年まではあった支援制度が今年は無くなっている、あるいはまったく新しい制度が生まれており担当者が知らなかったなど、リフォーム工事のプロとしては『知らないでは済まない』のが補助金制度です。

こでは毎年変化する補助金制度を正確に把握する方法について考察し、現状の補助金制度の確認もしていきます。

リフォームに関する補助金の概要

最初に現在適用できる補助金制度の概要についてお伝えします。

長期優良住宅化リフォーム補助金

リフォームの前にインスペクション(建物状況調査)を実施したうえで、一定の住宅性能基準を満たし、さらに面積・居住環境・維持保全計画の策定といった要件に適合する住宅が補助金を受けられます。

住宅の所有者がリフォーム業者に工事を発注し、所有者が補助金を受取るタイプと、買取再販事業者がリフォーム工事を発注し補助金を受取るタイプがあります。

補助金は最大300万円で補助率は対象となる工事費用の1/3までであり、補助金の申請はリフォーム工事をおこなう施工業者、または買取再販事業者です。

これらの事業者を「補助事業者」と「補償事業者」といい事前に事業者登録が必要です。

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地域型住宅グリーン化事業

「地域型」と名がつくように地域の事業者がグループを形成し、共通ルールに則り省エネルギーや耐久性能が優れた木造住宅に改修する事業補助金です。

地域の事業者とは次の種類の事業者をいいます。

1. 原木供給事業者
2. 製材・集成材製造・合板製造事業者
3. 建材流通事業者(木材を扱う)
4. プレカット加工事業者
5. 設計事業者
6. 施工事業者

それぞれの事業者には最低1業者を加える必要があり、施工事業者は5業者が参加していなければなりません。

その他木材を扱わない流通事業者や畳・建具・瓦などの住宅資材供給事業者もグループに加わることができます。

補助金タイプが4つありリフォーム工事に適用できる補助金は次の2つのタイプになります。

1. ゼロ・エネルギー住宅型:上限140万円
2. 省エネ回収型:定額:50万円

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グリーン住宅ポイント制度

国土交通省が所管する制度で2020年度には「次世代住宅ポイント制度」が実施されていました。

次世代住宅ポイント制度は2019年10月の消費税10%への引上げにより、住宅購入者への支援政策として設けられたものです。

新築は最大35万円相当、リフォームは最大30万円相当のポイントが付与されるものでした。

グリーン住宅ポイントは新築工事・リフォーム工事に加えて、既存住宅の購入についてもポイントが付与されます。

新築は最大100万ポイント、リフォームは最大60万ポイント(既存住宅の購入の場合)、既存住宅の購入は最大45万ポイントが付与されます。

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ネット・ゼロ・エネルギーハウス(ZEH)補助金

経済産業省および環境省による戸建ZEHの補助事業です。

ZEHビルダーとプランナーに登録した事業者による設計・施工の住宅が対象になります。

補助金タイプは次の3種類となっています。

1. ZEH支援事業(ZEH:定額60万円、ZEH+:定額105万円)
2. 次世代ZEH+実証事業:定額105万円
3. 先進的再エネ熱等導入支援事業:上記「ZEH支援」か「次世代ZEH+実証事業」に付加して、種類の設備のいずれかを導入した場合の補助金(金額は設備内容により最大で90万円)

なお、令和2年度補正予算によるZEH支援事業はすでに公募が終了して申請はできません。

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次世代省エネ建材支援事業

既存の住宅に高性能な断熱材や蓄熱・調湿性能のある次世代省エネ建材で、外張り断熱か内張断熱をおこなうリフォーム工事が対象です。

賃貸住宅にも適用できる補助金であり補助金限度額は以下のとおりです。

1. 戸建外張り断熱:300万円
2. 戸建内張り断熱:200万円
3. 集合住宅内張り断熱:125万円

集合住宅は分譲マンションの場合は区分所有者が対象であり、賃貸物件の場合は1棟所有のオーナーになります。

リフォーム工事をおこなう施工業者に制限はなく、所有者が申請し先着順に審査がおこなわれ予算に達すると公募が終了します。

2021年8月現在は二次公募がおこなわれています。

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既存住宅における断熱リフォーム支援事業

以前は「断熱リノベ」と呼ばれていた補助金です。

最大で120万円が補助されます。

「次世代省エネ建材支援事業」と異なり「外張り」または「内張り」に限定されず、充填断熱の住宅でも適用されます。

戸建住宅は持ち家であること、集合住宅は分譲マンションであり全戸の改修が原則になっています。

施工業者に制限はありませんが、高性能建材と家庭用蓄電システムは登録された製品に限ります。

今年度は二次公募まではすでに終了しており、現在(2021年8月)は三次公募がおこなわれており10月から四次公募が予定されています。

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地方自治体独自の補助金制度

地方自治体がおこなう補助金制度はさまざまな種類があり、一覧表で表示することはできません。

該当する自治体にどのような補助金制度があるかを調べることのできる便利なサイトがあります。

補助金制度の複雑さを知っておこう

さまざまな補助金は所管する省庁が複数あり、わかりづらい原因の1つになっています。

前述した各補助金を所管別・窓口別に分類すると次のようになります。

補助金等の名称 所管機関 URL
長期優良住宅化リフォーム補助金 国土交通省 https://www.kenken.go.jp/chouki_r/
地域型住宅グリーン化事業 国土交通省 http://chiiki-grn.jp/
グリーン住宅ポイント制度 国土交通省 https://greenpt.mlit.go.jp/
ネット・ゼロ・エネルギーハウス(ZEH)補助金 一般社団法人 環境共創イニシアチブ https://sii.or.jp/zeh03/
次世代省エネ建材支援事業 一般社団法人 環境共創イニシアチブ https://sii.or.jp/meti_material03/
既存住宅における断熱リフォーム支援事業 公益財団法人北海道環境財団 http://www.heco-hojo.jp/yR03/danref/index.html
市区町村独自の補助金 自治体

URLを見るとわかりますが国土交通省が所管する3つの補助金については、詳細のわかるWebページURLが別々であり窓口が異なっていることがわかります。

また「既存住宅における断熱リフォーム支援事業」については、全国対象の補助金にかかわらず「北海道環境財団」になっており、ここにもわかりづらさがあります。

補助金制度の最新情報をキャッチする

補助金制度は毎年変わりますし、公募期間が終了している場合もあります。

最新情報をキャッチするには各補助金のスケジュールを把握しておくことと、最新情報をキャッチする方法が重要です。

スケジュールを把握する

補助金は国の予算にもとづいたもので、申請から補助金交付までのスケジュールが決まっています。

スケジュールを知らずにお客さまと補助金について打ち合わせをし、いざ申請しようとしたら終了していた・・・・・・このようなことは許されません。

スケジュールの一覧が下の図です。

リフォーム営業,補助金制度

公募や申請受付は「一次~三次」などと数回に分けて実施するケースが多く、随時ウェブサイトの確認をおこないスケジュール変更のチェックが必要です。

また上記スケジュール表には、すでに申請受付期間が終了したものは除いています。

最新情報は積極的に集める

国土交通省はメールマガジンやTwitter、Facebook、YouTubeを活用し情報を発信しています。

とくにメールマガジンは平日の夕方~夜にかけて毎日送信されてくるので、最新情報を見逃すことは少なくなります。

経済産業省や環境省が実施する補助金制度は、環境共創イニシアチブが窓口なっており情報は同機関のサイトからになります。

また民間サイトですが「住宅の補助金・減税・優遇制度オールガイド」では、住宅に関する補助金などを網羅的に詳しくまとめています。

リアルタイムに変更情報が更新されるかどうかはわかりませんが、しばらく補助金情報のチェックをしていないときなど、このサイトで確認するのも方法です。

昨年はあった補助金

補助金は毎年変更される可能性があることは前述のとおりです。

昨年度はあったが今年度はなくなったリフォーム関係補助金には次のようなものがあります。

断熱リノベ
・次世代リフォーム実証事業
次世代住宅ポイント制度
エネファーム補助金

現在も有効な補助金と誤解しないよう、常に最新の情報をアップデートするようにしたいものです。

まとめ

補助金制度は所管する機関によりしくみが異なり、非常にわかりづらいものです。

また国の予算にもとづいて実施されるため、毎年、基本的に変化します。

リフォーム工事をおこなうお客さまにとっては、重要な情報でありなおかつ正確でなければなりません。

新年度の予算審議によってスケジュールがずれることや、補正予算により旧年度の補助金制度が混在するなど、全体像を把握するには意外と時間がかかります。

また頻繁に利用する補助金であれば詳細まで把握することが可能ですが、あまり使っていない補助金についてお客さまから質問されると「調べてからお知らせします・・・・・・」などと、苦しい返答をしなければならないこともあるでしょう。

リフォーム営業にとって重要な「補助金制度」、最新情報に常にアンテナを張っておきたいものです。

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