【国土交通省が注意喚起!】不動産クラウドファンディングに潜む詐欺の実態

クラウドファンディングとは、「群衆(クラウド)」と「資金調達(ファンディング)」を組み合わせた造語です。

具体的にはインターネットを介して、不特定多数の方々から少しずつ資金調達を行う手法です。

この手法は、インターネットの普及に伴う形で、2000年代からアメリカで始まりました。

先駆的なウエブサイトが続々とリリースされたことにより、市場は急速に拡大していきます。

特に発祥国であるアメリカやイギリスにおいては資金集めの方法として、ごく一般的なものとなっています。

日本では2011年にリリースされた「READYFOR(レディフォー)」が、サービスの先駆けと言われています。

2011年と言えば東日本大震災が発生した年です。

そのため、資金調達の手段としてより、寄付する際のチャンネルとして急速に浸透した印象があります。

クラウドファンディングの歴史はまだ24年程度と新しいものですが、日本では古くから寺院や仏像の造営・修復のために檀家などから資金を集める「勧進(かんじん)」が存在していました。

もともとは仏門に入信したことを指す用語であったことから、当初は入信者の名前を記録した名簿を勧進帳とよんだのです。

やがて勧進帳は、神社仏閣等を改築する際の弁明書へと変化し、やがて寄進者の名前と寄付した金品の詳細を記した台帳へと変化したのです。

つまり、端的に表現すれば「寄付」もしくは「カンパ」の一環です。

もっとも、日本で浸透しているクラウドファンディングは「購入型(ふるさと納税型を含む)」、「融資型」、「ファンド型」、「株式投資型」などが多いでしょう。

これらを端的に表現すれば、いずれも起案されたプロジェクトに対し支援者が資金を支援し、その見返りとして出資額に応じた金銭や未公開株、サービスなどを得る仕組みです。

無論、リターンを要求しない「寄付型」も存在しています。

しかし、これが脚光を浴びるのは、大規模災害などが発生した時です。

このように様々な型式があり、日本でも浸透しているクラウドファンディングですが、近年、不動産に関する投資型クラウドファンディングで被害を受けた方が増加しています。

小口化不動産への投資をかたった詐欺的勧誘等に係る注意喚起

それを受け国土交通省は、「小口化不動産への投資をかたった詐欺的勧誘に係る注意喚起」を発しました。

今回は被害を防止するために必要な、詐欺的勧誘の具体的な手口について解説します。

不動産クラウドファンディングは本来、詐欺の心配はない

不動産クラウドファンディングは、不動産特定共同事業法に基づき運営されています。

したがってサービスを提供する場合には、不動産特定共同事業法第6条の「欠格事由」に該当せず、かつ同法第7条の「許可基準」と充足した上で国土交通大臣もしくは都道府県知事の許可を得る必要があります。

例えば資本金要件一つをとっても、第一号事業者(一億円)~第四号事業者(1000万円)の四段階に区分され、かつ純資産要件として、資産の合計額から負債合計額を控除した額が資本金等の100分の90に相当している必要があるなどの厳しい基準をクリアする必要があります。

したがって本来であれば、詐欺を心配するようなものではないのです。

それではなぜ、国土交通省が注意喚起するほどの被害が発生しているのか。

それは、「無登録もしくは架空業者による勧誘」や「自転車操業的な運営」によるものです。

先述したように、不動産を小口化した投資商品を扱う場合には許可が必要です。

正式に許可を受けた不動産特定共同事業者名や小規模不動産特定共同事業者名は、その種別と法人番号も併せ国土交通省のホームページに掲載されています。

不動産特定共同事業者許可一覧

本来であれば小口投資等を勧誘された場合、消費者は業者の許可・登録等について状況を確認する必要があります。

大切な資金を投資するのですから、これは自己防衛の手段として当然の対処ですが、この確認作業が徹底されていないことが、詐欺被害を拡大させている要因の一つです。

私たちが小口投資についての相談を受けた場合は、まず勧誘してきた業者が正式な登録を受けている業者か確認するようアドバイスすると良いでしょう。

営業トークや勧誘手法に注意する

不動産売買実務においても、「この物件は将来的に必ず値上がりします」や、「この場所は、絶対に震災の影響を受けません」など、契約締結の勧誘において、断定的判断を提供することが禁じられています(宅地建物取引業法第47条の2第1項)。

また消費者契約法においても、「当該提供された断定的判断の内容が確実であるとの誤認」の結果、契約の申込みや承諾の意思表示をした場合には、その契約を取り消すことができる(消費者契約法第4条第1項第2号)としています。

原則として人の世に「確実」は存在しません。

かろうじて「万物は終わりを迎える」ことだけが、確実といえるのかも知れません。

経済学や日常生活の予測においても不確実性の原則があてはまります。

これは、物理学の熱力学第二法則でも、常に増加する傾向を持つエントロピー(無秩序)がやがて崩壊や終焉に向かうことを示唆していることを踏まえても、唯一確実であると見解できます。

したがって不動産クラウドファンディングの勧誘時、「必ずもうかる」などのトークを展開する営業の扱う商品は、その時点で怪しいのです。

またリスクについて適切な説明を行わず、利益が確実であると誤認させたままの状態を放置している場合も同様です。

クラウドファンディング,被害

国土交通省は不動産投資被害の事例を、被害に遭いかけた例も含めホームページで公開していますが、販売形態のほとんどがインターネットです。

被害を未然に防止できている方は、業者や投資商品の調査を行うことで被害を免れています。

例えば、購入型クラウドファンディングの場合、実行者は景品表示法の事業者、特定商取引法上の販売事業者もしくは役務提供事業者に該当するとの見解が一般的です。

それにより、景品表示法の優良誤認表示(第5条第1号)、有利誤認表示(第5条第2号)が適用されます。

したがって、商品の優位性等について合理的な根拠が示すことができる場合を除き、過度に優秀さを喧伝する行為等は不当表示とみなされ、禁止されるのです。

購入型クラウドファンディング

国土交通省による注意喚起でも、実在するクラウドファンディングサイトを騙りながら、実際には偽サイトへ誘導する手口が紹介されています。

したがって、このようなサイトを警戒すると同時に、検討する場合は裏とりが必須です。

また、クラウドファンディングプラットフォーム事業者だけではなく、J-REIT(不動産投資法人)を騙る業者の存在も確認されているため、注意が必要です。

投資にリスクはつきもの

不動産に限らず、投資には相応のリスクが伴います。

ハイリスク・ハイリターンという用語が認知されているように、リスクが高いほどリターンも多く得られ、リスクが少ないほど得られるリターンが少ない傾向はありますが、いずれにしても相応のリスクは覚悟しなければなりません。

したがって、安全、確実、高利回りなどの用語が並べられているだけで、本来なら疑ってかかるべきです。

不動産投資はさらに、不動産全般に関する高度な知識が必要とされるのですから、素人は簡単に騙されてしまいます。

普及したことで、誰しもが気軽にクラウドファンディングや不動産投資ができる時代になりましたが、単に間口が広がっただけでリスクが減少したわけではありません。

二重譲渡や手付金詐欺、満室偽装やサブリース関連詐欺など、不動産投資に関連した詐欺的手法として様々な手口が確認されています。

そこに近年、実在する事業者の偽サイトを作り誘導するなどの手法を用いるクラウドファンディング詐欺が加わったのです。

いずれの詐欺においても、その信憑性について入念に調査すれば、未然に被害を防止できます。

一般の方では困難かも知れませんが、私たち不動産業者は詐欺手口の傾向を理解して、相談された場合には正しい知見からアドバイスすることが大切なのです。

まとめ

国土交通省が注意喚起しなければならないほど詐欺が横行している背景には、インターネットの普及や金融商品の複雑化など、過去の常識だけでは判断しにくい新たな課題が生まれていることが挙げられます。

7月1日に国税庁から路線価が発表され、全国平均が3年連続で上昇しており、特に東京圏では前年比10%以上上昇した地域もみられます。

一方で、地方都市や過疎地域では、大幅に路線価が減少している地域も存在します。

価格の2極化は今後も大きくなっていくと予想されます。

安く物件を仕入れ高く売ること自体に問題はありませんが、そのために詐欺的手法を用いるとなれば話は別です。

悪徳業者は価格差を利用して、虚偽の情報を提供したり、不当に高い価格で物件を売りつけたり、媒介報酬と別途に高額な手数料を請求したりするなど、様々な詐欺的手法を用いてきます。

そのため詐欺被害を防ぐには、十分な情報収集と客観的な判断が不可欠なのです。

しかし、一般の方がそれをするのは困難です。

悪徳業者は巧妙な話術で被害者を欺いたり、契約内容を不透明にしたりするため、被害者は自らが詐欺の被害者であることに気がつかない場合もあるのです。

したがって詐欺を未然に防ぐには、信頼できる業者を選ぶこと、必要に応じ専門家に相談することが不可欠です。

私たちは、このような原則を広く周知させるための努力を怠らず、それと同時にいつでも顧客からの相談に応じられるよう、日頃から詐欺的手法の理解に努め、それにより知見を深めておく必要があるのです。

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