【速報】駅まで距離の計測基準が刷新される。広告表記は要注意

令和3年10月22日、不動産公正取引協議会連合会の第19回通常総会において、広告表示に関する規約の改正案が承認されました。
これにより不動産広告は、今後、改正に基づいた物件概要で掲載しなければなりません。
もっとも改正案で承認された規約は、今後、消費者庁と公正取引委員会での文書審査を受けたあと、同庁と同委員会に認定申請されます。
認定後は周知期間として半年以上の期間を予定していますので、実際の施行は2022年度中と予測されます。

とはいえ、不動産公正取引協議会連合会で承認された改正案が、全面的に否決された事例は過去にありませんので、私たち不動産業者はいち早く改正ポイントを理解して、備えておく必要があるでしょう。
ご存じのように不動産広告は、インターネットや新聞折り込み広告など媒体によらず、記載しなければならない概要が明確に定められています。
今回の改正では、最寄り交通機関や近隣商業施設までの時間表記に関しても改正されています。

その背景には、業者によって物件の立地条件を優位に見せようと、物件概要に記載されている最寄り交通機関までの時間を、実際の経路である「道のり」ではなく、地図上の直線距離で「駅まで2分の好立地」などと広告掲載し、実際には5分以上の所要時間が必要であるといったケースが散見されるからです。
このような「物件概要書に記載されている所要時間では、走らなければ到着できない」などのクレームが増加しています。

また大型分譲マンションや分譲団地の場合には、全体の敷地も広大で、起点をどこにするかにより計測時間が変わってしまうなど、改正する必要性を認識した不動産公正取引協議会連合会が、数年前から準備を進めてきました。
ご存じのように宅地建物取引業法では、第32~34条にかけて下記のような内容が定められていますが、基本原則は「実際のものよりも著しく優良であり、もしくは有利であると人を誤認させるような表示」の禁止です。

① 誇大広告の禁止
② 広告開始時期の制限
③ 取引態様の明示
④ 表示規約によるルール
⑤ おとり広告の禁止

この宅地建物取引業法に定められている規則を、具体的な表示方法にまで落とし込み、管理しているのが不動産公正取引協議会連合会です。
不動産公正取引協議会連合会が定めた表示に関する公正競争規約は、不動産業界が自主的に定めた不動産広告のルールとされていますが、不当景品類及び不当表示防止法の規定に基づき公正取引委員会の認定を受けています。
つまり、不動産公正取引協議会連合会で定めた規約を逸脱した場合、宅地建物取引業法における第32~34条違反に該当するとして、処分の対象とされます。

今回はこのような前提に基づき、改正ポイントについて解説します。

【無料配布】査定依頼獲得のためのホームページ改善20の施策集

効率的な売主からの査定依頼を獲得していくためには、ホームページでいかに魅力を感じてもらえるかが非常に重要です。

本資料では、今日から始められるホームページの改善ポイントを整理し、20個の項目にまとめさせて頂きました。

公正競争規約は常に確認が必要

公正取引協議会連合会が定めた公正競争規約は、下記URLから最新の状態をPDFで確認することができます(今回の改正につきまして、執筆時点では反映されていません)

http://www.rftc.jp/koseikyosokiyaku/

広告表示,駅まで距離

特定時効にかんしての明示義務や、各種表示基準などが詳細に定められていますので自ら広告を作成する場合などではとくに注意して、表示方法に問題がないか確認したいものです。
またよくあるケースで「広告会社にまかせているので、ウチは大丈夫」だと思っている業者の方を見受けます。
広告業者が「不動産にかんする公正競争規約」を完全に理解しているとは限りません。
とくに不動産業者からの情報により広告に盛り込む、販売開始時期や最寄り駅までの距離表示は、提供された情報どおりに作成されますので、万が一処分を受けても、広告業者に責任を転嫁することはできません。

改正ポイント

改正されたポイントは主に下記の5点です。

最寄り交通機関までの時間表記方法

最寄り駅や商業施設への所要時間表記では、一団としての団地分譲の場合販売住戸のうち最も近い建物からと、最も遠い建物からの所要時間を併記すると定められました。
またマンションなどの集合住宅においては、敷地内の最短距離部分からの距離ではなく、建物のエントランス(出入口)を起点として距離を計測すると定められました。

電車等の所要時間表記方法

交通機関を利用しての電車等における所要時間については、通勤ラッシュ時の所要時間を明示することが義務付けされました。
平常時の所要時間の併記も認めるとされていますので、今後は2列表記が主流となるでしょう。

物件名称使用基準の緩和

団地やマンション名を検討する場合、これまでは物件が直接的に面していなければ不可とされていましたが、この基準が緩和され、公園や庭園、旧跡などに加え、海(海岸)や湖沼、河川の名称使用も可能としたほか、物件から直線距離で50m以内であれば使用を認めるとされました。

予告広告・シリーズ広告の表記方法追加

これまでは具体的表現ではないと禁止されていた「1棟リノベーションマンション」の名称使用が可能になりました。

インターネット広告における表示義務を追加

「引き渡し可能時期(賃貸では入居可能時期)」と、分譲物件では「取引条件の有効期限」の表示が義務化されました。

まとめ

今回の改正により、顧客に提供する物件資料に記載される概要も含め、とくに最寄り駅や商業施設などについての広告表示は、具体的な計測起点を明示して直線距離ではなく、「道のり」により計測することが求められるでしょう。
筆者の経験則ではありますが、「○○駅徒歩1分の好立地」などの直線距離で計測した表記は、顧客から見た場合の注目度が高く、広告による費用対効果で考えればメリットがあるように思いがちですが、表記された時間が実際と大幅に異なる場合には不信感の温床にもなりますので、必ずしも良い方法であるとはいえません。
コンプライアンスの遵守が企業に求められる昨今、時代に反するようにコンプライアンスの欠如が指摘される不動産業界だからこそ、いち早く改正された表示方法を取り入れることにより、自社の姿勢を周知することにもつながり、顧客の信頼が得られるようになるのではないでしょうか?

【無料配布】実践に即役立つE-BOOK40冊以上がタダで読める

Twitterでフォローしよう