住宅業界全般の流れとして、インターネットを使った集客割合が伸びている中、注文住宅においては、変わらず住宅展示場やモデルハウスでの集客が約半数を占めています。
しかし、住宅展示場へ訪れる以前の情報収集として、大半の顧客はWEBやSNSを利用しています。
今回の記事ではまだ有効な住宅展示場やモデルハウスへ誘導するために有効な集客方法やWEB施策のポイント、新人営業マンでも受注力を高められる展示場来場対応時に気を付けるべきポイントについて解説します。
展示場来場につなげるためのWEB施策
実際に対面で接客した方が契約率が高くなるのは今も昔も変わりません。
モデルハウスや展示場に来場する前に顧客がどういったことを考えているのか?どのような媒体を見て問い合わせに至ったか?を分析して、それに合わせた来場誘致方法を検討しましょう。
展示場来場前の顧客の心理
顧客は、展示場来場に「興味や欲求」などのプラスの心理と「警戒心」のマイナスの心理を持ち合わせています。
プラスの心理はある興味や欲求は、室内を見てみたい。金額が気になる。自分たちに合う土地や間取りがあるか聞いてみたい。ちょうど見合うものがあれば欲しい。といった心理です。
マイナスの心理である警戒心は、無理やり売りつけられそう、しつこく連絡がきたり訪問されたりしそう、買う気がないのに誘導されて無理なローンを組まされたりするかも.といった心理です。
警戒心を下げ、興味や欲求を膨らませることができると、展示場来場へのハードルを下げることができます。
特に奥様の心理ハードルを下げることが、ご主人様も含めて家族で来店を促すことができます。
展示場への来場理由からWEB集客の方向性を検討する
調査によると、住宅展示場を訪れる理由は「デザインを確かめるため」「イメージを膨らませるため」「性能を肌で感じるため」が半数を占めていることがわかります。
上記理由を踏まえて、展示場来場へつなげるために、WEBで顧客に伝えると有効な情報は下記のような内容となります。
① 外観や内装などのデザインを伝える「施工写真」
② 自社で建築することによってどんな生活やどんなプラスの恩恵を受けられるかといった夢を現実にした「オーナーインタビュー」や「オーナー宅の写真」
③ 構造や工法の特徴とそれによって得られる「建物性能によるメリット」
「施工写真」はSNSを利用して配信する
施工写真は、InstagramなどのSNSでの配信に向いています。
デザインのこだわりや対応可能な内装など、自社の商品をイメージづけする内容とします。
Instagramは写真を主体としているため、写真やトップ画像の見栄えが重要です。
ブランディングに合わせたデザインやフォントを使用するなど、目に留まる投稿を心掛けましょう。
特に、家づくり決定権者であることの多い主婦層からの支持を集めることが、結果的に来店に結びつく可能性が高まります。
コツとしては、家づくりのはじめ方や家づくりに関するお役立ち情報を発信すると、保存数の増加につながります。
何度でも見返すことができ、その他の投稿の確認もしやすくなるようにするようにしましょう。
社内で投稿担当を決めることで、コストも掛からず、載せる内容も社内情報から多く考えられますので費用対効果が最も高い手法と言えます。
有用な情報を小まめに配信し、有効なフォロワー数増加をKPIとして設定して運用していくことが重要です。
その他、建売住宅や完成現場のライブ配信も人気コンテンツです。
視聴者からのコメントで質問に答えながら見せることが可能なので、顧客のニーズを直接確認することができます。
「お客様の声」は、自社WEBサイトに掲載する
顧客は、自分たちのニーズやベネフィットを満たすために、住まいづくりを検討し始めます。
顧客のニーズやベネフィットで多い理由は、下記のような内容です。
そこからどのようなコンテンツが必要か?と逆算して考えると良いでしょう。
・新しい家で暖かく健康的に過ごしたい
・収納にこだわって、片付けに時間をとられずに快適に過ごしたい
・最新の住宅設備を使って、家事を効率化して、その分趣味の時間を作りたい
・リビングの見えるキッチンで、子どもを見ながら料理したい
・周囲に気兼ねせず、室内で子どもたちを遊ばせたい
・趣味の部屋を作って、ゆったり過ごしたい
・自宅でも落ち着いて仕事ができる空間を作りたい
・家賃を払い続けるなら、そのお金を自分の家に使いたい
・庭を作って、犬と遊んだり、バーベキューをしたい
・自然の多い郊外でのびのび暮らしたい
顧客の思い描く生活を身近に感じさせるのが、お客様インタビューや実際に生活しているお客様宅の事例写真です。
YouTubeを利用してお客様インタビューを動画で見られるようにして、どのようにして思い描いていた生活を手に入れたのか、実際に住んでみてどう感じるかを見せるのも効果的です。
「建物性能によるメリット」を伝えるには、リスティング広告が効果的
リスティング広告とは、検索サイトで関連するキーワードが検索されたときに上位にページが表示されるタイプの広告です。
興味のある顧客だけに絞って届けることができ、クリックされた数だけ課金されるので広告宣伝費の節約にもなります。
広告を開いたら、まず伝えるべきことは、性能の高い建物に住むと叶えられる生活です。
口コミ情報や施工写真、現場の作業風景などから「暖かそう」「快適に暮らせそう」といったイメージを掴めるような構成とします。
性能を保つための解説は箇条書きとイメージ画像程度に留め、詳細情報はWEBサイトへ誘導して確認させる導線をとりましょう。
また、可能であれば建売価格の表示や価格帯を掲載すると、WEBサイトへの流入数が上がります。
「自分たちにも手に入れられるかもしれない」といった期待を感じさせ、警戒心を下げる効果が期待できます。
最終的な目的としては来場を促すことなので、見学可能な建物の所在地や予約方法、問い合わせ先へのリンクはわかりやすいところへ配置するデザインとしましょう。
【新人営業マンでも受注力アップさせる】展示場来場時接客ポイント
WEBやSNSの対策で集客力が上がってくると、既に「量」としての集客は成功しています。
しかし、この先商談を進めるにあたり、住まいづくりを始める条件が整った際に声が掛かる「質」の高い顧客へと成長させられるかどうかは、モデルハウスや住宅展示場、建売などの実際の建物を案内する「初回接客」がポイントです。
予約なしで展示場に来場された顧客は、アンケートに記入をもらい、住所氏名などの情報を収集することが集客の成功となりますが、この場合も「質」の高い顧客となるような対応を行うことが重要です。
新人営業マンでも初回接客を成功させることが受注への近道になりますので、必ず抑えておきたいポイントです。
初回接客の重要性
初回接客をどれだけ丁寧に的確に行うかは、受注率に直結していると言われています。
住宅は高額商品のため、顧客は担当者との信頼関係を重要視しているためです。
顧客から信頼を得るには、不安や問題点の解決や、想像している新居で過ごすイメージをくみ取って、それを実現させる方法を提示することが必要です。
警戒心が高い状態では、顧客から情報を得ることができません。
まずは、警戒心を解き、気軽になんでも相談できる対等な立場であると感じさせることができると、購買意欲が高まったタイミングを逃すことなく声掛けされることが可能です。
特に住宅展示場に出展している場合、いかに自社の展示場を気に入ってもらえるかどうかによって帰宅後の家族の話題となるかが決まります。
その後の行動として気になった住宅会社のWEBサイトは必ず確認して、追加の情報を探し求めます。
経営者紹介やスタッフ紹介のページ、会社概要などを確認して、会社の信用度を確認します。
担当者の人となりがわかると安心を感じさせることができますので、休日の過ごし方や趣味といった担当者のプライベートの一面がわかる内容を載せることも効果的です。
特に新人営業マンにとってSNSは身近なツールでもあり、営業スキルがなくてもいち早く対策ができるので、他の営業マンとの差別化にも有効です。
まとめ
今回の記事では、リアル集客に結びつけるためのWEB対策や新人営業マンでも受注力を高めるポイントについて解説しました。
新築住宅では、モデルハウスや展示場への誘致がポイントとなります。
ブランディングや社名が認知されることは、顧客の選択肢に入り込むために重要です。
社名を聞いたこともない会社へ高額商品を依頼することは大きな不安を感じるためです。
成約へ結びつく可能性の高い顧客を集客するためには、警戒心を解かせ、隠れたニーズや新しい住まいでどのような生活をイメージしているかを把握することが重要となります。
集客数だけに目を向けず、自社のブランディングに合致する「質」の高い顧客を集めるための参考としてください。