スルガ・西武信金問題以降の投資系不動産会社の状況

2017年の終わり頃からスマートデイズ社を中心としたシェアハウス問題が取りざたされ、2018年の春・夏頃から、シェアハウス・中古一棟マンション・アパートへの不適切融資が日々クローズアップされ、2018年10月に、いよいよ金融用からの行政処分が下ったスルガ銀行。

同時期、同じように投資用不動産への融資に偏っていた、西武信用金庫にも調査が入り、不適切融資と併せて反社会的勢力に近いところへの融資が発覚と、世間を賑わせたのは記憶に新しいところです。

これら不動産投資、投資用の収益不動産に対してのネガティブなニュースが流れ続けた後の、いま現在の状況について、イチ営業担当者のポジションからお話ししてみます。

スルガ銀行が(融資候補から)消え、西武信金が締り、りそな銀行が多法人スキームをめくり始め…。

その頃から比べると、投資用不動産、特に一棟収益(マンション・アパート)物件をサラリーマン大家さん向けに販売、仲介する不動産業者の数は激減しました(店じまいをした有名所では、「水戸大家さん」など。)

特に、いわゆる「スルガスキーム」と呼ばれた、エビデンスの偽造や有印私文書偽造をして、本来は融資が得られない人・物件でも無理くりやってしまう方向に傾注していた不動産業者(三為・仲介ともに)で元気なところは皆無です。

では、そういった不動産業者・営業担当者達は今どうなっているのか?

「一棟収益不動産の融資が出ない」しかしながら、「区分マンションへの融資は出る」。そういったところから、会社として同じ投資用でも扱う商品を区分に比重を置いたり、営業担当者としては、そもそも転職して区分屋さん(新築ワンルームの販売・中古物上げ)に鞍替えしたりする人は続出しました。

そして、「投資用は動きが悪い、ただ住宅ローンは相変わらず低金利で出ていて、実需は売れている」。こちらに着目して、大手不動産仲介を含め、実需仲介(流通)業へ転職した営業担当者も耳にします。

それでは、融資が簡単にいかない「一棟収益不動産」を未だに中心に据えて営業しているのはどのような不動産業者か…というと、

・王道な不動産投資を薦めている不動産業者。
「自己資金を持っていて、その一部を投下して購入できる顧客」を数多く抱えている会社は、融資が一昔前に戻ったような、今の状況でも数字はあがっています。

・資力のある人にウケる、今の融資情勢に合致した物件を提供している不動産業者。
都心部のど真ん中を扱う不動産業者や、土地の積算が出る物件、築年の浅いRC物件など、お金持ちウケ・今どきの金融機関ウケをする物件に傾注しているところは元気です。

・法人需要を取り込めているところ
一般事業法人、つまりは不動産業者ではなく製造業であったり、運輸業であったりといった一般企業については、「不動産」に貸したくても貸しにくい雰囲気でお金が余っている金融機関が是非貸し出したい先となっています。

何れにしても、「スルガスキーム」でウハウハだった、「ただの三為業者」のままの業態でいたところは、とても厳しい状況か、既に解体済み、もしくは業態変更に向けて模索しているのが現状です。

今後どうなるのか?

投資用不動産の盛り上がりは、ひとえに金融機関の融資情勢次第です。ここの蛇口の開き具合によって、売買の活発さ、価格・利回りへの反映となっていきます。

件のスルガ銀行ですが、投資用不動産への融資自体は今年(2019年)7月頃から、再び融資が出ているそうです。

ただ、もちろん前の勢いで地方の古めの一棟マンションに「エビどう?」とか「カーテン行きます!」と行くわけはなく、耳にしているのは

  • 新築
  • 頭金1割
  • 金利3%未満、期間30年
  • 東京都内

このような内容です。

今でも「新築」であれば、さらには「東京都内」なのであれば、取り組む金融機関も数多くありますので、イメージが谷底にまで到達しているスルガ銀行をワザワザ使う理由もあまり見当たりません。

とりあえず、認識としては、「融資自体は再開した。しかしながら、再開後の実績はまだ数が少なく、どこに強みの有る金融機関となっていくかは見えないところ。」というのが、概ねの見え方でしょうか。

西武信金も一時期審査が止まりかけていましたが、近頃では「出している」との噂。その他、地銀・信金も、「自己資金2割~4割入れて下さい」みたいな厳しい事を言われるケースが少なくないものの、物件が合致すれば一切融資を出さないというわけではありません。

金融機関にはお金がダブついているので、その資金の行き先として、住宅ローンより利ざやも取れる投資用一棟不動産への融資はやりたいハズ…、けれども目立って金融庁に刺されるのは不味い。そんな環境が伺えます。

スルガ・西武信金問題が喉元を過ぎて落ち着くのに、どれくらい掛かるのかは分かりませんが、数年、2-3年くらいは融資が緩むことは無いのかな…?というのが雰囲気を感じるところです。

ただ、これは日本の不動産に直接的なものではありませんが、俯瞰して世界情勢に目を向けてみると、ドイツ銀行の破綻・米中の貿易摩擦・韓国のデリバティブ・アルゼンチンのデフォルトなど、至るところに爆弾があるのが今(2019年8月現在)の状況です。

また国内では、直近のところで2019年10月からの消費税増税が待ち構えていますので、これによって、景気が悪くなることは想像に難くないところ

どこがトリガーになるかは「神のみぞ知る」ですが、融資情勢がよくなる以前のところに、懸念材料が多すぎて、リセッションに入っちゃうんじゃないの?というのも見え隠れするような…。

とりとめもなく纏めてみましたが、昨今の「投資用」不動産業者の近況でした。

厳しい環境ではありますが、皆様、各々の戦場で頑張ってまいりましょう。

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