既存住宅の窓を断熱改修するための工事費用を、最大200万円補助する制度がスタートします。
経済産業省と環境省は2050年のカーボンニュートラルに向けて、既存住宅の省エネルギー性能向上を目指し開口部を高断熱性能に改修するよう、同制度をとおして後押しをし住宅の省エネ化を進める計画です。
補助の対象となる高性能製品は断熱性能を表す熱還流率が1.9以下、建材トップランナー制度で30年の目標水準を超える製品など、一定基準を満たしたものになります。
補助金を受けるには改修工事を行う事業者が申請を行うので、住宅所有者などの発注者は手続きが不要となります。
2022年度は1,000億円を第2次補正予算に計上しています。
日本政府は2050年にカーボンニュートラルを宣言しており、2030年には温室効果ガスの削減目標を2013年度比46%としており、家庭部門での削減目標を66%としています。
しかし日本の住宅の約9割が現行省エネ基準を満たしておらず、既存住宅を含めた省エネルギー対策が急務となっています。
省エネルギー対策としての断熱改修は、家庭部門のCO2排出源の大半を占める冷暖房効率を向上させ、エネルギー消費量の削減に大きな影響を与えます。
今回の補助金制度は既存住宅の断熱改修を推進させ、CO2削減目標の達成と家庭における電気料金の削減に寄与すると経産省・環境省は捉えています。
建材メーカーのLIXILのデータでは国内の既存戸建て住宅のうち、断熱対策がとられていない単板ガラスの住宅は1,650万戸と約6割あり、これらの住宅を断熱改修したと仮定すると年間660万トンのCO2排出削減量が見込めると言います。
その場合の1戸当たりの冷暖房費節約効果は年間2万円と試算されています。
元記事はニュースイッチ