前回の記事では、物上げでやってはいけない3つのことを筆者の実体験をもとにお話した。
今回は、私が起業してから後悔したことの中から、「営業マンを雇って大きく展開したい人」ではなく、「事務員は雇っても基本的には一人」で自分の思うままに不動産業をやっていきたいと考えている人に向けて、「起業前にやっておかないと後悔する3つのこと」についてシェアしたい。
あなたが勤めている会社に歴史や実績があればあるほど、あなたが社内でどれだけ優秀な不動産営業マンだとしても、起業した瞬間に「会社の信用」(看板力)のありがたみを痛感することになるだろう。
私の性格は、営業マンとしては失格な重度の人見知りで、しょーもないプライドのために人に頭を下げて教えてもらうのが嫌、人を信用するのが苦手なことから、誰にも相談できずに自分の頭を打って多くの時間とお金を浪費してきた。
あなたが今後、不動産屋として起業したい営業マンなら、下記のことを起業前にやっておけば、起業後も潰れずに生き抜くことができるので、ぜひ一度、試してみてほしい。
後悔しない為にやること1・自宅より先に収益物件を買う
一言で言えば、資産の確保である。
資産があれば、賃料や売却益でお金を生むことができる。
ロバート・キヨサキ氏の有名な本「金持ち父さん・貧乏父さん」でも書かれているとおり、自分が住む為だけの家はお金を生まない負債である。
これに対し、アパートやマンション、店舗付住宅など、他人に賃貸して、その家賃であなたのローンを返済できるのが資産といえる。
私の大失敗その1は、会社員時代に住宅ローンを組んで自宅を購入し、起業後に収益物件を買おうとした。
もちろん、起業して実績やお金もない私に銀行がお金を貸してくれることはなかった。
会社を辞める前に、できる限りのローンを組んで利回りよりも立地を重視した1棟もの収益物件を買っておこう。
できれば、自宅や起業後に使える店舗事務所としても使えるものが理想的だ。
こんな物件は探してすぐに見つかるものではないので、日頃からチェックしておくようにしたほうがよい。
後悔しない為にやること2・起業エリアを吟味する
要するに、不動産需要の高い地域で起業するということ。
ご存知のとおり、不動産は売却益や仲介手数料、賃料が収入となる。
主要都市の一等地や地方の三等地を取引してもやることは同じなのに利益では大きな違いがでる。
私の大失敗その2は、妻の反対を押し切り、「地元であること」「両親が子供達の面倒を見てくれてるので夫婦共働きしやすい」というだけの理由で実家の近所で自宅を購入し、その自宅の一室で起業してしまったこと。
これは、人によって価値感が異なるため一概には言えないが、もっと不動産の流通量や単価の高い中心部近郊で事務所を構えるべきだったと思うし、自宅で起業したので通勤時間がゼロになる代わりに他人を雇いにくい。
なので、事務所スペースは分離すべきだと思う。
ちなみに今の私は、自分でこなせない部分についてはアウトソースしている。
後悔しない為にやること3・付き合う仲間や客を選ぶ
一言で言えば、頼れる人脈を構築しておくということ。
私も若いうちは、「人は金に寄ってくる」と思っていたが、ところが実際は、「人は人に寄ってくる」ということである。
良い人脈とはまさに金脈そのもの。
つまり、常にコツコツと人脈作りに自分の時間とお金を投資すれば、仕事で路頭に迷うことはないだろう。
しかし、人脈は誰とでも繋がればいいというものではない。
人脈作りのほんの一例をあげると、
・管理なら家主に相続対策提案(ニュースレターを毎月発行など)
・売買仲介なら金主開拓(融資担当に紹介してもらうなど)
・リフォーム営業なら業者開拓(競売落札者や新規宅建業者など)
と他にも多々あるが、あなたが理想とする仕事に結びつくのは誰か?を常に意識して付き合う人を絞り込んでみよう。
私の大失敗その3は、起業するまで18年間も不動産業界にいながら、頑張ることは自分や家族の為だと言い聞かせながらも多くの時間を会社の為に費やしていたこと。
その為、起業後に頼れる金主が一人もいなかった。
今思えば、サラリーマン時代にただ同然の金利で銀行にお金を預けているよりも、給料は毎月入ってくるのだから、お金は全額投資に回すべきだったと後悔している。
話は脱線するが、あなたが今、副業またはフルコミの個人事業主として確定申告をしているなら、完全に独立してから融資を受けようとしても第二創業扱いとなり、一般の融資よりも借りやすい創業融資は認められない(私の場合は第二創業となり公庫から200万円しか借りれなかった)ことがあるので、金主や資産の確保は起業前にやっておこう。
最後に、「起業前にやっておかないと後悔する3つのこと」をまとめると、
2.起業するエリアをよく吟味する
3.付き合う仲間や客を選ぶ
もし、あなたにこれら3つのことが準備できているなら、思い切って起業するべきだ。
万が一、失敗したとしても命まで取られることはないので恐れることはないし、失敗を恐れて挑戦しないなら絶対に成功はない。
この記事を読んでくれている努力家のあなたへ一言。
起業することでしか見えない世界や感覚がいつでもあなたを待っている。
<次回は、コネなし金なしで起業して実績もない不動産屋ができる物上げ3選について>
なぜ、競合他社からもアプローチを受けているはずの所有者さんは、ほぼ一人でやっている看板力ゼロの不動産屋に任せてくれたのか?その手法や理由についてお話しします。
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