管理職5年目から4期連続予算達成へ!part1『達成を支えた5つの仕組み』【トップ管理職への道】④

私の所属する朝日リビングは、一都三県に11営業所があり正社員は約120名、パートタイマーなど含めると300名規模の会社です。

私は2007年から管理職となり、年間の営業所成績1位を6度に渡り経験いたしました。

そして現在は、11営業所を任される「統括指導者」という立場になっております。

4回目である今回は、管理職で成功した5年目から行った5つの「仕組み」を紹介します。

※前回の記事はこちら

①管理職主導の媒介報告システム

媒介報告は営業マンにとって、ついつい疎かにしがちな業務です。

私自身、媒介報告が苦手で電話で報告したり、文書もしくはメールで報告したりと、統一性がなく2週間おきに完璧に出来ていなかったのが実情です。

そこで
管理職として媒介報告を完全に管理してしまえば営業は楽になるのでは
と考え、以下のようなシステムを構築しました。

システムの概要

当時の大宮営業所では、預かっている物件が約100件、その媒介報告書を所長が2週間に一度、すべて印刷をします。

印刷した報告書は各営業担当の机に配布します。

ただの報告書だと他社との差別化ができないので、担当者コメントは空欄にしておき、各担当者はその欄に手書きでコメントを書きます。

そして担当者コメント欄の下には不動産業界のニュースを私が書き入れておきます。

所長のコメント欄には個人的な所感も書くのですが、全体的な不動産市場を見ながら「今が下げ時ですよ」とか「リフォームをした物件が売れて行っております」など市況ニュースを入れておくと、営業マンはそれに合わせたコメントを書いていきます。

おまけで毎回季節に応じたイラストや挿絵なども挿入したり、かわいいデザインの切手を使用したり、売主様を飽きさせないような工夫もしております。

導入後の成果

この媒介報告を導入して得られた成果は以下の通り

● 一般媒介が専任媒介に切り替わる
● 毎回手書きで報告しているので、一生懸命さが伝わりやすい。価格交渉などが入った時に、「情」による価格交渉をしやすくなる。
● 上司による全体的な商品化の操作がしやすい
● 部下が自信を持って「2週間に一度報告します」と売主に言える
● 手書きで書くので、書いている間は「どうしたら売れるのか」を営業は真剣に考えてくれ、売主様に一生懸命さが伝わりやすい。
● 手書きなので、売主様が媒介報告書をずっと保管してくれている。
● 専任媒介が切られにくい。

※管理職が全員の媒介報告を印刷するのは大変なのでは?

これは、エクセルにて物件を管理しており、そこからマクロを組んで印刷をかけていたので、印刷するのはボタンを押すだけの作業です。

ベースは2週間に一度、管理職が作るのですが、不動産の市況ニュースと所長のコメント欄の記入。

イラストの挿入なので、作成にかかるのは約1時間程度です。

余談ですが、2億5千万円のビジネスホテルを約7年かけて販売していたのですが、成約した時に言われたのが「2週に一度頂いていたお手紙が無くなるのは寂しい・・・」というお言葉でした。

その売主様とは今でもラインでやりとりしているのですが、媒介報告を「お手紙」として受け取ってもらえていたので、より親密な関係が築けていたのかなと思います。

手書きの効果は、年配の方には絶大な効果を発揮します。

売主様の大半は50歳以上の年配の方が多いので、この手書き媒介報告はより大きな効果をもたらします。

一般媒介が他決する。専任媒介3ヶ月後に他社にいってしまう。価格交渉が上手くいかない。などを解決する手法なので、是非お試しください。

②売反響を部下へ安定的に提供する仕組み作り

私は管理職として「売物件が安定して取得できているか」を特に注視しておりました。

業者売主物件と自社媒介物件との反響率は大幅に違います。

小売店と同じで、お店に商品が沢山ありバリエーションが豊かなほど、お客様は集まりやすい。

この理論で、常に販売している物件の総数とバリエーションはキープしないといけません。

管理職として、その大元である営業マンへの売反響を安定させる事に注力しました。

行った事は以下の通りです。

(1)空室DMのシステム化
営業マンが、チラシやDM投函など行った時に見つけた空室に対し、パートさんがDMを送付するシステムを所内で構築
(2)開示請求DM
法務局より登記簿上で変動があった一覧の「開示請求」を行い、DMを発送する。
(3)一括査定サイトの利用
上記2つで反響数を見ながら一括査定サイトの上限を設定し、新規反響を供給する。
※一括査定サイトについては後日、使用感や成果内容など公開します。
(4)競売による落札業者へのアプローチ
競売落札予測システムを構築し、競売業者へ落札前からアプローチや情報提供を行い、落札後に媒介にて預かる。
(5)ランチェスター戦略によるポスティング効果
駅から徒歩20分以上離れた場所に、ポスティング業者によるチラシ投函。駅から離れれば離れるほど競合他社が減るので、効果が出やすい。
(6)売り物件が出そうな場所を指令する
長く同じ地域で営業をしていると、物件が出るタイミングや流れがつかめてきます。その感覚的なものを部下に指示する事で、自身のカリスマ度も上昇し、成果も出やすくなります。

③反響時すぐ対応できるアプローチブックの提供

営業マンはお客様と接する時に、よく使用する書類をひとまとめにして持ち歩いております。

それを弊社ではアプローチブックと呼ぶのですが、これが営業によって内容の質が大きく異なります。

新人営業のものは内容が薄っぺらいし、ベテラン営業マンはベテラン営業マンで、内容は濃いのですが、売却の流れなどの説明を端折ったりします。

また、出来る営業マンは肝心な購入申込書や媒介契約書などの消耗品の使用頻度が多く、補充し忘れなどもございます。

そこで、そういった質の差を埋めるべく、高水準に安定した接客が出来るようなアプローチブックを作成しました。

一人のお客様に一冊を使用する仕様で、営業マンは接客するたびにお客様にお渡しできる様なアプローチブックです。

購入者向け

冒頭にSUUMOやダイヤモンド社の「今買うべきか」「今年は買い時」といった記事を入れておき、接客時に使用しやすい工夫をしております。

・購入の流れ
・諸費用
・購入申込書

上記のような基本的なものから、お客様によく質問される「マンションはどれぐらい持つのですか」という質疑応答の書類、住宅ローン審査を先にやりたいと言われた場合に備え、各銀行の事前審査書類を3種、住宅ローンを審査する前のチェック表などを入れていました。

このアプローチブックの活用方法などを、レクチャーし接客の質の安定化を図ります。

売却者向け

冒頭には「これからの住宅市場がどうなるか」という国土交通省のデータや、各雑誌などの記事を入れており「今売るべきか」「今が売り時」などの説得力のある切り抜きで、営業マンはそれに沿って接客します。

その他には、購入者向けと同様に売却の諸費用、媒介契約書(専属・専任・一般)、付帯設備表、物件状況報告書、売主アプローチ表、売却の流れ、など基本的な書類を入れております。

売主様により感心して頂くような工夫がしてあり、売反響の接客についてはミーティングなどのレクチャーは多めに行っておりました。

④パートさん三分割法

パートさんは、私が管理職としてかなり苦労した部分です、ここではパートさんを募集する要綱から、どのようなパートさんを採用するかをご説明します。

パートさんは同じ仕事内容をさせると能力差が出てしまい、片方に不満が溜まってしまいます。

その過去の経験からパートさんにはそれぞれ違う仕事内容を行わせるのが基本です。

また、パートさんには「より稼ぎたい」という意欲のある方を採用しがちですが、私は主婦であり扶養控除以内で働きたいという方にしぼりました。

基本営業所はパートさん3人。

週3勤務目安。

出社時間はフリーにし基本10時~12時までの間。

退社時間もフリーなどの特典をつけました。

募集では、上記の拘束時間をフリーにし、写真を女性やぬいぐるみ(スーモ君)などを活用した所、大宮営業所では2週間で最大42件の問い合わせ。

採用基準としては以下の通り

〇学歴が高いパートさんは除外
仕事の覚えが早いが、すぐに仕事に飽きて辞めてしまう為。
〇ある程度の頭の回転を重視するが、早すぎるのは除外
営業マンより優秀すぎると、社員を下に見てしまい所内の雰囲気を悪くしてしまう為
〇家庭環境が安定している
職場ではヒステリックは禁物、より安定していそうな家庭環境が望ましい
〇お金に苦労していなそう
お金に苦労しているパートさんは時給の値上げなど要求され後々苦労する為
〇性格重視
とにかく明るい雰囲気を重視。暗いと他の社員にも影響してしまう為

※採用後に気を付けていたことは、平等に接するという事です。

会話時間なども平等にするほど徹底しておりました。

⑤所内の雰囲気作り

アメリカの実験で、雑談自由のチームと私語厳禁のチームに同じ作業を行わせました。

結果、雑談自由のチームの方が、作業がはかどったという結果になりました。

所内はとにかく明るい雰囲気で仕事し、笑いがおきるような雑談もかわし、楽しい感情で仕事できる職場づくりを行いました。

またこれに貢献してくれたパートさんが一人おり、とにかく明るく行動力があって、チームのムードメーカーになってくれたのも成功の秘訣でした。

部下には「いらいらするなよ」と常に言っており、「いらいらしているとクレーマーなお客様が来るぞ~」と言って脅しておりました。似た物同士が集まると、昔の人は言っておりましたが、正にその通りで、楽しく笑顔で仕事すると、お客様もすごい優しい方ばかりだった記憶がございます。

まとめ

店舗はその支店長により、良くも悪くも雰囲気が左右されてしまいます。

トップがそのような心掛けを持つことにより、職場の雰囲気もガラリと変える事が出来ると思います。

是非、働き方改革のこの時代、試してみてはいかがでしょうか。

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