大阪府の賃貸マンション5棟において、架空のリフォーム代金を支払わされるという事例が発生し、該当案件の管理委託先を担当していた賃貸不動産仲介大手の株式会社エイブル(東京都港区)が、大阪府に拠点を置く所有会社の株式会社ファインマネジメントによって大阪地方裁判所に提訴されていました。ファインマネジメントはエイブルに対し合計約2億7900万円の損害賠償を請求しており、一度はエイブル側がかつて勤務していた派遣社員が不正に関与していたことを示唆し示談を持ち掛けたが、成立することはありませんでした。
画像はYAHOO!JAPANニュースより
一方のエイブル側は、当該の派遣社員が独立的な意思に基づく個人として不正に関与し同社に社会的信用を失わせたとして、大阪府警に刑事告発を行っています。さらに2019年にエイブル・派遣会社・ファインマネジメントの3社で損害請求額を等分する示談案を提示するなど多くの火消し策を投じてきました、ファインマネジメント側はこれに応じることはありませんでした。
最終的に訴訟に発展する形となりますが、それでもなおエイブルはファインマネジメント側への責任の所在を認めさせる姿勢です。答弁書によると、エイブルに法的な責任が認定されたとしても、原告側の税理士がリフォームにおける不審な点に気づきながら確認を十分にとっていなかったなどの観点から、エイブルによる過失の大部分は相殺されてしかるべきだとしています
事の真相は、これからの民事裁判及びエイブル側が派遣社員に対して行った刑事裁判の2つを軸に明らかになっていくでしょう。多くのステークホルダーが複雑に絡み合う賃貸マンションにおける派遣社員の不正事案に関して、今後の判決に業界各所から注目が集まります。